在校生も卒業式の主役である!

卒業式のシーズンがやってきました。
何しろこの4年間で3回も卒業学年を担当し、過去には10回も卒業学年を受け持ってきた私です。卒業式には並々ならぬ思いがあります。

今年、久々に卒業学年担任ではない私は、6年生を送り出す側の在校生(4,5年生)を指導しています。

先日、第1回目の4,5年合同練習を行いました。

はじめに起立と着席が全員そろってできるまで、何度も何度もやり直しをさせるところから指導をスタートしました。実はこの指導は全日本バレーボール男子チームがどん底の状態から蘇ってきた最初の取り組みなのです。小さいことなのですが、たかが起立ひとつとっても、なかなかそろうことはないのです。100人いる子どものうち、少しでもそろわないと集団の空気に違和感が生まれます。この違和感が集団の意識を食いつぶしていくと私は感じています。アリの穴から堤防が崩れるという物語があるように、小さいことを見逃していって、良いものが生まれるとは思えません。

このような指導の次に、いつも必ず行うのは「卒業式の意義」を考える指導です。

今回は在校生指導ですから、5年生は5年生なりの、4年生は4年生なりの意義を見出さなくてはなりません。在校生はただ「卒業生をお祝いするため」だけに参加するのではない。卒業式はその場に居合わせた全員の、小学校生活すべての学習成果が発揮される場なのだと私は考えます。さらにその場に居合わせたすべての人にとって、新しいスタートを切る節目でもあるとも思います。節目を見事に飾ることこそ人生勝利の鉄則です。

こうした考え方を元にして指導したことは2点です。


(1)卒業式の意義【在校生編】

5年生「最高学年になるためのスタートの意義がある」

4年生「6年生になった年に迎える開校90周年の主人公としてのスタートの意義がある」

どちらもこれからの1年間、2年間の小学校生活で、素晴らしいまとめができるかどうかの第一歩を踏み出す卒業式なのだという意義を伝えました。今回の卒業式でつまづいていたら「最高の学年」になるまでにまだまだ時間がかかってしまいます。小学校最大のイベントである卒業式を通して、在校生も大きく成長してもらおうと思っています。


(2)自分にとっての卒業式の意義を考える

学年集団の意義としては私から分かりやすいスローガンである5年生の「最高学年になる」ということと、4年生の「開校90周年の主人公」というものを投げかけました。しかしそれだけでは不十分です。100人全員、一人ももれなく「卒業式の主体者」に育ってくれなくてはなりません。そこで宿題を出しました。

「自分なりに今回の卒業式の意義を考えて紙に書いて、金曜日までに担任の先生に提出すること。それは例えば、こんなことを書けるかもしれないね。」

◎在校生の姿で参加者を感動させる卒業式
◎最高学年になるということを練習を通して感じられるような卒業式
◎立派だったと言ってもらえるような卒業式
◎自分自身の1年間をしっかりまとめる卒業式
◎6年生に心から喜んでもらえる卒業式

どんなことに取り組む時も、まずはじめに必要なのは「意識革命」と「意味付け」です。
人間は「意味」が腑に落ちた時には全力を発揮できる生き物だと思います。逆に取り組んでいることの「意味」を知らされずに練習しているのは、あきらかに“やらせ”と言わざるをえないと感じています。

小中学生がよく言うマイナス言葉に「意味ないじゃん」というものがありますね。その通りなのです。意味がないことに取り組むことは人間には難しい。深い意味を感じ取った(腑に落ちた)瞬間に、次の行動への高いモチベーションが生まれるものです。

さあ、今年の卒業式はどんな空気感に包まれるのでしょうか?
楽しみです。


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