
コーポレート・レピュテーションについて、フォンブランの新著にふれて2日前に書いたが、一番重要な視点に関して端折ったので考えてみたい。
それは、レピュテーションによる企業価値を、会計上、「レピュテーション資本」として評価してバランス・シートに資産計上しようと言う提言である。
企業のレピュテーションは、謂わば、コーポレート・ブランディングに拠って高まる。
製品の為のブランディング・プロセスを、企業全体に適用して、製品の良し悪しには関係なく、その企業の顧客の間に強力で情緒的な結びつきを築き顧客の企業への共感を増大させて、商品購入の可能性を高める。
ブランドとの違いは、消費者は、企業の名前にいったん好意的な連想を持つと、製品の良し悪しには関係なく、その企業の製品に好意的になる。
このハロー効果を利用して、レピュテーションは、企業に独自性を作り出し、差別化と競争優位性を生み出す。
これ等の努力によって高まったコーポレート・レピュテーションを評価して、それに要した活動コストを資産計上しようとの提言である。
レピュテーションと財務的価値は、次の3つの方法で相互に関連していると言う。
1.企業の業績に影響を与え収益に影響を及ぼす。
2.収益力が企業の将来性に影響し、その時価総額を高める。
3.企業活動そのものが「レピュテーション資本」の形成に貢献する。
今日の保守的な会計原則では、アメリカといえども、広告、PR、スポンサーシップ、慈善活動、社会的責任関連支出、等々、ブランド構築およびレピュテーション構築活動に関するコストは総て費用処理されている。
しかし、レピュテーションそのものは、企業資産として財務価値を備えており、企業の顕示性、親密性、名声の構築に寄与しているこれ等の活動を、レピュテーション創出に対する投資として捉えるべきである、と言うのである。
企業の市場価値は、物的資本+金融資本+知的資本+レピュテーション資本、だとする。
良く似た無形資本「知的資本」は、蓄積された知恵とノウハウ、企業の日常業務活動、従業員のスキルに存在している企業の財産、と定義しているが、「レピュテーション資本」そのものの定義が定まっていない上にその評価が難しく混同する可能性が高い。
レピュテーション資本の評価の方法の一つは、企業名を有料で貸すライセンシング料の算定だと言う。横浜が日産に貸した「ニッサン・スタジアム」の様な例で、企業名のライセンスに対するロイヤリティ料率は、通常予想売上高の8~14%だとして、例えば、直近20年間に受け取るロイヤリティ収入総計の現在価値を算定してはどうかと言う。
企業が大事故等不祥事を起こした場合、企業のレピュテーションは場合によっては地に落ち、株価は暴落する。
コストとしては、物的資産や人命の悲劇的な損失や、それらの危機に関連した後始末の費用や法務費用等、他にも時価総額を引き下げる費用が発生する。
いずれにしても、コーポレート・レピュテーションの重要な価値とその資産性は、認めるとしても、その定義、そして、その評価が極めて難しい。
それに、資産そのものが、極めて不確定な要因によって変動する脆弱性を擁しており、保守的な要素を要求する会計原則に馴染まない。コストだけの積み上げだけではとても処理できるものではなく、人的な予測が入り込む余地が極めて高い。
レピュテーション資本の時価評価は、どのようにするのか、正に至難の業ではなかろうか。
国際会計基準の導入によって、有価証券や不動産の時価評価で辛酸を舐めてきた日本の経営陣には、何をか況やである。
企業価値については、株式市場で評価してもらえればそれで十分。
レピュテーションを高める為、企業の社会的責任の追及も、そして、IR活動も、それなりに努力して、株価アップ、時価総額のアップに努力しましょう、と言うことであろうか。
それに、あまり事業以外のことに経営資源を投入すると、フリードマンやドラッカーから、経営者の本来の使命を忘れた不道徳な行為だと糾弾されるかも知れない。
それは、レピュテーションによる企業価値を、会計上、「レピュテーション資本」として評価してバランス・シートに資産計上しようと言う提言である。
企業のレピュテーションは、謂わば、コーポレート・ブランディングに拠って高まる。
製品の為のブランディング・プロセスを、企業全体に適用して、製品の良し悪しには関係なく、その企業の顧客の間に強力で情緒的な結びつきを築き顧客の企業への共感を増大させて、商品購入の可能性を高める。
ブランドとの違いは、消費者は、企業の名前にいったん好意的な連想を持つと、製品の良し悪しには関係なく、その企業の製品に好意的になる。
このハロー効果を利用して、レピュテーションは、企業に独自性を作り出し、差別化と競争優位性を生み出す。
これ等の努力によって高まったコーポレート・レピュテーションを評価して、それに要した活動コストを資産計上しようとの提言である。
レピュテーションと財務的価値は、次の3つの方法で相互に関連していると言う。
1.企業の業績に影響を与え収益に影響を及ぼす。
2.収益力が企業の将来性に影響し、その時価総額を高める。
3.企業活動そのものが「レピュテーション資本」の形成に貢献する。
今日の保守的な会計原則では、アメリカといえども、広告、PR、スポンサーシップ、慈善活動、社会的責任関連支出、等々、ブランド構築およびレピュテーション構築活動に関するコストは総て費用処理されている。
しかし、レピュテーションそのものは、企業資産として財務価値を備えており、企業の顕示性、親密性、名声の構築に寄与しているこれ等の活動を、レピュテーション創出に対する投資として捉えるべきである、と言うのである。
企業の市場価値は、物的資本+金融資本+知的資本+レピュテーション資本、だとする。
良く似た無形資本「知的資本」は、蓄積された知恵とノウハウ、企業の日常業務活動、従業員のスキルに存在している企業の財産、と定義しているが、「レピュテーション資本」そのものの定義が定まっていない上にその評価が難しく混同する可能性が高い。
レピュテーション資本の評価の方法の一つは、企業名を有料で貸すライセンシング料の算定だと言う。横浜が日産に貸した「ニッサン・スタジアム」の様な例で、企業名のライセンスに対するロイヤリティ料率は、通常予想売上高の8~14%だとして、例えば、直近20年間に受け取るロイヤリティ収入総計の現在価値を算定してはどうかと言う。
企業が大事故等不祥事を起こした場合、企業のレピュテーションは場合によっては地に落ち、株価は暴落する。
コストとしては、物的資産や人命の悲劇的な損失や、それらの危機に関連した後始末の費用や法務費用等、他にも時価総額を引き下げる費用が発生する。
いずれにしても、コーポレート・レピュテーションの重要な価値とその資産性は、認めるとしても、その定義、そして、その評価が極めて難しい。
それに、資産そのものが、極めて不確定な要因によって変動する脆弱性を擁しており、保守的な要素を要求する会計原則に馴染まない。コストだけの積み上げだけではとても処理できるものではなく、人的な予測が入り込む余地が極めて高い。
レピュテーション資本の時価評価は、どのようにするのか、正に至難の業ではなかろうか。
国際会計基準の導入によって、有価証券や不動産の時価評価で辛酸を舐めてきた日本の経営陣には、何をか況やである。
企業価値については、株式市場で評価してもらえればそれで十分。
レピュテーションを高める為、企業の社会的責任の追及も、そして、IR活動も、それなりに努力して、株価アップ、時価総額のアップに努力しましょう、と言うことであろうか。
それに、あまり事業以外のことに経営資源を投入すると、フリードマンやドラッカーから、経営者の本来の使命を忘れた不道徳な行為だと糾弾されるかも知れない。