シェリー酒はスペイン南部(2009年3月29日の旅程図のセビリアの南部)地方で造られる酒精強化ワインです。前回紹介したポートワインに似たところがありますが、樽に貯蔵する時、独特のカビが発生します。
1835年創立のゴンザレス・ビアスというメーカーを見学しました。広い構内をこのようなミニ列車に乗っての見学でした。
かつてはこのドウロ河から世界各地(特にイギリス)にラベーロという船で輸出されていました。1964年からは鉄道やトラック輸送に代わられ、現在は写真のようにこの船は「浮かぶ広告塔」としてドウロ河に係留されています。
ポートワインはポルトガル北部のポルト(2009年3月29日の地図参照)から出荷されるワインです。まだ糖分が残っている発酵途中にアルコール77%のブランディーを加えて酵母の働きを止めるのが特徴です。日本で昔よく飲まれていた赤玉ポートワインとは似て非なるものです。ポルトガル大使館からこの名前について抗議があり現在は赤玉スイートワインになっています。
ポルトの街にはドウロ河が流れていて街の中心部の対岸に30を超えるワイナリー(ワイン工場)があります。このワイナリー地区に行くのは写真の正面に見えるドン・ルイス橋を渡るか、このように船で渡るかです。ただし船の場合は海の近くまで下るというクルージングになります。行きをクルージング、帰りを橋にしました。
ワインはキリストの血ということでミサのときに飲まれることから修道院でよく造られています。以前(2007年5月21日)ギリシアのメテオラの修道院で現地ガイドに聞いて見ました。修道士が酔っ払って不始末をしたことはありませんかと。ガイドは生真面目にきっぱりとそんなことはありませんと答えてくれましたという話を紹介したことがありました。
ここでは、オーストリアのウイーン郊外にある1135年設立されたシトー派のハイリゲンクロイツ修道院のワインを紹介しておきます。あまりおいしいとは思いませんでした。
私はドイツ旅行をするまでドイツのワインは甘いものだという先入観を持っていました。したがって私には合わないと思っていました。ところがバンベルクのメッサーシュミットというレストランで購入したフランケンワインは辛口で私の今まで経験したうちでは最高の味でした。“Trocken” と表示されているのが「辛口」です。(写真の背景は日本)甘口は“Süß” です。
「世界の酒」を再開します。過去の掲載は2010年5月8日~5月20日、2012年4月20日~5月11日です。
ドイツのバンベルクでちょっと変わったビールに出会いました。燻製の香りがするRauchbier(燻製ビール)です。写真の1678年創業シュレンケラ燻製ビール醸造所居酒屋(Aecht Shlenkerla Rauchbier Brauerei –Ausschank seit 1678)で味わいました。1998年のことなのでその味を忘れました。そこで相原恭子氏の「もっと知りたい!ドイツビールの愉しみ」の以下の一文を紹介しておきます。
「シュレンケラで2種類を味わった。ラオホメルチェンは樫の木の樽から注がれた。まず感じるのはスモークの香り、口に含むと苦味とかすかな酸味がモルトのコクのあるわずかな甘みと調和して、不思議な美味しさである。喉を通る時、燻製の香りがして再びそれが鼻に抜けるようである。ラオホヴァイツェンは、爽やかでフルーティーなモルトと酵母の味わい。コクがあるのだが、ボディは穏やかで優しい。両方とも、もう少し、もう少しと、たくさん飲んでしまう口当たりの良さがある」(p44)
なお、相原氏は燻製ビールができたエピソードを紹介しています。
「ある修道院の醸造所が火事になり、せっかくのモルトが煙でくすぶり図らずも燻製になってしまい、捨てるにしのびず偶然できたのがラオホビールであったという。他にも、修道士が窓を開けずにモルトを焙煎していたため燻製モルトなってしまったという説もある」(p39)
ドイツバンベルクにお出かけの方は是非お試しあれ。ただ最近では日本にも輸入されているそうです。
なお、バンベルクの旧市街地は世界遺産にも指定されている素晴らしい景観の街です。古いボケた写真ですが、2006年1月4日、6日に紹介しているのでご覧ください。
バンベルクはフランケン地方にありフランケンワインも素晴らしい味です。それは次回で。
ドイツのビールに関して有名なのは1516年バイエルンのヴィルヘルム4世の「ビール純粋令」です。ビールは大麦のモルト、ホップ、水だけで造られたものと定められています。この「ビール純粋令」は500年たった今でもドイツでは厳格に守られています。
現在、日本を含め現在世界各国ではこれ以外の原料でビールが作られていますが、ルワンダで出会ったビールには驚きました。写真を見てください。原料にsugar (砂糖)も驚きですが、CO2(炭酸ガス=二酸化炭素)には驚愕を通り越しました。発酵した炭酸ガスという意味でなく後に炭酸ガスを注入したということなんでしょうが。やはり不味かったですね。ドイツのビールの対極という意味で紹介します。
フィンランドのサンタクロースが住むというロヴァニエミで昼食に少しビールを飲んで、お酒専門のスーパーに自分用の土産ウオトカを買いに出かけました。瓶を2本ほど抱えてレジに向かいました。ところがレジの女性が” You are drunk .”(あなたは酔っている)と言って売ってくれません。フィンランドでは酔っ払いには酒を売らないことになっているようです。顔が多少赤くなっていたかもしれませんが、酔っ払ってはいなかったはずですが。
写真はその後同行の人に買ってもらったウオトカでご機嫌なヘルシンキ行の夜行寝台での私です。
なお、ロヴァニエミのサンタ・クロスは2005年12月24日、25日に紹介しています、
こちらのほうは大変おいしかったのでラベルをはがしたという記憶があります。度数は高いのですがまろやかな味です。米焼酎でラベルには45%のウオトカと書いてありますが、これ以上の度数のもあるようです。ちなみに沖縄の泡盛の原料のコメはヴェトナムからの輸入です。