
毎月、ワシントンから最新のアメリカ情報を12チャンネルでレポートし続けるハドソン研究所の日高義樹主席研究員の講演をロイターのセミナーで聞いた。
アメリカの有力シンクタンクの中枢に居なければ摑めない貴重なホット情報を聞くことが出来て、改めて激動する国際情勢を考えざるを得なくなった。
何十年も前に、ハドソンのハーマン・カーンが、日本の時代の到来を予言したが、あれは、本当は、アメリカにとっては、そうあってはならないと言う意味でのレポートであったと言う。
同じ意味で、21世紀を絶対に中国の世紀にしてはならないと言うのがアメリカ政府の強い決心であると言う。
アメリカの中国友好、融和政策を何時止めるのか、それが、問題である。
中国の躍進を阻止する為に、アメリカは人民元の切り上げを必死になって画策しているが、中国にその意志のないことをブッシュ大統領は、今回のアジア訪問中に痛いほど感じたと言う。
しかし、このまま人民元の交換レートを維持すると、早晩、中国は毎年一兆ドルの国際収支の黒字を蓄積して、中国に富が偏在することになると経済学者は予測している。
人民元の切り上げに弱腰のスノー財務長官が退任する可能性もあると言う。
しかし、来年は、米国は人民元の20~30%の切り下げを策すると言う。
ブッシュ大統領は、議会の強力な反対にも拘らず、自分の顧問弁護士を最高裁判事にしたように政府高官は自分の友達から人選すると言う。
普通2期目の大統領は、歴史に名を残すべく政策を打つが、ブッシュの関心は、故郷テキサスで名を成せば良いのだと言う。
元の切り下げが不可能なら、中国の躍進を阻止する為には、経済封鎖しかないが、アメリカ経済の好況が維持されているのは中国経済の成長のお陰であり、また、規模が大きくなりすぎているので、それも不可能である。
しからば、どうすれば良いのか。
中国の内部分裂を策すことだと言う。
そう言えば、最近、ブッシュ大統領は、チベットのダライ・ラマに面会したし、今回のアジア訪問で、ハッピーだったのは、内モンゴルに行った時のみだとも言われている。
とにかく、中国は大きすぎて強力すぎる。チベット、内モンゴル、香港、台湾、等々内政上ギクシャクしている内政問題を通して中国の内部分裂を策すと言うのである。
今後の国際情勢の最大の争点の一つは、石油問題である。
中国は、全力を挙げて世界の石油資源を確保する為に必死に動いていると言う。
石油メイジャーが石油を抑えていた頃は、石油はコモディティであったが、今や、再び石油が戦略物資となってしまったのである。
日本政府は暢気に対応しているが、尖閣列島近辺での石油開発は、この中国の世界戦略の一環であり、下手をすると、日本政府は完全に裏を掻かれてしまう筈である。
ドルの価値を維持する為には、金利の漸進的なアップが必要だが、これは、経済成長を圧迫する要因でもある。
人民ドル対策が急務だが、今や、大統領府では、金利やドルの交換レートについて語ることは禁句となっていて、誰も喋れず、大統領の専管事項だと言う。
何れにしろ、石油、人民元、金利の趨勢がアメリカ経済の将来の帰趨を制する重要課題である。
来年2月にグリーンスパンはやめるが、ニクソン時代に懲りて、彼の最大の関心事はインフレ懸念であったので、金利はまだ上がるであろう。
国際情勢については、現時点では、アメリカ、中国、ロシアの3国間の関係は良好であり、EUや日本等その他の国の動きうる余地は殆ど限られているが、これからは、石油や地下資源についての国家戦略が極めて重要になってくる。
日本は、国際・国家戦略なしにアメリカ追随で終始してきたが、これからは、国際社会に伍してゆく為には、自国独自の国家戦略が必須である。
中国には、数日間で台湾を攻撃して壊滅する実力がないので、台湾攻撃はない。
北朝鮮については、ハドソンでは攻撃を提案したが、その兆候はない。
そんなコメントを、日高氏は付け加えた。
世界唯一の覇権大国アメリカが、恐れているのは、やはり、中国の経済力と果敢な石油囲い込みなどの周到な国家戦略のようである。
文明発祥の地で、唯一歴史上消えずに浮沈を繰り返しながら大国のステータスを維持してきたのは中国だけである。
アメリカの恐れるように、21世紀の覇権大国は中国であろうか。
それにしては、日本の中国政策の甘さは何処から来るのであろうか。
アメリカの有力シンクタンクの中枢に居なければ摑めない貴重なホット情報を聞くことが出来て、改めて激動する国際情勢を考えざるを得なくなった。
何十年も前に、ハドソンのハーマン・カーンが、日本の時代の到来を予言したが、あれは、本当は、アメリカにとっては、そうあってはならないと言う意味でのレポートであったと言う。
同じ意味で、21世紀を絶対に中国の世紀にしてはならないと言うのがアメリカ政府の強い決心であると言う。
アメリカの中国友好、融和政策を何時止めるのか、それが、問題である。
中国の躍進を阻止する為に、アメリカは人民元の切り上げを必死になって画策しているが、中国にその意志のないことをブッシュ大統領は、今回のアジア訪問中に痛いほど感じたと言う。
しかし、このまま人民元の交換レートを維持すると、早晩、中国は毎年一兆ドルの国際収支の黒字を蓄積して、中国に富が偏在することになると経済学者は予測している。
人民元の切り上げに弱腰のスノー財務長官が退任する可能性もあると言う。
しかし、来年は、米国は人民元の20~30%の切り下げを策すると言う。
ブッシュ大統領は、議会の強力な反対にも拘らず、自分の顧問弁護士を最高裁判事にしたように政府高官は自分の友達から人選すると言う。
普通2期目の大統領は、歴史に名を残すべく政策を打つが、ブッシュの関心は、故郷テキサスで名を成せば良いのだと言う。
元の切り下げが不可能なら、中国の躍進を阻止する為には、経済封鎖しかないが、アメリカ経済の好況が維持されているのは中国経済の成長のお陰であり、また、規模が大きくなりすぎているので、それも不可能である。
しからば、どうすれば良いのか。
中国の内部分裂を策すことだと言う。
そう言えば、最近、ブッシュ大統領は、チベットのダライ・ラマに面会したし、今回のアジア訪問で、ハッピーだったのは、内モンゴルに行った時のみだとも言われている。
とにかく、中国は大きすぎて強力すぎる。チベット、内モンゴル、香港、台湾、等々内政上ギクシャクしている内政問題を通して中国の内部分裂を策すと言うのである。
今後の国際情勢の最大の争点の一つは、石油問題である。
中国は、全力を挙げて世界の石油資源を確保する為に必死に動いていると言う。
石油メイジャーが石油を抑えていた頃は、石油はコモディティであったが、今や、再び石油が戦略物資となってしまったのである。
日本政府は暢気に対応しているが、尖閣列島近辺での石油開発は、この中国の世界戦略の一環であり、下手をすると、日本政府は完全に裏を掻かれてしまう筈である。
ドルの価値を維持する為には、金利の漸進的なアップが必要だが、これは、経済成長を圧迫する要因でもある。
人民ドル対策が急務だが、今や、大統領府では、金利やドルの交換レートについて語ることは禁句となっていて、誰も喋れず、大統領の専管事項だと言う。
何れにしろ、石油、人民元、金利の趨勢がアメリカ経済の将来の帰趨を制する重要課題である。
来年2月にグリーンスパンはやめるが、ニクソン時代に懲りて、彼の最大の関心事はインフレ懸念であったので、金利はまだ上がるであろう。
国際情勢については、現時点では、アメリカ、中国、ロシアの3国間の関係は良好であり、EUや日本等その他の国の動きうる余地は殆ど限られているが、これからは、石油や地下資源についての国家戦略が極めて重要になってくる。
日本は、国際・国家戦略なしにアメリカ追随で終始してきたが、これからは、国際社会に伍してゆく為には、自国独自の国家戦略が必須である。
中国には、数日間で台湾を攻撃して壊滅する実力がないので、台湾攻撃はない。
北朝鮮については、ハドソンでは攻撃を提案したが、その兆候はない。
そんなコメントを、日高氏は付け加えた。
世界唯一の覇権大国アメリカが、恐れているのは、やはり、中国の経済力と果敢な石油囲い込みなどの周到な国家戦略のようである。
文明発祥の地で、唯一歴史上消えずに浮沈を繰り返しながら大国のステータスを維持してきたのは中国だけである。
アメリカの恐れるように、21世紀の覇権大国は中国であろうか。
それにしては、日本の中国政策の甘さは何処から来るのであろうか。