地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

大福岡の小さな鉄 (3) 宮地岳線313形

2007-01-12 08:34:16 | 地方民鉄 (西日本)


 年が明けても、昨年7月に撮影した福岡ネタはまだまだ続きます (^^;
 部分廃止による激変を控えた宮地岳線の旧型車のうち、300形の釣掛車については残念ながら先が見えているのに対し、今後果たしてどうなるのか動向が注目されるのが313形です。前面2枚窓の湘南スタイルが何とも言えずシブいこの電車、300形と並べられると相当新しい (?) 電車に見えてしまうのですが、実は昭和27年製の半鋼製車であり、車齢は既に54年! さすがに改造に改造を重ねた結果、内装の化粧板化・床材の樹脂製化・冷房装備を実現し、ドアも2扉から3扉となりましたが、もともと新造時から既にウインドシル・ヘッダーなき張り上げ屋根車体という当時最先端のスタイルとなっていたため、手許にある資料集に掲載されている昔の写真と比較しますと、驚くほど原型に近い雰囲気を保っています。戦後の混乱がようやく落ち着き、徐々に世の中の雰囲気が明るくなり始めた頃の空気をそっくりかたちにしたまま現役で走り続けているという点で、極めて貴重な電車だということになるようです (*^^*)。



 そんな313形、現在のところ釣掛×1・カルダン化済×3の計4編成が活躍していますが、部分廃止によってどの程度運用が減るかによって、釣掛編成 (314+364。今回は撮影できませんでした -_-;) 1本の立場は微妙かも知れません……。いっぽうカルダン編成は、↑の316Fように最近検査を受けたようでキレイな編成があるのをはじめ、調子も上々な様子。部分廃止後も古き良き西鉄電車の香りを漂わせて、但し下回りは西武701系の魂を秘めながら、福岡北部のベッドタウンの気軽な足として走り続けてくれることでしょう!
 ……それにしても、最新の高架と半世紀以上走り続けている電車との組み合わせは、何とも言いようのないギャップがありますね (^^;)。高架化区間は、ホームを延伸可能なように準備工事が施され、それゆえにホーム先端から見て障害物が少なく、駅撮りをしやすい環境となっていますが、どう見ても福岡市営地下鉄箱崎線との直通を見据えた準備工事ですね……。部分廃止後その動きがどの程度加速されるかによって、残存する旧型車の命運も変わってくるのでしょう。