今日は朝一番でボランティアの皆様による読み聞かせでした。
緊急事態宣言下にもかかわらず、集まってくださったボランティアの皆様に、心より感謝申し上げます。
おかげさまで、全学級で読み聞かせを実施することができました。
さて、校長の私ごとではありますが、読み聞かせ隊の一員として5年1組に行かせてもらいました。
1月にも3年1組で行いましたが、本を読むのではなく、「井上少年の事件簿」と題して、写真のようなハリセンでリズムをとりながら、自分の少年時代の数々の失敗談を、講談風に語りに語らせていただいております。
何しろ昭和時代の、街中に子どもだらけの時代の話ですから、令和の時代の素直な子どもたちにとっては信じられないような失敗談を続けております。
「人は、多くの失敗をくり返し、その失敗からたくさんのことを学びながら、大人になっていくのであります。」
これが最後のセリフ、伝えたいメッセージです。
さて、写真の本ですが、私が小学校5,6年の時に、担任のやすこ先生のご指導を受けながら書いた2年間の日記なのです。
今日はこの日記からも、事件簿の読み聞かせを行いました。
私の担任の先生は学級の児童全員への記念品として、自費で、卒業時までに写真のように製本をしてくださいました。
私の教員としての原点ともいえる1冊になっています。
ですから私は、20代の若手教員の頃から、自分の教育哲学として、「子どもの心の宝探し」をするのが教育者の使命であると自覚して、今でもそのことを貫いているのです。
この担任の先生は、私たちいたずらっ子の長所をたくさん認めてくださり、時には本気で討論し合い、育ててくださいました。
また、私たちを卒業させると、なぜか30代半ばでご退職をされました。
そしてなんとその後の中学1年生の1年間、卒業生の希望者に呼びかけ、1グループ6人程度の3グループに分けて、週に2回ずつ、夜に英語や数学、時には百人一首などの勉強を教えてくれたのです。
私が子どもたちの前に立ち、話をするということは、やすこ先生という「師の恩」に報いることでもあるのです。