「中国東北部」は何処ですか?という地理上の質問には、さしずめ5月1日の旅程図を見ていただけば理解いただけますが、そこは旧「満州国」だった所です、という歴史的説明にはキョトンされる戦後生まれの人が多いようです。私が身近に接している人がそうでした。今回の「中国東北部」の旅行のブログはこの歴史的存在の旧「満州国」を知らなければまったく理解していただけません。そこで最初に極度に簡略化した「満州国」の案内をしておきます。
1928年、当時この地の実質的な支配者張作霖(後日紹介)を日本軍隊(関東軍)が謀殺し1931年には柳条湖事件(後日紹介)をでっち上げ、1932年中国清王朝の最後の皇帝「溥儀」を執政(後皇帝)に担ぎ上げ日本による傀儡国家が成立し1945年の日本敗戦まで続きます。現在中国ではこの国を「偽満州国」と呼びます。この傀儡満州国の成立が日中戦争の始まりでありアジア太平洋戦争の始まりでもあります。
というわけで、「満州国を知らずして日本近代史を語るべからず」は常識です。余計なお節介ですが「満州国」を知るための手ごろな本としては「キメラー満州国の肖像」(中公新書)がお勧めです。
この偽満州国の首都が長春(当時は新京)でした。したがってこの地には偽満州国の国家機関がたくさん残されています。写真は最高行政機関、国務院跡の標識です。