熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

性善説市場の日本のビジネス

2012年04月21日 | 生活随想・趣味
   地球を半周して久しぶりに帰国した親しい知人から、お土産を頂いた。
   私も随分昔だが、しばらく住んでいたので、懐かしく思い出しながら、甘いチョコレート菓子を頂こうと思って、包装を説いてテープを剥がして開けて見たら、プーンと好い匂いが漂い、正にブラジルの香りである。
   しかし、驚いたのは、カンの中身で、確かに、6つのケーキが並んでいるのだが、カンの中はスケスケで、どう見ても、まともな贈答用商品の詰め合わせとは思えない。
   咄嗟に、思い出したのは、先日コメントした川北潤氏が、「ネットデフレ」で、最も蝕まれやすいのは、性善説市場の日本だと記していた、その「性善説市場」と言う言葉である。

   日本では、ネットショッピングで購入しても、川北氏も私も、額面通りに、必ず正規品が届けられて全く問題などなかったのだが、中国ならどうかと言うのである。
   日本は、ショップは性善説で商売をしているから信じても良いが、中国では、まがい物が横行し、騙される方が悪いと言う性悪説市場であるから、万が一騙されても文句が言える筋合いではない。中国人の観光客が、何の心配もなく、本物を真違いなしに買えるから、わんさと日本に押しかけて来て、ショッピングをして帰るのも、この証左であろう。

   さて、前述のチョコレート菓子だが、大切な友人であるので、この記事を読まれても悪いし、どこで、いくらで買ったのかと聞く訳にもいかないので推測の域を出ないが、コスト削減の上げ底包装であろうとも、日本の商店ならもう少し工夫をするであろうし、安いのかも知れないが、第一、カンに見合わない箱詰めであり、こんな商売をすれば、一気に、ブランドと会社の信用を失墜する筈なのに、そんなビジネスを堂々と行っていて、商売が続けられるのかと言う思いである。
   尤も、製造現場に立つ従業員のモラルの問題かも知れないのだが、いずれにしても、品質管理以前の問題であろう。
   では、ブラジルが、日本と違って、中国のように性悪説市場であるのかと言うことだが、このブログでも随分ブラジルの記事を書き続けているけれど、私自身は、ラテン気質の強いブラジルであるから、当然と言わないまでも、今回も、変っていないなあ、やはり、相変わらずのブラジルのビジネスだ、と思ったことは事実である。

   とにかく、最近は、多少世知辛くなったとは言え、日本は性善説市場の国。
   天然記念物のような市場だが、グローバリゼーションの時代だからこそ、大切に守らなければならない宝かも知れない。
   BRIC’sビジュネスは、要注意と言うのがビジネスの鉄則だが、ビジネス倫理なり哲学の差があまりにも大きいと言うことであろうか。

   念のため、二つ重ねて並べれば、カンの大きさに見合うのだが、空間が開き過ぎると言う写真を添付して置く。
   
   
コメント
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