BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

氷菓 第7話 『正体見たり』

2012-06-05 15:53:20 | 京アニ
うーん、毎回思うけど、これは、もう、京アニによる原作「整形」作品だね。
それくらい京アニらしく改変されている。

特に、今回の話は、たまたま原作を最近読んでいたので、その印象の違いに驚いた。

簡単に言うと、よくもこれだけ大した事件も起こらない物語を、ここまでもちあげるものだ、と。

原作の文庫本はかなり売れているようだけど、これはもう著者は京アニ詣でをしないと行けないぐらいだろうな。

原作は本当に地味だから。

『氷菓』の方もそう思っていたけど、なにせそれは随分昔のことだから、印象だけで判断してはいけないと思っていたのだけどね。いやー、ホント、地味だよ、原作。

今回は特に、最後の場面で、姉妹が仲良くしている(風の)場面が付け加えられたのは、普通だったら原作レイプとか言われてしまうところだけど。何せ、読後感を180度ひっくり返してしまうので。でも、京アニのあの世界観だと、あれくらいの救いのかけらがあってもいいかな、と思うので。

ちなみに、原作では最後の姉妹の描写はない。だから、千反田は兄弟姉妹に対してもっていた淡い夢は破砕されたままで終わっている。個人的には、そちらのほうがいい締め方だと感じてたけど。

というか、小説の方は、姉妹がやっぱり仲良しかも?というと、そもそもそこまで読んだことはなんだったんだ!ってことで放り投げたくなるのだけれれど、映像がつくと、そんなことはどうでもよくなってくる。なぜなら、京アニの物語は、あくまでも古典部が合宿で温泉に行ったことがメインになっていて(というか、映像で見ると、実際そうなのだ)、謎解きは、まさに怪談のように、単なる夏の風物詩ならぬ「古典部の風物詩」でしかないから。

つまり、日常風景の一つ。

だから、謎解きさえ行われればよくて、その結末がどういう意味を持つのかなんて実はどうでもいい。そして、どうでもいいなら、バッドエンドはなしね、という割り切りでいってもいい。

もうちょっと突っ込むと、原作が書かれた時と今とで、人の秘密を知った後の感覚がちょっと違うのかもしれない。皆、大なり小なり、折木のような突き放した感覚だから(だって、千反田のキャラって、絶滅危惧種でしょ、もはや田舎でも)、知ってしまった秘密の意味なんて余り考えない。であれば、バッドにしないほうが、まぁ、いいよね、と。

ともあれ、京アニの改変力は恐るべし。

地味な物語を何か意味深な青春ものに変えてしまうのだから。

ということで、次回からは『愚者のエンドロール』か。
こちらも既読だが、全く覚えてないw
『氷菓』の方は、I screamは印象深くてちゃんと覚えていたんだけどね。
なので、どう展開するのか、普通に楽しめそうな気がする。

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