熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ワールドカップ:アルゼンチン優勝

2022年12月19日 | 海外生活と旅
    【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝】で、アルゼンチン3-3(PK4-2)フランス
    アルゼンチンが、PKの激戦を制して36年ぶりに3度目の優勝!と、すべてのメディアで報道。

    アルゼンチンの過去の優勝大会は、 1978年のアルゼンチン大会(自国開催)1986年のメキシコ大会 であるから、今回の優勝は劇的な展開である。
    この1978年の大会の時には、丁度、ブラジルで仕事をしていて、サンパウロでテレビを見ていたので、記憶に残っている。
    隣のアルゼンチンで、アルゼンチンとブラジルの対戦があったので、ブラジル人のサポーターが大挙してブエノスアイレスに向かった。サンパウロのバス会社の社長が無料バスを提供したり、とにかくサッカー王国のブラジルの熱血ファンたちであるからその熱狂ぶりは尋常ではない。
    「サンパウロにいて、ブラジルを勝たせる応援の仕方」と言う信じられないような記事が載っていると、秘書が新聞を見せてくれた。
    役所も会社も休みで、車の流れも殆ど止まって、サンパウロ中テレビにしがみついているのであろう、街は水を打ったように静か。
    アルゼンチン 0 - 0 ブラジルだったが、アルゼンチンが得失点差でブラジルを上回り決勝へ進出したので、3位決定戦となって、ブラジル 2 - 1 イタリアと3位に終って、
    残念ながら、ブラジルの優勝はならなかった。

   もっと記憶に生々しいのは、それより少し前、万年最下位(?)で振るわなかった地元サンパウロのサッカーチーム・コリンチャンズが、奇跡的に快進撃した時の革命騒ぎのようなお祭り騒ぎである。
   優勝決定戦のときであったか、もう40年ほども前のことなので、記憶は定かではないのだが、この時も、街中、テレビに釘付けで、コリンチャンズに点が入ると、街中の高層ビルから紙吹雪と大歓声。当時ブラジルブームで、サンパウロには2~30階建ての高層ビルやアパートが2000本以上林立していて、その全ビルのすべての窓から紙吹雪、実際にはトイレットパーの切れ端や手当たり次第の紙切れなのだが、一斉に舞い上がるのであるから、壮観であった。その日の夜は、オープンにした車に旗をひらめかせた若者達が鈴なりになって、クラクションを鳴らしながら車列をなして大通りを走り回るのであるから、もう革命である。

   ブラジルがこれであるから、同じくラテン気質の更に激しいアルゼンチンのこと、この比ではなかろう、
   さぞかし、国家を上げて、大変なお祭り騒ぎが展開されているのだろうと思う。
   とにかく、資源に恵まれた豊かな国の筈のアルゼンチンでありながら、21世紀に入っても、相変わらず真面な政治から程遠く、万年経済不況とインフレに悩まされ続けていて、新興国か発展途上国か分からないようなIMFのお荷物民主主義国だが、今度の優勝で、国威発揚となると素晴しい。

   私は、隣のブラジルに長く住みながら、アルゼンチンには、出張と家族旅行を含めて4回しか行っておらず、短期間の仕事と観光の束の間の滞在なので、豊かな文化に触れる良い思い出しか残っていない。
   ブエノスアイレスの綺麗な街の雰囲気や、ボカでのビエホアルマセンやミケランジェロの噎せ返るようなタンゴ、テアトロ・コロンでのオペラ「アラベラ」、バリローチェでの休日、それに、素晴しい食事、
   いずれにしろ、ブラジルもそうだが、民度も高く古くからの文明国でありながら、何故、あれほどまでに政治が稚拙で迷走ばかりしているのか、不思議で仕方がない。
   「Don't cry for me Argentina」、あのエビータの時代からも70年以上、何故、眠り続けて何時までも覚めないのか、
   尤も、日本でさえ、失われた30年が40年になろうとしていて、人口減で経済成長は全く望み薄であるから、お先真っ暗、
   政治とは不思議な世界である。
コメント
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