昨日、読売ホールで榊原英資氏の「今年の世界経済と日本」と言う演題の講演を聞いた。
昨年12月10日に書いたブログとほぼ同じ内容の講演なので、少し毛色の変わったところについて記録コメントして置きたい。
今回、グリーンスパンからバーナンキに変わったので、その辺の事情を聞きたかったが、金利を更に上げて5%くらいまでは行くかも知れないが、その場合はドル高、しかし、金利の予測困難でバーナンキの金利政策次第で国際経済は動く、と言う程度のコメントで終わった。
少し以前に、丁度円高で100円近辺まで行った時に、講演会で更に円高を予測していたが、全く当たらなかったし、ミスター円と言っても、為替の予測は当たらないと言っているし、彼の予測も大体外れるので信用していない。
時節柄、六本木ヒルズ・バブルへの批難は熾烈を極め、何も実体のないホリエモンのライブドアに対しては、犯罪組織であり世間が早く気づかなかったのが問題だと言う。
時価総額至上主義、株主資本主義の欠陥は、あのエンロン、ワールドコム事件で証明済み、それに、楽天もそうだが、敵対的買収など成功した例がないと厳しく批判する。
会社は誰のものかと言う議論で、年金基金等が強力に株主主権を言っていたが、最近は総てのステイクホールダーが重要だと言う常識的な考え方になってきた。
ライブドアなど、監査法人と癒着していたが、コーポレートガバナンスの欠如も甚だしく、経営者の倫理観の重要性を問われると言う。
社会が、インターネットとITを混同しているのが問題で、インターネット企業は、ソフトバンク、楽天、ライブドア等で、バランスを見れば分かるがこれがバブルだと言う。
IT企業は、IBM,NTT,NEC等であるが、ソフトであろうとハードであろうと立派に社会に貢献するモノを生産していて実態が伴っている。
読売ホールだからゴマをする訳ではないが、ライブドアが、野球に参入しようとした時に、拒否したナベツネが正しかったのだと言う。
敵対的買収に失敗する理由は、一時のアメリカの場合と違うが、今の企業の財産は暖簾やブランド、知的ノウハウ、技術、データベース等々属人的な要素が強くなっていて、この人的資産が買収によって流出すれば、元も子もなくなる。
人を大切にする日本経営は不滅であることを、アベグレンが「新日本の経営」で強調しているが、会社は、優秀なプロフェッショナル、テクノクラートそして有能な経営者で支えられていることを示したかったのであろう。
このプロの知的労働者、テクノクラートが企業を支える重要な資産であり、これ等が経済社会を動かす中枢である事を、もう何十年も前から、ガルブレイスもドラッカーも、そして、アルビン・トフラーも言い続けていた。
ところで、実体のあるM&Aは必要で、銀行、鉄鋼、セメント等々企業の再編成が進んで、日本の経済再生に貢献していると言う。
日本経済については、収益性が高くなり健全化していて完全復活であり、21世紀は日本の世紀であるとぶち上げている。
株式市場もバブルではなく、日経平均が1,8~2万円には十分行くと言う。
日本経済の今後は、外部環境の変化に大きく左右されると言う。
現在、世界には2つの過剰がある。
一つは、アメリカの過剰消費で、住宅バブルの為に、それを担保に借金して消費しているが、このバブルが崩壊すると貯蓄率が上がり大幅に消費が縮小するので経済が悪化する。
今年の年初か年央に起こると思われていたが、伸びているだけで時間の問題である。
もう一つは、中国の過剰設備投資で、鉄鋼など限度を越えている。
中国は、いまだ原始的資本主義の段階にありダイナミックだが、デフレの可能性があり、成長率の鈍化も考えられる。
今後の大きな問題は、石油価格高騰に顕著に現れているようにエネルギー問題である。
日本は水力・原発等に電力をシフトしかつエネルギー効率も高いが、アメリカも中国もエネルギー資源確保に狂奔している。
資源大国、ロシア、ブラジル、南ア連邦等の帰趨が重要になってくるであろう。
世界経済は比較的好調に行くであろうが、その趨勢についてはこれ等の不確定要因を考慮する必要があろう。
日銀は早晩、金融緩和策を変更するであろう。
日本経済は、ファンダメンタルは健全で成長軌道に乗ったので、後は外部環境次第、そんなところが榊原先生の結論であろうか。
昨年12月10日に書いたブログとほぼ同じ内容の講演なので、少し毛色の変わったところについて記録コメントして置きたい。
今回、グリーンスパンからバーナンキに変わったので、その辺の事情を聞きたかったが、金利を更に上げて5%くらいまでは行くかも知れないが、その場合はドル高、しかし、金利の予測困難でバーナンキの金利政策次第で国際経済は動く、と言う程度のコメントで終わった。
少し以前に、丁度円高で100円近辺まで行った時に、講演会で更に円高を予測していたが、全く当たらなかったし、ミスター円と言っても、為替の予測は当たらないと言っているし、彼の予測も大体外れるので信用していない。
時節柄、六本木ヒルズ・バブルへの批難は熾烈を極め、何も実体のないホリエモンのライブドアに対しては、犯罪組織であり世間が早く気づかなかったのが問題だと言う。
時価総額至上主義、株主資本主義の欠陥は、あのエンロン、ワールドコム事件で証明済み、それに、楽天もそうだが、敵対的買収など成功した例がないと厳しく批判する。
会社は誰のものかと言う議論で、年金基金等が強力に株主主権を言っていたが、最近は総てのステイクホールダーが重要だと言う常識的な考え方になってきた。
ライブドアなど、監査法人と癒着していたが、コーポレートガバナンスの欠如も甚だしく、経営者の倫理観の重要性を問われると言う。
社会が、インターネットとITを混同しているのが問題で、インターネット企業は、ソフトバンク、楽天、ライブドア等で、バランスを見れば分かるがこれがバブルだと言う。
IT企業は、IBM,NTT,NEC等であるが、ソフトであろうとハードであろうと立派に社会に貢献するモノを生産していて実態が伴っている。
読売ホールだからゴマをする訳ではないが、ライブドアが、野球に参入しようとした時に、拒否したナベツネが正しかったのだと言う。
敵対的買収に失敗する理由は、一時のアメリカの場合と違うが、今の企業の財産は暖簾やブランド、知的ノウハウ、技術、データベース等々属人的な要素が強くなっていて、この人的資産が買収によって流出すれば、元も子もなくなる。
人を大切にする日本経営は不滅であることを、アベグレンが「新日本の経営」で強調しているが、会社は、優秀なプロフェッショナル、テクノクラートそして有能な経営者で支えられていることを示したかったのであろう。
このプロの知的労働者、テクノクラートが企業を支える重要な資産であり、これ等が経済社会を動かす中枢である事を、もう何十年も前から、ガルブレイスもドラッカーも、そして、アルビン・トフラーも言い続けていた。
ところで、実体のあるM&Aは必要で、銀行、鉄鋼、セメント等々企業の再編成が進んで、日本の経済再生に貢献していると言う。
日本経済については、収益性が高くなり健全化していて完全復活であり、21世紀は日本の世紀であるとぶち上げている。
株式市場もバブルではなく、日経平均が1,8~2万円には十分行くと言う。
日本経済の今後は、外部環境の変化に大きく左右されると言う。
現在、世界には2つの過剰がある。
一つは、アメリカの過剰消費で、住宅バブルの為に、それを担保に借金して消費しているが、このバブルが崩壊すると貯蓄率が上がり大幅に消費が縮小するので経済が悪化する。
今年の年初か年央に起こると思われていたが、伸びているだけで時間の問題である。
もう一つは、中国の過剰設備投資で、鉄鋼など限度を越えている。
中国は、いまだ原始的資本主義の段階にありダイナミックだが、デフレの可能性があり、成長率の鈍化も考えられる。
今後の大きな問題は、石油価格高騰に顕著に現れているようにエネルギー問題である。
日本は水力・原発等に電力をシフトしかつエネルギー効率も高いが、アメリカも中国もエネルギー資源確保に狂奔している。
資源大国、ロシア、ブラジル、南ア連邦等の帰趨が重要になってくるであろう。
世界経済は比較的好調に行くであろうが、その趨勢についてはこれ等の不確定要因を考慮する必要があろう。
日銀は早晩、金融緩和策を変更するであろう。
日本経済は、ファンダメンタルは健全で成長軌道に乗ったので、後は外部環境次第、そんなところが榊原先生の結論であろうか。