セルビアの民族的英雄はラザル侯ですが(2010年10月24日紹介)アルバニアではスカンデルベク(1405~1468)です。
彼はアルバニアの領主の子供として生まれましたが、オスマントルコに人質として送られイスラーム教徒になりオスマントルコの勇敢な騎士として活躍しその勇敢さからアレクサンダーにちなんでスカンデルベクの名前を受けました。1434年ごろ帰国しオスマントルコの軍司令官としてアルバニアを支配していました。1443年にキリスト教徒に改宗してオスマントルコに反旗を翻しました。その後25年にわたってアルバニアの独立を保ちますが、彼の死後アルバニアは1912年に独立するまでオスマントルコに併合されます。19世紀アルバニアの民族意識の高揚と共にスカンデルベクは対オスマントルコの戦士として民族的英雄になります。また彼はアルバニアの民族的英雄としてだけではなくイスラーム教オスマントルコに対してのキリスト教ヨーロッパの防波堤になったと考えられキリスト教ヨーロッパ世界の英雄でもあります。彼の子孫はイタリアに移住して対オスマントルコの戦士であるマルタ騎士団(2008年3月7日をご覧ください)に参加しています。そのせいか、イタリアの作曲家ビバルディはスカンデルベクというオペラを作っていますし、私は見たことはありませんが、ローマに彼の彫像があります。
写真はアルバニアの首都ティラナの中心部にあるスカンデルベク広場にある彼の彫像です。