今日は6年ぶりに茨城県八千代町に遠征をしました。茨城県、埼玉県の5チームとの練習試合をするためでした。
現チームの子どもたちにとっては、初の東京都外遠征となりました。行きの道中で、広く水田の続く景色を見ては、「ああ、いいなぁ、田植えしてみたいね!」と声をあげ、鬼怒川が流れる橋の上を通れば、「うわ~!きれいな川だね!」と感動していました。軽い社会科見学でしたね。これだけでも良い経験になったみたいです。体育館に着いたときも、「えっ!こんなに大きな体育館でできるの?全国大会みたいだね!」と小躍りしていました。この心の素直さが、今の辰巳ジャンプの最高の長所だと思います。チーム関係者だけでなく、他チームの方までもが応援したくなる子どもたち。私の目指してきた(ドラッガーのマネジメントを活用)選手育成方法は子どもたちの心に確かに染み込んでいるようです。
試合の方は、これまた初めて体験する広い体育館に所詮は戸惑い、サーブミスの連続、そしてアウトボールに5本も手をだして自滅。そこで、審判をしている最中に、このようなアドバイスをして回りました。
「こんなに広い体育館で試合をするのは初めてだから慣れていなくてミスをしてしまったんだよ。コートの広さや天井の高さに慣れるために、審判をしている時にも、こういうボールはコートに入るのか、こういうボールはアウトになるんだなって勉強することが大事だよ。」
そのかいあって、2試合目からは修正でき、10連勝してくれました。
今日教えたことは、心理的な戦い方でした。
「相手のことをよ~く観察しなさい。どんな気持ちで試合をしているのか、どこにどういうボールを打とうとしているのか、相手の目を見たり、声に出している内容を聴く。また、走り方、動き方、フォーメーションなどをしっかり見ていること。」
「相手が歩いてサーブを打ちに行く時と、走っていく時、すぐにサーブゾーンに行っている時など、サーブを打つ前の姿だけでも相手の心が見えるよ。トボトボ歩いていく子は、ミスをしないように不安な気持ちで打っていることが多い。走って行く子は乗っている。打つ前の声の大きさやかまえ方で、長いサーブになるのか短いサーブになるのか予想ができる。そういう観察できる目を自分の中に作り上げなさい。」
「自分がやられて嫌なことを相手にやりなさい。相手をマイナスな気持ちにさせれば試合は負けない。」
「相手が何を話しているのかまで聞きなさい。」
「相手のエースが打てなくなるようにするためにはどこを攻めたらいいか考えること。エースがレフトにいたらどこを攻めるか?センターがエースだったらサーブをどこに打つのか?よく見て考えて判断すること。」
こうした指導をしていくことで、辰巳ジャンプの子どもたちのバレーボールは「自ら考え、判断し、行動するバレー」になりつつあるのかもしれません。ギャラリーで見ていた保護者に、他チームの保護者が声をかけてくれたそうです。
「辰巳のバレーは他のチームのバレーとちがう。他のチームはあの子がレシーブできないからねらえというバレーだが、辰巳のバレーは人のいないところに打てば点を取れるというバレーになっている。だから子どもたちが相手の動きをよく見ている。」
このような好評価をいただけたようです。そこで辰巳の保護者もさらなるアピールをしてくれたようです。
「辰巳の子どもたちは、自分のチームだけでなく、体育館にいるすべての人たちが応援したくなるチームを目指しています。あんな良いチームにはやっぱり勝てないな。あのチームに負けてもさわやかな気持ちが残るな。そんなイメージを残すようなチームを目指しています。」
このような話をしてくれたそうです。ありがとうございます。