個人的な事情で大変恐縮ですが (→このブログそのものが個人的事情でありますが ^^;)、去る18日は何気にコリアン度が高い一日となりました。昼間は韓国の取引先からの来客と韓国話で盛り上がり、夕方はこの日発売されたばかりの『将軍様の鉄道・北朝鮮鉄道事情』をゲット! もう頭の中は久し振りに韓国語が渦巻かずにはいられません。
特に、『将軍様の鉄道』はただただ驚きの連続! 世界初という看板は恐らく間違いではないであろう完璧な鉄道路線図、そして金正日専用列車の全貌から始まって、各路線・各種車両の紹介、そして極端な経済破綻により激減の一途をたどりつつある旅客列車の運行状況などなど……。その政治体制には問題がありすぎるとしても、「ボロいけど味のある車両趣味」という観点からみれば宝の山としか言いようのない北朝鮮鉄事情が手に取るように分かるという点で、まさに特筆ものです。とりわけ付録DVDなんて、あの極めて厳しい規制の中で一体どうやって撮ったのか??としか思えないほど鮮明!! 満鉄ミカイの生き残りが力走するシーンなど、素晴らしすぎて絶句ものです……。
しかし、やはり行くなら崩壊した後の方が……というわけで、とりあえずはそんな北朝鮮のボロ車両群へ思いを馳せつつ、韓国側の鉄道分断点で3年前に撮影した画像があったのを思い出しましたので、ここにアップしてみたいと思います~。
かつての釜山~大陸連絡における最重要ルートの一部を構成していた京義線(ソウル~新義州=中朝国境の北朝鮮側)は、朝鮮戦争以来長らくの間、ソウルから北西方向46kmに位置する街・ムンサン(ムン=さんずい+文。サン=山)で途切れていましたが、その後南北連絡輸送再開の機運が高まるにつれ、まず民間人が日常的に立ち入ることが出来る最前線の臨津江(イムジンガン)まで延長され、さらにその後民間人統制線を越えて新たに統一展望台が設けられた都羅山(ドラサン)まで延長されました。ちなみに、都羅山へ往復するにはパスポートが必要です。
そこから先も既に北朝鮮側とレールがつながり、試運転を待つのみとなっていますが、北朝鮮軍部が拒んでいるため無期延期! (苦笑) 臨津江からはソウルよりも北朝鮮側の都市・開城(ケソン)の方が近いのですが……。ほんの僅かの距離でボロ機関車・ボロ客車を楽しめるのにぃ (-_-)。
ともあれ、こうした鉄道再整備に伴い、かつて別の位置にあった鉄道分断点が、臨津江駅周辺の公園(北朝鮮に故郷を持つ人々が祖先を祀る儀式を行うための「望拝壇」や、朝鮮戦争関連のモニュメントがある)の中に移設され、鮮鉄ミカサとハ8形客車、そして鮮鉄設計を引き継いだ軽量客車が安置されています。ミカサの方は美しく整備されていますが、ハ8形客車の状態が悪いのが残念……。
実は、このときは列車ではなく板門店バスツアーでの訪問ですので、ローカル列車で臨津江駅に降り立ち「あぁ……ここで途切れているのか」と心から感慨にふけったというわけではないのですが (^^;)、いずれ北朝鮮消滅、あるいは改革開放実施のあかつきには、釜山からここを経由して平壌、さらに北京まで行きたいなぁ……と思わずにはいられないのでした。