主体的・対話的で深い遊び(1月16日)

放課後になると、校長室の校庭側の窓の外から、私を呼ぶ子供の声がしてきます。
「校長せんせ~、いますか~。」
2年生の子供たちであることが多いです。
時には、校長室前の花壇に作った「めだかの学校」に餌をあげたいという子の声でもあり、ある時は、私とおしゃべりをしたい子の声でもあります。
会議でもない限りは、そうした声にはできるだけ応えてあげたいものです。
今日の声は、
「校長せんせ~、たこあげしませんか~。」
という声でした。30分間ほど時間を作ってあげられたので、
「今日は風がないから、たこあげは難しいと思うけどなぁ。」
と言いながら、たこを持って校庭に出ました。
案の定、風がないため、2年生たちは走り回ってたこをあげましたが、そのうちに校舎の外壁に設置してあるテレビアンテナのコードに糸を引っかけてしまいました。
ここからが学習です。「引っかかったたこをどうしたら取れるか?」という問題が生じました。2年生にとっては、主体的に遊んでいた中での大問題です。校長の私からは、
「あれれ!大変な問題が起きてしまったね。どうしたら取れるかな?」
と問題解決の思考スイッチを入れるだけの指示をして、あとは子供たちに任せます。
すると、子供たちの熱心な話し合い(対話)が始まります。
「木に登って取ってみよう。」「いやいや、2階の窓から届かないかな。」「棒で取れないかな。」
たくさんの意見が次々に出ます。まさにアクティブラーニング。そして、意見の通りにやってみるのですが、なかなか解決できません。
でも、この問題を解決しないと、たこあげできないし、校長先生にたこを返すこともできなくなる。ですから子供たちは一生懸命に問題解決を続けます。そして、
「そうだ、たこを取ろうとするんじゃなくて、たこの側から引っ張って、糸巻の方からコードをはずしてみようよ。」と別視点の解決方法が提案され、試したところ、スパッと取れまして、そこにいた全員は、問題を解決した達成感に包まれました。
大人が簡単に方法を教えて問題を解決するのではなく、遊びの中で生じた問題を子供自身の力で解決すること。こうした生活経験に裏付けられた学習経験も大切だと私は感じています。
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