
個人投資家向けのIR説明会が、花盛りである。
数年前から行われているようであるが、私が最初に出かけたのは、2年ほど前で、IPOに強い東京IPOやインベストメントブリッジ等の主宰で、専門家の株式談義や株式市場の解説等のセミナーを皮切りに、数社の新規上場の会社の社長が自分の会社を語るIR説明会であった
その後、証券系の大和、いちよしが戦列に加わり、その後、日経も日経ホールで定期的に開催を始めた。
他でもやっているようであるが、各社なりに特色があって面白いが、私がこれ等に出かける目的は、投資の勉強と言うよりは、色々な異質な会社が、どのようにして事業を起こし今日を築いたのか、そのビジネスモデルを勉強したかったからである。
特に、構造不況産業に長く居た私にとっては、新規事業の立ち上げとその成長、そして、その果敢な事業への挑戦は、正に青天の霹靂であったり、新鮮な驚きでもあった。
それに、それまでの書物での勉強とは違った生きた経済を通じて直に接する企業活動の多彩さは、経済・経営学の理解に巾を持たせてくれた。
ところで、昨日は、大和證券主催で、帝国ホテルで開かれた『経営トップ 自社を語る』を聴講した。
1000人以上の聴衆だとか、しかし、過半数は、預貯金を持っていると言われている5~60歳代以降のシニアであった。
ところで、他のIR説明会だが、確かに、シニアが多いが、若い20歳代の男女や年配の女性が、結構多いのにもビックリしている。
個人投資家の裾野が結構広がって居るのかもしれない。
昨日登場した会社は、シメックス、ハニーズ、ホクト、コメリと言ったその道では優れた業績のエクセレント・カンパニーで、大変勉強になったが、私は、最後の日本電産の永守社長の話に注目していた。
M&Aについて、
持続的「成長」に軸足を置いた経営実現の為に、M&Aを活用しているとして、(1)競争会社を買収して競争を減 (2)エンジニア等戦力の確保 (3)コア関連事業、部品メーカーを買収して業域を拡大 が目的だと言う。
しかし、買いたい会社はあるが、敵対的買収は避けたいので、どうしても潰れかけた会社のM&Aばかりだと嘆く。
エクセレントなグローバル企業のM&A戦略は、(1)買収の方が、迅速かつ低コストで戦略的成長目標は達成できる場合(2)業界が急速な統合過程にあって、業界で支配的地位を維持乃至確保する為 (3)買収価格が格安の場合 だと言われているが、永守社長の場合は、兎に角、拡大拡大にM&Aが必須なのであろう。
技術者の育成は10年かかる、時間を買うのだと言うが、しかし、前述のグローバル企業のM&A戦略の総てに当て嵌まっている。
技術革新イノベーションに対する意気込みは凄い。その一つ、
『ブラシレスDCモーター』
整流方式が、機械的ではなく電気的な、「環境に易しい新しいモーター」で、デジタル製品中心に需要と生産の拡大が急で、生産をシフト中だと言う。ノイズ、エネルギー効率、寿命、精度・制御性、小型・薄型、兎に角、性能抜群で、生産効率向上により、価格は10%程高い程度まで来たとも言う。
小型化、薄型化、省エネがモーターの3大潮流であるが、これに合致しており、日本電産の設立目的が、このブラシレス・モーターの生産だったとも言う。
完成品生産に向かう気はないかと聞かれて、
部品メイカーが完成品生産に手を染めるのは頭打ちになった時。モーターの需要が無限にあるのでその意志はない。
トヨタもそうだが、どの業界も、部品メーカーの方が儲かっている。
(intel inside),モーターのインテルになりたい。
部品生産の技術が立派な国が世界を征する、と言う。
2030年に売り上げ10兆円を目指す、その時は85歳だが大法螺を吹くのだ。これまで、大法螺を小法螺に、小法螺を夢に、そして、夢を実現して来た、これが社長の責務だと笑い飛ばす。
モーターの消費電力は、国内電力消費の5割で、モーターのエネルギー効率を1%上げれば、3000箇所ある火力発電所が、100箇所いらなくなる。クールビズで西陣のネクタイ屋が怒っているが、モーターのイノベーションに励めば省エネ出来るので、日本電産では、皆ネクタイをしていると言う。
モーターに託す永守社長の夢は、技術大国日本の象徴。会社を語りながら、日本を語り世界を語る。
質問には、インサイダー情報以外は何でも話すという、自分の頭と足で歩いている実業家は凄いと思う。
数年前から行われているようであるが、私が最初に出かけたのは、2年ほど前で、IPOに強い東京IPOやインベストメントブリッジ等の主宰で、専門家の株式談義や株式市場の解説等のセミナーを皮切りに、数社の新規上場の会社の社長が自分の会社を語るIR説明会であった
その後、証券系の大和、いちよしが戦列に加わり、その後、日経も日経ホールで定期的に開催を始めた。
他でもやっているようであるが、各社なりに特色があって面白いが、私がこれ等に出かける目的は、投資の勉強と言うよりは、色々な異質な会社が、どのようにして事業を起こし今日を築いたのか、そのビジネスモデルを勉強したかったからである。
特に、構造不況産業に長く居た私にとっては、新規事業の立ち上げとその成長、そして、その果敢な事業への挑戦は、正に青天の霹靂であったり、新鮮な驚きでもあった。
それに、それまでの書物での勉強とは違った生きた経済を通じて直に接する企業活動の多彩さは、経済・経営学の理解に巾を持たせてくれた。
ところで、昨日は、大和證券主催で、帝国ホテルで開かれた『経営トップ 自社を語る』を聴講した。
1000人以上の聴衆だとか、しかし、過半数は、預貯金を持っていると言われている5~60歳代以降のシニアであった。
ところで、他のIR説明会だが、確かに、シニアが多いが、若い20歳代の男女や年配の女性が、結構多いのにもビックリしている。
個人投資家の裾野が結構広がって居るのかもしれない。
昨日登場した会社は、シメックス、ハニーズ、ホクト、コメリと言ったその道では優れた業績のエクセレント・カンパニーで、大変勉強になったが、私は、最後の日本電産の永守社長の話に注目していた。
M&Aについて、
持続的「成長」に軸足を置いた経営実現の為に、M&Aを活用しているとして、(1)競争会社を買収して競争を減 (2)エンジニア等戦力の確保 (3)コア関連事業、部品メーカーを買収して業域を拡大 が目的だと言う。
しかし、買いたい会社はあるが、敵対的買収は避けたいので、どうしても潰れかけた会社のM&Aばかりだと嘆く。
エクセレントなグローバル企業のM&A戦略は、(1)買収の方が、迅速かつ低コストで戦略的成長目標は達成できる場合(2)業界が急速な統合過程にあって、業界で支配的地位を維持乃至確保する為 (3)買収価格が格安の場合 だと言われているが、永守社長の場合は、兎に角、拡大拡大にM&Aが必須なのであろう。
技術者の育成は10年かかる、時間を買うのだと言うが、しかし、前述のグローバル企業のM&A戦略の総てに当て嵌まっている。
技術革新イノベーションに対する意気込みは凄い。その一つ、
『ブラシレスDCモーター』
整流方式が、機械的ではなく電気的な、「環境に易しい新しいモーター」で、デジタル製品中心に需要と生産の拡大が急で、生産をシフト中だと言う。ノイズ、エネルギー効率、寿命、精度・制御性、小型・薄型、兎に角、性能抜群で、生産効率向上により、価格は10%程高い程度まで来たとも言う。
小型化、薄型化、省エネがモーターの3大潮流であるが、これに合致しており、日本電産の設立目的が、このブラシレス・モーターの生産だったとも言う。
完成品生産に向かう気はないかと聞かれて、
部品メイカーが完成品生産に手を染めるのは頭打ちになった時。モーターの需要が無限にあるのでその意志はない。
トヨタもそうだが、どの業界も、部品メーカーの方が儲かっている。
(intel inside),モーターのインテルになりたい。
部品生産の技術が立派な国が世界を征する、と言う。
2030年に売り上げ10兆円を目指す、その時は85歳だが大法螺を吹くのだ。これまで、大法螺を小法螺に、小法螺を夢に、そして、夢を実現して来た、これが社長の責務だと笑い飛ばす。
モーターの消費電力は、国内電力消費の5割で、モーターのエネルギー効率を1%上げれば、3000箇所ある火力発電所が、100箇所いらなくなる。クールビズで西陣のネクタイ屋が怒っているが、モーターのイノベーションに励めば省エネ出来るので、日本電産では、皆ネクタイをしていると言う。
モーターに託す永守社長の夢は、技術大国日本の象徴。会社を語りながら、日本を語り世界を語る。
質問には、インサイダー情報以外は何でも話すという、自分の頭と足で歩いている実業家は凄いと思う。