採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

レ・クリント風プリーツ球体照明(1):設計の準備

2021-03-29 | +紙工作

2019年1月頃、ル・クリントのランプシェードにインスパイアされて、こんな照明カバーを作りました
(写真は、2020年4月に微調整して場所移動したときに撮影)

origami_lampshade

で、このとき使ったプラスチック障子紙、何故か2枚入りを買ったので、1枚で足りて、1枚余っていました。

origami_lampshade

これを有効利用したいものです。
もうひとつ、作ろう。

今度は、お店で見たこれを作ってみたい・・・。

origami_lampshade

紙を折って、球体ができるなんて、不思議です。

前は、適当に自己流で作りましたが、今度はなるべく同じものを作りたいです。
どういう設計になっているのだろうか。


じーっと観察してみると・・・

プリーツ球体テストプリーツ球体テスト

左側が前に自作したもの。右が今回作りたい球体。
ヒダヒダの形状というか、構成する多角形の形が異なります。
左は縦の線が、山になったり谷になったりしているし、縦に細長い6角形で構成されています。
右は縦の線がすべて谷折り。そして菱形で構成されています。

図にするとこんな感じ。

プリーツ球体テスト

左が前につくったもの、右がこれから作りたい球体。
右は、菱形で構成されています。


実際に紙を折ってみながら確認すると・・・

プリーツ球体テスト

こういう折り方でつくると、表面が六角形になってきます。


プリーツ球体テスト

こういう折り方だと、菱形で構成されることになります。
こうやって屏風畳みの紙を、斜め線が連続するようにに何度か折って、半円をつくるようにする、ということ。

適当に折ってみて思ったのですが、作りたいサイズと、屏風畳みの幅は関係しているような気がします。
適当な幅の屏風畳みを適当に折ったのでは、丸くなっていかないような・・・。
(前に作った時は、適当な幅の屏風畳みを適当に折っただけだった・・・・)


で、うまいこと説明できませんが、正多角形を作るためには、次のような法則があることが分かりました。

プリーツ球体テスト

例えば、投影したときに正10角形になるようなボールを作るには、
・屏風畳みの幅は、蛍光イエローの部分
・紙の長さに相当するのは、頂点を一個飛ばしにした部分の長さ、つまり蛍光ピンクの部分の長さ
となります。

プリーツ球体テスト

直角三角形の各辺の長さは、こういう計算です(グーグル先生、ありがとう!)。

半径rの正2n角形にしたい場合、
中心角θ=360/2n

紙の縦の長さ=r・sinθ x n
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
紙の横幅=ヒダの角度60度とすると円周の約2倍=2×2πr


実際にやってみます。
(うっとおしかったら数式の部分は飛ばしちゃって、写真だけ見て下さいませ)

■正6角形の場合
半径10cmの正6角形とすると

θ=360/6 =60
紙の縦の長さ=10・sin60° x 3
      =10・0.87 x 3
      ≒26.0
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
      =10-10・0.5
      =5

プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト

26cmの長さ(×横幅約125cmもしくはもっと)の紙を、5cm幅に折り畳み、26cmが3区分になるように斜め線を入れて菱形を作って畳むと、投影形状が6角形のボールになります。
(ヒダが粗くてボールとは呼べないかもしれませんが)
(写真はテストピースなので横幅30cm程度でつくっています)


■正8角形の場合
半径10cmの正8角形の場合
θ=360/8 =45° 
紙の縦の長さ=10・sin45° x 4
      =10・0.71 x 4
      ≒28.4
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
      =10-10・0.707
      =2.9

プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト

28.4cmの長さ(×横幅約127.6cmもしくはもっと)の紙を、2.9cm幅に折り畳み、28.4cmが4区分になるように斜め線を入れて菱形を作って畳むと、投影形状が8角形のボールになります。
(写真はテストピースなので横幅30cm程度でつくっています)

■正10角形の場合
半径10cmの正10角形の場合
θ=360/10 =36
紙の縦の長さ=10・sin36° x 5
      =10・0.59 x 5
      ≒29.5
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
      =10-10・0.81
      =1.9

プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト

29.5cmの長さ(×横幅約125.4cmもしくはもっと)の紙を、1.9cm幅に折り畳み、29.5cmが5区分になるように斜め線を入れて菱形を作って畳むと、投影形状が10角形のボールになります。
(写真はテストピースなので横幅30cm程度でつくっています)
だいぶボールぽくなってきました。


■正12角形の場合
半径10cmの正12角形の場合
θ=360/12 =30°
紙の縦の長さ=10・sin30° x 6
      =10・0.5 x 6
      =30
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
      =10-10・0.866
      =1.34

プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト
プリーツ球体テスト

30cmの長さ(×横幅約126cmもしくはもっと)の紙を、1.34cm幅に折り畳み、30cmが6区分になるように斜め線を入れて菱形を作って畳むと、投影形状が12角形のボールになります。
とてもヒダが浅くなってきました。


作りたい球体は、写真をじーっとにらんで数えてみると、最後の12角形だと思います。
半径25cm、直径50cmくらいでちょうど、照明器具を中にいれられるし、障子紙の縦の長さ90cmにおさまりそうです。

プリーツ球体テスト

実物大投影モデル。

半径25cmの正12角形の場合
θ=360/12 =30°
紙の縦の長さ=25・sin30° x 6
      =25・0.5 x 6
      =75
屏風畳みの幅=r-r・cosθ
      =25-25・0.866
      =3.35
紙の横幅=2×2πr
    =2×2・3.14・25
    =314  

紙の縦の長さは、90cmにおさまるし、ヒダの幅は、3.3cmでよさそう。
横幅は、計算上は障子紙180cmの2枚分(360cm)はなくてもよさそうですが、丁度2枚分加工することにします。
1枚買い足すことになります。


これにあうような感じで、まずは実物大サンプルを作っていきます。

(続く)

コメント
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