熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

都響の会員権の継続について

2023年11月12日 | クラシック音楽・オペラ
   今日の都響の定期演奏会Cは、次の通り 素晴しい演奏会であった。

第986回定期演奏会Cシリーズ
日時:2023年11月12日(日) 14:00開演
場所:東京芸術劇場コンサートホール

出演
指揮/ジョン・アクセルロッド
ヴァイオリン/アレクサンドラ・コヌノヴァ

曲 目
シルヴェストロフ:沈黙の音楽(2002)
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
【ソリスト・アンコール】
J.S. バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より「前奏曲」
 (ヴァイオリン/アレクサンドラ・コヌノヴァ)

   冒頭のシルヴェストロフはウクライナの作曲家で、2002年の作曲であるから、現代曲だと思っていたが、「沈黙の音楽」は、沈黙のワルツやセレナーデで、実に優雅で美しい曲であった。現下の悲惨極まりないウクライナ戦争の対極にあって、平和への祈りを切々と奏でる清浄なサウンドが胸に迫る。

   シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、欧米でも何度か聴いた有名曲。私には、森と湖に囲まれたムーミンやサンタクロースの国と言うよりも、ウクライナ同様に、ロシアの圧政に苦しんでいたフィンランドの時代で、上空に飛来した敵機に向かって、自動小銃を構えて撃ち落とそうとするシベリウスの姿をイメージさせてくれる素晴しい曲である。
   華麗なヴァイオリンに感動しながら、アレクサンドラ・コヌノヴァの美しい容姿の、正に絵になる素晴しい演奏姿に魅せられていた。

   ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、レコードもCDも持っていないのだが曲想を覚えていているので、ヨーロッパなどでも結構聴いた曲なのであろう。第3楽章最後のハープの素晴しいサウンドから第4楽章の冒頭にかけてのサウンドが印象的である。
   良く分からないが、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」で、厳しく批判され絶体絶命の危機に陥りながら、この曲で名誉回復したという。 硬骨漢のショスタコーヴィチのことであるから、スターリンに迎合したはずはなく、「苦悩から歓喜へ」をテーマにした輝かしいフィナーレに、スターリンの途轍もない圧政に対する批判を叩き込んだような気がしている。

   いずれにしろ、今回の演奏会は、信じられないような悲惨なウクライナ戦争やパレスチナ戦争への限りなき批判と、平和への祈りを呼び起こして胸が熱くなった。
   指揮者ジョン・アクセルロッドの卓越したタクト捌きと素晴しい都響サウンドの響きが脳裏に焼き付いている。

   さて、先月、都響から定期会員券を継続するかどうか案内があった。期間が短かったし、大分どうするか考えたのだが、老齢故の体調を考えて、今までのように、元気で鎌倉から池袋の芸術劇場へ通える自信がないので、退会することにした。
   いつから都響の定期会員になったのか記憶はないのだが、15年は続いていると思う。
   と言っても、途中で途切れたこともあるが、クラシックの楽団の定期会員権の継続は、50年ほど続いていて、都響は、その最後のケースなのである。
   いずれにしろ、定期会員権の取得継続で、クラシック音楽を存分に楽しんできた私にとっては、非常に残念なことである。

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   残念なことではあるが、諦めざるを得ない。

   さて、一番最初の会員権取得は、N響の東京文化会館ホールのシリーズで、それから、海外に出たので、フィラデルフィア管、コンセルトヘボウ管、ロンドン響、ロイヤル・オペラ、その後帰国してからは、小澤征爾を聴きたくて新日本フィル、そして、今の都響である。
   定期会員権の取得の必要性を感じたのは、フィラデルフィア管の時で、定期会員権は、孫子の代までと言うか、会員の家族が代々継承して、市場に出ないので、非常に取得が困難であって、偶々、運良く直前にキャンセルがあったので、取得できたのである。それと同じことは、アムステルダムのコンセルトヘボウでも感じて、これも幸運に取得できたので、ロンドンに移ってからも継続していた。
   勿論、定期公演以外にもコンサートがあったのでチケットは取得可能なのであろうが、定期公演には特別の配慮があるのであろう、非常に質の高い意欲的な公演が多いのだが、チケットが品薄で取得が非常に難しくなる。
   したがって、フィラデルフィア管やコンセルトヘボウ管などの素晴しいコンサートを聞き逃さないためには、定期会員権の取得維持が必須だったのである。

   これからは、行きたいコンサートを選んで、個々にチケットを取得することになるし、近くの鎌倉芸術館へ行くことになろう。
   しかし、膨大なレコードやCDやレーダーディスク、それに、DVDが残っていて、その上に、最近録り溜めたオペラやクラシック音楽が、2Tのパソコンや3Tの付属ディスクに残っており、これをどうするか。
   ただ、不思議なことに、ウィーン・フィルやベルリン・フィルやと言って目の色を変えて追っかけていた若かりし日の意欲は消えてしまって、クラシック音楽に淡泊になってしまっている。これも、歳の所為かも知れない。
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