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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

【推しの子】 第166話(最終話) 『星』 感想5:この【推しの子】という漫画は、ただ「芸能あるある」の醜聞を描きたいだけの作品だったのだろうか?

2024-11-14 21:41:07 | 推しの子
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【推しの子】の最終話の、あまりにもカタルシスのない終わり方を見て思ったのは、この作品は、ただ、芸能界やメディア業界に巣食う、汚い大人たちの醜聞を描きたいだけだったのか? という疑問だった。

いや、結構、真面目に、あのルビーのバカみたいに場違いな、明るい言葉の終幕に呆れたからなのだけど。

だって、最終3話ってよく考えると本気で意味不明だったから。

あかねも、かなも、ルビーも、ただひとしきり、泣き崩れたあと、ほとんどオートマで、復活してたから。

いや喪に服すっての確かにあるし、人はたちなおるものだけど、でもそれを文字通りただ「ひとはたちなおるものだ」と一文書いただけで終わらせるのって、表現者として終わってると思うから。

そうなると、この作品は、本編こそが、ただの舞台装置でしかなかった、ってことになって。

そこで残るのは、その時々の話の流れの中で出てきた、芸能界とメディア業界の汚い商慣行だけだった。

出演者を見捨てるリアリティショーの製作陣
枕営業
ルッキズムですすめるだけのキャスティング
異母兄弟、異父兄弟の横行
賞味期限切れした子役の末路
・・・
などなど

それぞれの内容は、そういうこともあるんだろうな、ということだけで、ホント、週刊誌の芸能欄で出てくるネタを見ているようなもの。

で、その内容に、それなりに読者は憤りや不快感を覚えて、ひとしきりげんなりする。

でも、この作品の作者の狙いは、そうして読者の感情操作をして盛り上げるだけだった、ってことだよね。

だって、アイというアイドルが、未婚のまま子どもを出産したという、大本のプロット自体が、最大級のスキャンダルだから。

でも、それすら、最後まで読むと、芸能界あるあるの、ただのネタでしかなかったという虚しさ。

いや、マジでこの漫画、何がしたかったの?って思うよ。

個人的には、カミキを殺すのではなく、カミキを牢屋に入れて、彼に反省する苦悩の時間を与える、というのも一つの物語的解決策だと思ったのだけど。

あかねの完全犯罪は、むしろ、カミキを半ば冤罪でも牢屋にいれるところで使ってほしかったのだけど。

でも、そんなトリックの知恵は、作者にはなかったってことだよね。

単純に期待しすぎてた。

転生を、ただ、カミキを殺めるためになされた、というのは、神様ひどすぎ、って思うしね。

いくら芸能の神であっても。

転生も、アイの出産も、全部ただの舞台装置だったっていうのは、さすがに、虚無がすぎるでしょ。

ほんと、ガッカリだよ。
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