地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

大福岡の小さな鉄 (5) 三池炭鉄訪問記1

2007-01-23 16:39:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 まだまだある昨夏の福岡シリーズ、今度は一気に大牟田に南下しまして、かつての三池炭鉱鉄道の栄華を辛うじてしのぶことが出来るスポットを訪ねてみました。
 天神から西鉄5000系の特急に乗り、単線区間の存在にもめげずにモーター音を響かせて突っ走って行くのを楽しむこと約1時間、かつて炭都であったことが信じられないほど寂れた雰囲気の大牟田駅に到着。トボトボと街を歩いて山を一つ越しますと、やがて谷間に工場が建ち並ぶエリアにたどり着きます。その一隅に人知れずひっそりと佇んでいるのが、かつての三池炭鉱鉄道の心臓部にあたる宮浦のヤードです。ここまで、確か駅から早足で20分少々。噴き出る汗を拭き拭き、こんもりとした緑に取り囲まれて時間が止まったかのようなヤードや戦前以来の工場群の遺構を眺めながら、化学工場&コンテナ集荷場の入換列車牽引用として辛うじて生き残っている45トンELを待ち構えました。
 しかし、正確な運行時間など知る由もなく、事務所の前でELがパンタを畳んでいることに油断して辺りをブラブラしていたところ……突然事務所2Fから運転手氏と操車氏がドヤドヤと降りてきてパンタを上げ、すかさず「ブウォォォン」という、小さなボディからは想像も出来ない野太いタイフォンが鳴り、いきなり列車が動き出してしまいました! (@o@) 余りの突然の出来事に、撮影位置を離れていた私は狼狽しまくり……。何とか↑のように出発シーンを撮影したものの、後ろに空コキが数車連結されているのを見落とし、画面からは切れてしまいました……(-_-)。



 JRとの貨車引き渡しが行われる仮屋川操車場へ向かった列車は、すぐに単機として戻って来ます。そして事務所の前でパンタを畳んで昼寝状態に……。しかし、JRの大牟田止貨物列車は既に朝の時点で到着している以上、遅かれ早かれ宮浦のヤードに入線するはずですので、これで一日の運行が終わってしまったと考えるのは早計です(先にJRのDE10が、炭鉄から引き出された貨車を大牟田駅に連れて行く作業を行うため、ELは場所を空けるために一旦戻ってきたという次第)。
 そこでしばらくの間、福岡に戻らなければならない時間を睨みながら、ヤードに留置されている黄タキや銀タキをスナップするなどしてヒマをつぶしていたところ……ELがいきなりパンタを上げて再び動き出しました! そして待つこと約10分、仮屋川操車場からタキやコキを引き連れてELが戻ってきましたが……ELとタキの間に延々と空コキが挟まっているため、見栄えが……(-_-;;)。
 ともあれ、こんな感じで宮浦~仮屋川間の1日2往復の運行は終了! まあ呆気ないものではありますが(そして、タイフォンの音はデカいくせに静かに迫って来るELはちょいと不気味 ^^;)、かつて沢山の石炭車を連ねて大活躍した凸型電機がこうして現役で走っている光景に大満足したのでした (^o^)。しかも、小型ELが黄タキや銀タキをゴロゴロ転がしている光景は、日本広しといえども最早ここだけでしか見られないものですし……。