山陽3000系の次のお目当ては、約1年半前に初めて訪れて意外な味わい深さに引きこまれた阪神電車。山陽須磨から梅田行き特急に乗り、神戸高速を縦断し、余りにも狭い島式ホームが新上下ホームの完成に伴い使用中止になってしまった春日野道を通過し (しまった……もっと前に楽しみに来るべきでした ^^;)、震災の悲劇から見事に復活した高架線と街並みに目を見張りながらも粛然とした気分になり……そんなこんなで西宮にて下車したのち、続行する始発急行に乗り換えました。そして目指すは、ディープな私鉄ローカル路線大好き人間にとってたまらない魅力を放つ武庫川線!
ホームがほとんど鉄橋の上にあるという点で二子玉川も真っ青な武庫川で下車し、強風の日は吹き抜ける風に恐ろしさすら感じそうな連絡通路を歩いて行きますと……目指す2両編成が停車していました。
この日の運用に入っていたのは、古いデザインの分散クーラーカバーと片開き扉の組み合わせが何とも言えずシブい雰囲気の7861+7961形! むかし図鑑などで見た阪神赤胴車といえば、このデザインの車両が一番代表的だった……というかすかな記憶があるのですが、今ではすっかり数を減らして、西大阪線をメインに、たまに武庫川線の運用にも入るというかたちで細々と生き残っているようです。そして、2kmに満たない路線で20分間隔ということで、この2両がひたすらの~んびりと行ったり来たりしておりました。
↑は東鳴尾にて撮影。閉まっている踏切に乱入して大丈夫なのか??と思うようなシーンですが、どうぞご心配なく……(笑)。道路の踏切は当然閉まっていますが、そのすぐ脇にある島式ホームへの踏切は開いていますので……。線路脇に何故か高い金網が張り巡らされている武庫川線では、こういうスポットはとても貴重ですね。
ちなみに、今回は気が付いたら武庫川~東鳴尾間でのロケハン&撮影に没頭してしまったため、洲先・武庫川団地前には到達していません (笑)。まあそのうちということで……(^^;
また、今回は7861+7961形のシブい存在感にハマってしまったわけですが、次回訪問時には是非、完全に武庫川線運用専用車となっている7891+7991形を撮ってみたいと思っています。この電車、デザイン的には現役の青胴ジェットカーや赤胴2000系に近い両開き扉ですが、たどった運命が何とも悲劇的……。70年代半ばに3801形として新造された当時は、西大阪線延伸・難波直通用として数々の新機軸を盛り込んでいたものの、この3801形は故障が頻発しすぎて数両が確か10年かそこらであっさりと廃車になったとか……。残りの車両のうち6両は8701形と改称されて本線に残ったものの、予備車扱いで余り走ることはないそうです。そして2両が武庫川線用7891+7991となったものの、線内最高速度が45km/hということでわざと性能を思い切り落とされているという……。
そんな7891+7991形、普段は7861+7961形以上に武庫川線の主力なのだそうですが、この日は本線~武庫川線の渡り線にて昼寝をしていました。前パンが何とも言えない存在感を放っており、前パンに弱い私は次の目標にもうメロメロ (笑)。そんなこんなで、阪神赤胴車の奥深い歴史に思いをめぐらせつつ、午後の武庫川線プチ訪問を終えたのでした。