マインドマップでチームミーティングして都大会決勝戦に進出した事例

今回紹介する事例は私の直接の教え子のことではありません。

この4月に高校生になった子たちの中に、中学校で柔道部に入部し、活躍していた男子がいました。その子の小学校4年生時代の担任だったY先生から伝え聞いた事例です。

4年前(2008年4月)、紹介する子が小学校6年生だった頃、私はマインドマップを小学校教育に活用する本格的な研究を、おそらく日本で初めて始めました。その当時、全国的に調べてみても、単元で導入した事例はたくさんありましたが、年間を通して本腰を入れて取り組んでいる情報はなかったと認識しています。

教育実践を進めるにあたり、自分の学級だけでなく、学年で足並みをそろえることも必要なので、総合的な学習の時間の中で6時間かけて学年全員にかき方と考え方を教えました。これから紹介する事例は、その時に受講した隣の学級の子どもの話題になります。


名前を仮にS君としておきます。

S君は中学入学後、柔道部に入りました。都内では強豪の柔道部です。

昨年、中学3年生としてチームの中心メンバーになったS君、強い部にしようとリーダーとして一生懸命努力をしたそうです。ところがどうもチームがうまくまとまらなかった。「どうしたらチームワーク良く、大きな目標に向かって団結して進んでいけるのだろう???」と悩みに悩んだS君。すると、ふと小学校の時に私から習った「マインドマップ」を思い出したそうです。「そうだ!グループマインドマップで話し合ってみたら、みんなの意見を出しやすいかもしれない!」と気づき、さっそくS君がファシリテーターとなってミーティングをしたそうです。

彼の言葉によると、

「井上先生が授業で司会に徹して話し合いをしていたのを、見よう見まねでやってみました。そしたら部員のみんなが本音をどんどん出してくれて。何を考えていたのかお互いに分かり合えたんです。これで目標に向かってスッキリ練習できるようになりました。その結果、なんと東京都大会で準優勝できたんです。Y先生、このことを井上先生に伝えてください。」

ということです。


本当に嬉しい報告です。

私がほんの少しだけ、マインドマップを使った「考え方」「話し合い方」というスキルを脳裏に刻んでおいたことが、3年後、S君の人生に大きな力となったのです。これこそ教師の醍醐味。教えておいて良かったと120%ハッピーな気分になりました。

高校生となったS君、都内の強豪高校柔道部に進み、インターハイを目指して猛練習に励んでいるそうです。
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