レシーバーがあきらめずになんとか拾い上げ、セッターが走り回って思いを込めてトスをあげるのに、アタッカーがいとも簡単にミスしていく。このパターンからなかなか抜け出せない辰巳ジャンプ。ひとつのイメージをアタッカーに与えます。昭和40年代に大人気だったボクシングアニメ「明日のジョー」。主人公ジョーのコーチである丹下段平が教えたことが今の辰巳ジャンプのアタッカーの心がまえに合っているのです。
まずはアニメをリンクさせてもらいました。
「明日のジョー」
丹下段平から矢吹ジョーへの通信教育。
明日のために打つべし!
次に丹下段平がジョーに教えた内容から、辰巳ジャンプのアタッカーの心得を示しておきます。
(1)【ジャブ】
攻撃の突破口を開くため、或いは敵の出足を止める為、左パンチを小刻みに打つ事。この際、肘を脇の下から離さぬ心構えで、やや内角を狙い、えぐり込む様に打つべし。正確なジャブ3発に続く右パンチは、その威力を3倍にするものなり。
《バレーボール流》
攻撃の突破口を開くため、あるいは相手の足を止めるため、軟打やフェイントを使うこと。待っているところに全力でスパイクを打っても簡単に拾われる。相手フォーメーションを何度も何度も崩してから全力で打つスパイクは、その威力を3倍にするものなり。
(2)【右ストレート】
左ジャブで敵の体制を崩し、突破口を見出せば、すかさず右ストレートを打つべし。
これ拳闘における基本なり。
右ストレートは、右拳に全体重を乗せ、まっすぐに目標をぶちぬく様に打つべし。
この際、打ったコースと同じ線上を同じスピードで引き戻す事。
一発でKOを生む必殺パンチなり。
《全力スパイク》
軟打やフェイントで相手をくずしたら、すかさず全力スパイクを打つべし!
この際、相手レシーブフォーメーションをよく見て、人のいないところに打つべし!
さらに、相手のレシーブをはじきとばすくらいのパワーで打つべし!
(3)【リングに上がる際の心構え】
拳闘のリングに人間味など、かけら程もいらん。
必要なのはファイティング・マシーン。
つまり、とことん闘い抜くー非情な機械に徹した者のみが勝利を握るんだ。
《バレーボール流》
スパイクを決めるのに、手加減などかけら程もいらん。
必要なのは自分の持てるパワーの100%をボールにこめて、思いっきり打つことだ。
一発で決めるという強い気持ちで打てる人がレギュラーアタッカーだ。
(4)【ボクシングの生命はスナップだ】
手首を鍛える事。
スナップを強くすればクロスカウンターも他のパンチも威力倍増し、それが決め手にもつながる。
《ボールスポーツの基本だ》
手首を鍛える事。
スナップを強くすれば、どんなスパイクも威力倍増し、決定力が上がる。
(5)【フットワーク】
フットワークはボクシング全体の動きの60%を占めていると言われるほど重要なのだ。
《走るバレーが辰巳本来のバレーだ》
フットワークはバレーボール上達への最大の課題だ。
スパイク助走前のフットワークの良い子がトスに合ったスパイクを打つことができる。
レシーブもトスもまた同じ。フットワークの良い子が、レベルの高いプレーをすることができる。
(6)【スウェーバック】
カバーリング等の防御技術。
《バレーボール流》
相手に背を向けずにポジションに戻れるか?
ブロックカバーに必ず入っているか?
アタッカーがレシーブから逃げていないか?
(7)【孤独との戦い】
ボクサーほど孤独な存在は無い。
敵への恐れ、自分への不安…
どんな名セコンド、名コーチがついていようとリングへ上がった時からひとりになる。
《孤高な選手となれ》
バレーボールはチームの力で勝つスポーツだが、「自分一人だけでも勝ってやる!」くらいの気持ちでコートに立て。
自分が拾うべきボールから逃げたりするな。
アタッカーだからといって、1本目のレシーブをしなくていいわけはない。
1本目は全員がレシーバーだ。2本目がセッターだ。
3本目=アタッカーが必ず決める。
辰巳ジャンプのアタッカーは、6月の全国大会予選に向けて、明日ために、今の10倍、20倍のパワーで打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!