今回未解決事件として取り上げられるのは、80年代の失踪事件。
時期を同じくして発生した複数の失踪事件は、なぜか現代の新進政党の存在に繋がっていく。
選ばれし者のみ生かそうとするゆがんだ選民思想、そしてそして隔離するために使われた島の存在が大きく浮かび上がるのだ。
過去から始まる核となる事件と、特捜部のメンバーにかかわる現在の事件の描かれ方のバランスは非常に絶妙だ。過去の事件が現在に繋がるところは、冷静に考えるとちょっと強引と思える箇所もあるのだが、勢いがあるので、そんなことは気にならなくなる。そしてデンマークの特捜部を舞台にしたミステリーも第4弾となると、お互いのプライベートを尊重しつつも、捜査にあたることでお互いのプライベートを垣間見ずにはいられない3人の微妙な間柄が非常に面白く感じられる。
人間の尊厳にかかわるような事件を捜査していると、隠そうと思っても、ふと漏らした一言にその人の歩んできた道が見える瞬間があるのだ。
プライベートに必要以上に踏み込まないようにする配慮と、お互いを思いやる心。そして事件を解決しようとする熱い思い。そういう思いが逡巡しているのを感じ、ミステリーの中に人生があるな~と思わずうなずいてしまう・・・
時期を同じくして発生した複数の失踪事件は、なぜか現代の新進政党の存在に繋がっていく。
選ばれし者のみ生かそうとするゆがんだ選民思想、そしてそして隔離するために使われた島の存在が大きく浮かび上がるのだ。
過去から始まる核となる事件と、特捜部のメンバーにかかわる現在の事件の描かれ方のバランスは非常に絶妙だ。過去の事件が現在に繋がるところは、冷静に考えるとちょっと強引と思える箇所もあるのだが、勢いがあるので、そんなことは気にならなくなる。そしてデンマークの特捜部を舞台にしたミステリーも第4弾となると、お互いのプライベートを尊重しつつも、捜査にあたることでお互いのプライベートを垣間見ずにはいられない3人の微妙な間柄が非常に面白く感じられる。
人間の尊厳にかかわるような事件を捜査していると、隠そうと思っても、ふと漏らした一言にその人の歩んできた道が見える瞬間があるのだ。
プライベートに必要以上に踏み込まないようにする配慮と、お互いを思いやる心。そして事件を解決しようとする熱い思い。そういう思いが逡巡しているのを感じ、ミステリーの中に人生があるな~と思わずうなずいてしまう・・・
特捜部Q ―カルテ番号64― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) | |
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