熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

春たけなわの新宿御苑

2012年04月06日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   昨日午後、時間があったので、久しぶりに新宿御苑を訪れた。
   月末に開花宣言があって、テレビで、千鳥ヶ淵の夜桜を放映していたので、ぼつぼつ新宿御苑の桜も見ごろかも知れないと思って出かけたのだが、一寸早かったようで、ソメイヨシノは満開とは行かなかった。
   しかし、新宿御苑には、色々な種類の桜が咲いているので、この口絵写真のように、華やかに桜が咲いていて、花見客で賑わっている。

   ところが、面白いことに、日本人のお客よりも、外人客が目立っていて、私がシャッターを押してあげたのは、マレーシアの女の子で、京都からの帰りの団体客であったし、大きな声で桜の前ではしゃいでいたのは、中国人の家族であったし、白人の若者たちのグループも結構多い。
   昔、オランダに居た時に、有名なキューケンホフのチューリップ公園の客の多くはほかの国からのヨーロッパ人で、オランダ人に聞いたら、家の周りに沢山咲いているので、公園などに見に行かないと言っていたのを思い出した。
   花見の宴会には行くが、わざわざ、時間を割いて花見など行かないと言うのが、日本人かも知れない。

   尤も、私も特に桜を見たいと思って新宿御苑に行ったのではなく、春の気配を感じたくて行ったのだが、むしろ、梅の季節が完全に終わってしまっていたのが、残念であった。
   ところで、新宿門を入ったすぐ右側の日本庭園に入る手前には、真っ白な雪柳、その後ろに連翹、その後ろに、紅白の桜が咲いていて、そのグラデュエーションが美しかった。
   日本人客は殆どより付いていなかったが、ここで、マレーシアの女の子たちがシャッターを切っていた。
   

   ところで、私は、満開に咲き乱れている桜の木の姿や遠望にはあまり関心がなく、池畔に枝垂れて影を映している桜や、桜の大木の幹に、小さな枝がこびりついて数輪咲いている花や、それに、綺麗な形をした桜花のミクロの姿などの方に興味を感じて鑑賞している。
   昔、学生の頃に、桜を求めてあっちこっちを見て回っていた頃は、霞に翳んだり、雲のように浮かんでいた桜の望遠や、一気に吹き上がる花吹雪の豪華さなどに感激していたのだが、好みが変わって来るのも、歳の所為かも知れないと思っている。
   
   

   新宿御苑には、近くに住んでいる若いお母さんたちが団体になって、小さな子供たちを連れて来て遊ばせている光景が目につく。
   英国式風景庭園は、広大な芝地が広がっているので、子供たちの恰好の遊び場で、幼稚園や保育園くらいの子供のお母さんたちで、大体小さな子供もいるので乳母車の乳児たちもいて、賑やかである。
   放射能の影響で除染しても危険だと言う福島の人々、いや、私の居る千葉でさえ外で赤ちゃんを遊ばされないと言う不幸を思うと、一寸、複雑な気持ちになる。
   
   
   ところで、今、椿が満開で、新宿御苑の椿の木は、大木なので、落ち椿でその存在が分かる。
   上の池の近くに椿の群落があって、今、白羽衣の豪かな花が咲き乱れていて素晴らしい。
   それに、ボケも満開で、まだ小さな木だが、複雑に混じったパステルカラーのツートーンやスリートーンの色彩に味があって面白い。
   地面には、下草の間に、ハナニラや水仙、スミレなどが咲き乱れている。
   フランス式整形庭園のプラタナスは、白い幹だけが、さかなの骨のようで面白い。
   バラは、新芽が出始めているが、花には、まだ、1か月以上も早い。
   まだ、少し肌寒いので、一気に花が咲き乱れるのは、もう少し先であろうと思うが、やはり、新宿御苑は春たけなわであり、梅雨までのしばらくの間は、恰好の散策場所となろう。
コメント
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