熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

華麗だがひ弱なシャクヤク

2005年06月05日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   今年は、多くの花を付けたシャクヤク。
   梅雨のような5月の雨に打たれてうなだれたシャクヤク。
   どうして、こんなに細い茎で大きな花を支え、
   紙よりも薄く柔らかい多くの花弁を付けて咲くのであろうか。
   雨に濡れると、茎が折れ、薄い花弁が張り付いて開かずに枯れてゆく。
   可愛そうにと思いながら無造作に生けたら、少し開いてくれた。
   
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知的財産所有権と世界文化遺産・・・欧米の大博物館が消える

2005年06月05日 | 経営・ビジネス
   小泉首相の靖国発言を嫌気して会談をキャンセルした中国の呉儀副首相が、また、アメリカ通商代表(USTR)に噛み付いた。
   ポートマンUSTR代表が、WTO加盟時に公約したサービス市場の自由化について、中国はルールに基づく公正な競争を守るべきなのに、知的財産の侵害に対して十分な取締りをしていないと非難した。
   これに対して、アメリカこそ、中国からの略奪品で博物館が充満しているではないかと切り替えした。

   この問題は、大分以前に、「日曜はダメよ」のギリシャの女優メルクーリ文化大臣が、英国政府に対して、大英博物館の至宝「エルギン・マーブル」、即ち、パルテノン神殿を装飾していた破風の彫刻など膨大な古代ギリシャの彫刻群を、ギリシャに返還せよと迫ったことを思い出させる。
   野蛮国ギリシャの実情を憂えて、当時の駐希エルギン大使が、文化遺産を守るためと称してイギリスに持ち帰った。対価を払えば大変な価格になるはずだが、事実上の超大国英国の都合による略奪であろう。
   同じことがヨーロッパ各地の博物館の文化遺産で起こっており、あの「ミロのビーナス」も、英仏間の激しい争奪戦の末、フランスに渡りルーブルに展示されている。
展示品をオリジナルの国に返還するとなれば、欧米の博物館は大打撃を受け、閉鎖しなければ成らなくなるかも知れない。
   
   話は違うが、「モナ・リザ」は、フランソワ王の招請で移住した時に、レオナルド・ダ・ヴィンチがフランスに持ち込んだ遺産であるが、イタリア人配管工が、イタリアのものだと言ってルーブルから盗み出したことがある。
   第二次世界大戦の時のヒットラーとスターリンの絵画・彫刻等の文化遺産の争奪戦は熾烈を極めて、その間に、消失した偉大な文化遺産も数多い。戦争と美術品の略奪との関係は歴史が深い。
   比較的文化財に執着の薄い日本人でも、日本軍が「北京原人」の遺骨を持ち帰ろうとしたが、船が沈没して消失してしまっている。
   
   私の言いたいことは、人類の最大の知的財産である世界的な文化遺産については一顧だにせず、特許権がどうだとか商標権がどうだとか、非常に近視眼的なマネタリー・タームで知的所有権が議論されすぎていることである。
   
   堺屋太一氏の「知価革命」論にも不満があるのは、知恵の時代になったと言っているが、人類の知価の創出は、例えば、比較的にも相対的にも、大宗教が誕生した時代、古代ギリシャ・ローマ時代、ルネサンス時代等々の方が遥かに高い知価を生み出している。経済価値として評価されなかっただけであって、知価の価値は変わっていない。
   情報化産業社会等サービス産業化への移行は事実であるが、大半は生産性の向上による経済社会の構造変化で、今回の場合は、知価と言うよりは、正に、ITを含めた情報化革命なのである。

   日本も長い間、先進国にキャッチアップする為に、先進国のまねをしながら、経済社会の発展を続けてきた。中国も同じ道を歩いてきている、そう思えないであろうか。
   ソニーがビデオ・レコーダーの製造を開始した時から既に、そして、急激なIT革命等による科学技術の進歩によって、益々、知的財産の保護は困難になって来ている。
   人類の幸福の為に、エイズ対策薬等高価な特許薬品などを発展途上国へはロイヤリティなしで生産を許可する動きなども出ている。
   ゲイツは独占して巨財を蓄積したが、リナックスや坂村健のICタグなどのフリーでオープンなIT革命の動きもあり、ITの益々のコモディティ化が進んで行く。
   
   イノベーションが、人類の発展と、経済社会の成長のキイ・ファクターである。
   知的財産の保護は、公正かつ健全な経済社会に必須ではあるが、ディズニーに認めた「ミッキーマウス」の著作権延長のようなことをしていると、イノベーションの芽を摘み、経済社会の発展意欲を削ぐ。
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ナツグミの実

2005年06月04日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   ナツグミの実が、色づき始めた。
   真っ赤な実を、口に含んでも独特の酸っぱさが残る。
   枝に垂れ下がる実が、総て真っ赤になると、小鳥が集まってきて、瞬く間に消えてしまう。
   そして、梅雨に入る。
   アジサイの花が開き始めた。
   もう、真夏が近い。
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ヨーロッパ旅行・・・手作りの旅の企画

2005年06月04日 | 海外生活と旅
   海外生活が長いので、公私ともに旅をする機会が多かった。
   米国留学中に最初に始めてから、殆どその後の旅の企画は自分で作っている。社用の出張などで、切符やホテルの手配などは頼むことがあったが、私的旅行の時は、それらも総て自分自身で行う。
   団体旅行や旅行会社主催のツアーの経験は、視察旅行以外は殆どない。

   旅行会社のツアーでは、殆ど、現地の下請け旅行社に投げる様で、現地の事情を十分に熟知していない添乗員が付くと言う。それなら、自分自身でやった方が気楽だし、実質的な旅行が出来ると思った。それに、最近では、ヨーロッパの場合は、自分の方が良く知っていると自負している。
   団体旅行の場合の最大の難点は、時間のロスと自由行動の制限で、自分の行きたい所で自由な時間を十分過ごせない。

   アムステルダム在住中は、車で、ヨーロッパの中を回り、ロンドン在住中は、大陸に渡らなければならないので飛行機と列車を乗り継いだ旅が多かった。
   帰国してから、一時レンターカーで移動したことがあったが、安全を考えて、今では、飛行機と列車、それに、タクシーに頼っている。
   最近のプラハ、イタリア、イギリス、それに、上海・蘇州・杭州、アメリカ東海岸都市の旅の場合もそうであった。

   私の場合は、私的な旅行の時は、目的と目的地を決めてから準備を始めるが、その後は、まず、優先的に、現地の音楽スケジュールをチェックする。
   若い時は、グルメ志向で、ミッシェランの星付きレストランの予約を優先したが、年とともに重いフランス料理を敬遠する様になった。
   オペラ、クラシック・コンサート、シェイクスピア等の演劇、ミュージカル等の予定を調べて、旅の空白を埋める。
   その場合は、オペラを優先する。ロンドンの場合は、ロイヤル・オペラ、グローブ座や国立劇場やRSCのシェイクスピア劇、ENOのオペラ、クラシック・コンサート、ミュージカルと言った調子でチケットの手配具合によってスケジュールをを埋めていく。
   ロンドンでは、グローブ座は天井がない劇場なので、夏季にしか公演はないし、遅すぎるとロイヤル・オペラのシーズンが終わってしまう。
   その頃、PROMが始まるが、良い公演のチケット手配が難しい。いずれにしても、ロイヤル・オペラを筆頭に、思うようなチケットの手配は、計画から実施まで2ヶ月足らずでは、まず無理なので、次善のプログラムで満足するより仕方がない。
   
これ等のチケットは、総て、ウエブサイトを探して、インターネットで手配をする。開けると、軽やかなイタリア・オペラが流れてくる嬉しいサイトもある。
   チケットの手配は、サイトによって直接であったり、代理店に任せていたりまちまちだが、英語だと難しくはない。英国は勿論、ベローナ野外劇場、スカラ座、プラハのオペラ、メトロポリタン等も同様にインターネットで手配した。オーダーを入れると、座席番号が示され座席表で自分で席を選択・確認できる場合も多くなってきた。

   ホテルは、日本の場合は、旅窓が比較便利だが、私は、欧米のホテル検索サイトを愛用している。アメリカでは多少問題があったが、ヨーロッパでは、これまで、全く問題がなかったし、探せないホテルもサイトによっては、十分検索可能であった。
   観光地図の中での所在地やホテルの情況・条件等克明に説明してあり、至れり尽くせりと言うか、便利になったものである。(もっとも、私の場合、英語資料等の理解に問題なく、旅や土地勘等が多少あるのが幸いしているかもしれない。)
   週末のベローナなど、野外オペラの観客でごった返すが、イタリアのサイトで、野外劇場に
至近距離のホテルを予約できたし、ホテルの殆どないカンタベリーでも、土壇場でホテルを予約できたりと、とにかく、日本の旅行社と比べて情報量が格段に違う。
   
   列車の旅については、例えば、イタリアのTrainitariaのサイトを開けば、時刻表は勿論、ルートから乗り換え時間等も含めスケジュールが克明に表示されており、指定券の予約も可能である。(もっとも、列車が、その通り走るかどうかは別問題。)
   飛行機もそうだが、スケジュール等は、大体、インターネットで十分に資料を集めたり検索可能である。

   手作りの旅が安くつくか高くつくかは、分からないが、自分で総て調査して実施するので、旅への愛着と理解度は格段に高まることは間違いない。
   芭蕉ではないが、少し旅から離れると野山の風物が懐かしくなる。
   ミッシェランの赤本、緑本のガイド・ブックなど旅の楽しみ方は、別の機会に書いて見たい。
   
   
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企業の社会的責任(CSR)・・・豊田の”不就学”のこども

2005年06月03日 | 経営・ビジネス
   5月26日(木)NHK「クローズアップ現代」で、
   私も学びたい
   ~外国人”不就学”の子どもたち~、を放映していた。

   労働者として入国してきた外国人の子ども達が、「いじめられる」「教育費を払えない」ために、学校へも行かず、日本語も母国語も話せない、そんな不就学児童が増えていると言うことで、豊田市など日本各地の情況をドキュメントしていた。
   ”労働者”としてのみ扱い、その家族や教育を考慮してこなかった矛盾を浮彫りにしながら問題点を掘り下げている。

   文科省も調査に乗り出したと言う。何故、今頃。
   外国人労働者の問題は、もう何十年も前から、トルコ人の移住が進行してドイツの経済社会に深刻な問題を惹起した先例があり、年が経てば、家族が生まれ家庭が出来コミュニティが形成されて来るのは必定である。
   少子高齢化と騒ぎながら、自分達のことしか考えていないのか、何れにしろ、外国人労働者家族の問題は、外務、法務、厚生労働、経産等々政府全体で対処しなければならない。

   気になるのは、扱われていた多くのケースが、日系ブラジル人の家族の問題だが、棄民とまで言われて筆舌に尽くし難い労苦に耐えて生きてきた同胞に対して、その子孫に、再び苦難の人生を強いているのかと思うと苦しくて見ていられなかった。

   この番組を見ていて思い出したのは、アパレルとシューズの大手メーカー・ナイキのこと。
   アジア等海外での労働搾取とルーズな安全基準を助長していることを報道され、”企業市民”として悪名イメージを払拭出来ずに苦しんでいたナイキのことである。
   フィリップ・ナイトCEOは、自社製品を「ただ同然の賃金や強制的な時間外労働、恣意的な虐待と同義語」と呼び、健康と安全、児童労働、独立機関による監視、労働者の教育に留意した新しい労働方針を含む一連の改革を発表し、600の契約工場の労働条件の改善を世界に宣言し約束した。

   NHKの番組は、たしか、豊田市の自動車部品工場に働くブラジル人家族の生活苦による不就学児を扱っていた。
   この放送だけでは判断できないし、全くナイキの場合と次元が違っているかも知れないが、豊田市は、トヨタの謂わば城下町、何らかのトヨタ関連工場で働くブラジル人労働者の家族が、生活苦の為に子どもに十分な教育を受けさせられない情況であることには違いなかろう。
   トヨタが、末端の下請け工場の労働者家族の面倒まで見なければならないとは思わないが、世界に冠たる、かつ、世界最高峰の経営とその実力を誇るトヨタのお膝元で、このような問題があるとするならば、やはり、寂しい。
   企業の社会的責任が言われて久しいが、トヨタが本当に21世紀を担うリーダー・カンパニーを志向するのなら、新しいCSRがあっても良いのではなかろうか。
   蟻の一穴、問題にならない前に、トヨタが新しいCSRに取り組んでくれることを。
   GMやフォードを助ける等と言うことは、それからであろう。

   
   
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乃木邸の赤い薔薇

2005年06月02日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   久しぶりに、赤坂から乃木坂まで歩き、旧乃木邸に立ち寄った。
   旧菜園に、何本かの薔薇が植えられていたが、もう盛りを過ぎていて、写真に耐えられるのはこの一輪だけであった。
   乃木邸に薔薇が植えられていたのかどうか知らないが、ハイカラな乃木さんだから、薔薇を愛でられたのかも、と思った。
   爽やかな五月晴れの午後であった。
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チェコ・フィル八重奏団のシューベルト「ます」

2005年06月02日 | クラシック音楽・オペラ
   昨夜、紀尾井ホールで、チェコフィルハーモニー八重奏団の演奏会があり、シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」と八重奏曲ヘ長調が演奏された。
   チェコフィルは、ロンドンと東京で一度づつ、四重奏団の演奏会を一度と、それ程多くはないが、やはり、音楽の国、ドボルザーク国のトップ楽団なので、それは素晴らしい演奏である。
   
   私には、ウイーン音楽界を構成するオーストリアとハンガリー人音楽家のウイーン・サウンドと比べて、同じ系列ながら何となくチェコの音色の方は多少重く暗いような先入観がある。
   今回のこの八重奏団の演奏もやや重厚な感じがした。
   「ます」も渓流や澄み切った湖の「ます」のイメージと言うよりは、やはり、プラハを流れるモルダウの「ます」を連想させる。サウンドは極めて華やかで軽快、それに優雅であるが、どことなく骨太の演奏なのである。
   このサウンドは、シューベルトの八重奏には、ぴったりで、実に、堂々とした迫力のある美しい演奏であり、長さを忘れるくらいの熱演であった。
   アンコールのユーモレスク、やはりドボルザーク、血の騒ぎか素晴らしく余韻のある演奏であった。

   先年、プラハを訪れたが、ほんの五日間であり、丁度ヴェルディ没後100年祭で、オペラ劇場がヴェルディ・フェスティバルをやっていたのでそれに通いつめて、オーケストラには行けなかった。
   フィルハーモニー・ホールに行って、チェコ・フィルの人に話を聞こうとしたが、英語が全く通じなくて果たせなかった。
   プラハへは、ベルリンの壁の崩壊直後に行っているので2回目だが、この街は、世界一美しい街ではないかと思っている。ソ連の支配下にあったために、開発が遅れて戦後の乱開発を免れた所為で、人類の遺産がそのまま残っているのである。

   ところで、ピアノは、青木紀久子。軽やかで実に優雅な演奏で聴衆を魅了していた。
   夫君が日銀出身とか、福井日銀総裁ご夫妻が客席に居られた。   

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鋼鉄製橋梁工事の入札談合・・・正に悪意なぎ欺瞞

2005年06月01日 | 経営・ビジネス
   ジョン・ケネス・ガルブレイスが、昨年、”悪意なき欺瞞(The Economics of Innocent Fraud)"を著して、金銭的かつ政治的な圧力と時代の風潮を反映して、現代社会には、経済学の通説と現実との乖離が如何に大きいかを説き、現実との関わりを殆ど持たない「真理のバージョン」を作り上げ、これが、経済的、政治的、社会的利益団体と拘っていることを喝破している。
   資本主義という言葉にも、現実と離れた美しいレッテルが貼られているし、第一、「株主主権」などあるのか、と言ったことから、兎に角、胸の透くような現代社会批判が展開されていて爽やかである。

   この悪意なき欺瞞の最たるものは、今、鋼鉄製橋梁工事の談合事件が世を騒がせているが、日本の談合に対する「心理のバージョン」ではないかと思っている。
   談合事件が起こると、「慙愧に耐えない」「絶対許されるべきではない」等と世間や識者のコメントをトクトクとNHKは放映するが、国民の多くは、談合などなくならないと思ってTVを見ている。

   アメリカでは、永い厳しい歴史の試練を経て、「競争は善、独占・寡占は悪」と言う観念が強く沁み込んでいて、古くから独占禁止法が生きている。
   ところが、日本には、古くから競争は過当競争に繋がると言う意識が強くて、激しい競争になると共倒れをするので、これを避けるために話し合いで決めようと言う風潮が強い。
   村のオサ制度がその典型であろう。
   法律にしても、お上が、行政指導とか窓口規制とかで、適当に解釈して施行されている場合もあり、また、法律は建前であって本音は違うと言った解釈がされるなど、法治国家とは言えない話し合いで物事を解決しようと言う風潮がまだ可なり強い。

   政府の独禁法の課徴金が高すぎると言って値切る経済団体があり、それに政府も応じて独禁法が改正された。
   本当に談合をこの世から追放しようと思うのなら、経済団体が、いくら高くても課徴金の課金について云々するなど可笑しな話で、言うならば、日本が談合社会であることを容認し、かつ、談合を真剣に排除しようとする意志が政府にも経済界にもないことを示している。
   また、これに対して国民も何も言わない。

   日本の社会が、話し合い、悪く言えば談合、の上に成り立っている協調型社会であることを忘れてはならない。業界団体が勢力を持ち、銀行の護送船団方式が維持されていたなどこの典型であろう。
   ところで、談合をしたと言われる会社が法外な利益を得ているかと言えば決してそうではなく、世界水準から言えば、その営業利益率は極めて低い。
   経営が悪いと言うことではなく、その会社には、利益を分配しなければ生きて行けないステイクホールダーが沢山ぶら下がっていて、それを養わなければならない、日本社会独特のもたれ合い社会の宿命があるからである。
   コーポレート・ガヴァナンスもそうだが、独禁法も、ある意味では、本当に日本社会の特質を十分認識した上で、欧米型とはニュアンスの違った形態を模索せねばならないのかも知れない。
   従って、本当に談合をなくすと言うのなら、日本のこの政治・経済・社会構造を改革し、国民の意識を根本から変えなければならないと言うことであろうか。
   
   ホリエモンの日本放送買収のケースは、このような日本の伝統社会に対する挑戦であり、新しい価値観を持った世代が育ち、グローバライゼーションが進んでもっと多くのカルロス・ゴーンが来るまで待つしかないのであろうか。

   談合社会で問題なのは、経済社会の牽引車・イノベーションを殺ぐ事であり、経済の活力を減殺することであると思っている。
   
   
   
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