地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

六甲山麓私鉄三昧 (8) 阪神差しサボ青胴車

2006-04-17 21:26:29 | 都市民鉄 (近畿以西)


 武庫川線での充実した撮影を終えた後は、一夜の宿を予約している大阪へそのまま向かうのではなく、再び西宮行きの急行に乗って西へ向かいました。やって来たのは、車齢が若い2段窓赤胴車を界磁チョッパ制御に改造した2000系! 震災で12両が廃車となって6連6本の計36両が現存するのみで、昼間はせいぜい梅田~西宮間の急行運用に1~2本が入っているだけらしいので、当たって非常にラッキーでした。そのうちじっくりと撮らないと……。
 しかし、すぐに甲子園で下車 (笑)。一応時間に少々余裕があるので、青胴ジェットカーでも撮ろうと思いまして……。まあ、センバツ観客で大にぎわいな甲子園駅ホーム (混雑時は両側のドアを開いて客扱いするのにはびっくり!) で、デジカメと望遠レンズを持ってウロウロするのは恥ずかしかったですが (^^;)。
 ただ、こういう時に限って立て続けにやって来たのは新ジェットカー……。如何にも昭和40~50年代の阪神電車という雰囲気の青胴ジェットカーと、震災復興以後製造された新ジェットカー5500系の本数はだいたい3:2ですので、これはかなり運が悪い……(-_-)。
 そこで、今度ダメだったら次の予定もあるので撤収しようと思ったその矢先、青胴ジェットカーが目出度くやって来てくれました! しかもよく見てみると……何と行先表示幕があるのに「普通」としか出しておらず、わざわざ運転席下の差しサボを使っているではありませんか!! 
 そこで次の瞬間、「最後尾は間違いなく前パン差しサボの5311形に違いない!」と確信し、幸いにして試合中につき少なめなホーム上のセンバツ帰り客の間をすり抜けて、同じホームの梅田寄り先端へ!
 こうして、阪神の中でも最も好きな車両・5314の発車シーンを完璧に決めることが出来たのでした (^o^)。前回、出張ついでの阪神初訪問の際に野田駅で偶然撮影に成功していますが (当ブログがスタートした頃の記事で紹介しています)、又しても余り時間に余裕がない中で偶然めぐり会うことが出来、本当に感無量です……。表示幕がなく、かつ裾がRを描いて絞られているわけではないなど、1980年前後に増備された他の青胴ジェットカーと比べると圧倒的に古さを感じる車両ですが、これからも出来るだけ長生きして欲しい……と思わずにはいられません。
 そのうち武庫川線限定に……なんてのも大歓迎ですが、その前に次は御影あたりで特急退避中にじっくりと撮ってみたいものです。

 というわけで、2段窓車にはしゃいでしまった阪神訪問でしたが、このほか大手を振って活躍中の新車両群も、基本的に言って非常に丁寧に造って清潔に使っている快適な電車であるという印象が強く、「猛虎党」という言葉から連想するもの (私はほんの申し訳程度の横浜ファンです。スミマセン ^^;)とはだいぶ違ったものを感じました。
 そういえば、戦前の阪神の小型車にも、「喫茶店」・楕円型正面の車両・採光窓付き車両など、優雅なことこの上ない名品が少なくなかったですね (以前、今はなき野上電鉄に乗りに行った際、余りにも素晴らしい工芸品ぶりに驚嘆したものです)。
 震災復興の困難はもとより、今ではM上ファンドか、はたまた阪急が大株主になるのか??といった話題が新聞紙上を賑わせているようですが、質実剛健ながらも気軽な足として活躍する阪神電車に新たな親しみを感じ、奮闘を願っている今日この頃です (^^)。