熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

真夏の倉敷美観地区を散策

2012年07月22日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   久しぶりに倉敷を訪れて、美観地区の近くに宿を取り、翌朝、少し時間があったので、美観地区入口の交差点から、昔の役場で、今観光案内所となっている倉敷館まで歩いて、中橋を越えて引き返してきた。
   ほんの30分ほどの散策だが、既に、温度は30度を超えており、非常に蒸し暑くて、激しい蝉しぐれで、汗が噴き出る。
   20度少しオーバーの東京とはえらい違いで、久しぶりに、元関西人として、大阪の蒸し暑さを感じて懐かしくなった。

   蝉しぐれだが、千葉を出る時には、沢山、冬眠している私の庭の蝉も、まだ、羽化して鳴いてはいず、むしろ、鶯が鳴いていた筈であり、ここにきて、一気に真夏を感じた。
   私の庭には、西日本に多いクマゼミの東漸は、まだで、一度も訪れたことはなく、久しぶりに、あの激しくシャーンシャーンと鳴く声を聞くと、猛暑の感覚に頭がリセットされてしまって、堪らなくなった。

   ところで、この美観地区で、真っ先に印象的なのは、緑の蔦で覆われたコーヒーショップのエルグレコで、その向こうに見えるギリシャ風のファサードの大原美術館の佇まいである。
   非常に純日本的な街並みに、ここだけは、全く違ったチグハグな、どこかヨーロッパ的な雰囲気がある。
   この町のこの美観地区だが、街並みは、古風な日本的なムードでも、店で売っている品物や、店の雰囲気などは、結構、モダンな欧米風なものが多くて、ハイカラと言えばハイカラだが、どこか異様な感じのハイブリッドである。

   大原美術館には、2度入ったことがあるのだが、欧米の美術館や博物館の多くは見ている私には、特に目新しいことでもないので、今回も、いつものように周りの雰囲気だけを楽しませて貰った。
   泉水に丁度、黄色とピンクの小さな花が綺麗に咲いていて、この同じ花は、中橋の下の川の外れにも咲いていた。
   

   角の倉敷館だが、木造の中々雰囲気のある建物で、内部は、広い部屋は休息所になっていて、案内所も、田舎の役場の受付といった風情で面白く、角の奥にコインロッカーがあったり、車いすが並べてあるなど、チグハグ具合が面白い。
   ここは、遊覧船のチケット売り場も兼ねていて、前の川を、今朝は、かなりの小舟が行き交っていた。
   佐原の船のようにエンジンではなく、船頭さんが竿を使っていたが、狭い川だから出来ることであろうか。
   
   
   

   この美観地区は、入口から、沢山の土産物店が軒を連ねていて、趣向を凝らして売っているのだが、きびだんごでもむらすずめでも美味しいものでもないし、特別な文芸品は別として、それ程、魅力的な土産物は思い当たらないので、この倉敷で、買うものは殆どない。
   面白いのは、大原美術館前から倉敷館にかけて、池畔に、小物やアクセサリーなど装身具様の飾りのようなものを並べて売っている露店が5人ほど出ているのだが、一つ売っても、ネーム入りで、3~500円と言うことで、商売になるのか、心配しながらを見ていたら、綺麗なおねえさんが眺めていた。
   

   この通りの中に、場違いな雰囲気を醸し出しているのが、小さな証券会社の店頭の緑のボードに手書きで書かれた市況情報で、当たらずと言えども遠からずと言った感じの経済情報が意表をついていることである。
   良く考えてみれば、元々は、普通の街並みであった筈で、老舗の証券会社の店があって、今も存在していると言うことであろうが、これも、商売になるのかどうかと言った疑問符のつく店である。
   ところで、この通りには、古い立派な重文の大原邸もあれば、石州瓦の美しい有燐荘もあり、旅館や料亭など結構玄関口には風情があり、その並びに、観光用人力車が客待ちをしている。
   しかし、流石に人も少なく、それに、暑くて、観光と言っても難行苦行である。
   
   
   
   
   

   
   
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする