去る師走の中頃、撫順礦務局の元満鉄ジテ電車っぽい車両が完成した勢いに乗って、CNRのYZ31を改造した電車であるFK1の製作を始めて以来、その紆余曲折・七転八倒の記録をたびたびアップして参りましたが、このたびついに4連フル編成が落成!! 晴れて目出度く完結編となりました! バンザーイ!\(^O^)/
基本的な技術的問題は、最初の1両を完成させるまでのあいだに解決 (?) され、その経験が既に脳内に蓄積されておりますので、残り3両は淡々と削って塗って貼って……という感じで作業を進めるだけでしたが、いやはや、最後の最後まで本当に細かい部分まで手のかかる車両でした (@o@)。
それでも、中間車に鉄コレ動力を装備し、窓をはめ、いざ試運転で滑らかに走り出しますと……これまで約3ヶ月間の悪戦苦闘が一気に報われる思いでありまして、とくに低速でトロトロ走らせますと、炎天下の中を如何にもだるそうに走っていた実車のことが激しく思い出されます……(*^^*)。肝心の実車は既に昨年夏の本数大激減・事実上の廃止(車両整備工場[機修站]に向かう作業員の送迎用っぽい列車のみが残っているようです) により、恐らく大幅に数を減らしているはずで、そもそも窓の交換を中心とした大幅なアコモ変更により雰囲気が変わってしまいました。それでも、何はともあれジテ編成と合わせ、大満鉄の牙城であった撫順の電車の歴史が事実上幕を閉じたのを陰ながら惜しみ、中国全体からも去りゆく計画経済的車両を記念するまたとない一品となりました……。
社会主義リアリズムの偉大な勝利万歳! (^^;
日本・ドイツ帝国主義から買った技術で「世界最速350km/h」などと自惚れ、一般人民大衆と無縁な高速鉄道建設に明け暮れる「資本主義の道を歩む実権派」に、無産階級の怒りの鉄槌を! 人民鉄路為人民! 造反有理!(超爆 ^^;;)
なお当初は、作りやすければムーミン編成もいずれ♪……などという甘い考えでしたが、これほど手数のかかる車両はもうこりごり (滝汗)。今後よほどマゾ的な気分にならない限り、死ぬまでYZ31系列車両を作ることはないでせう……(^^;
ちなみに、今後中国で鉄道模型趣味が成熟し、撫順電車の完成品模型またはキットがリリースされるかどうか……ですが、とりあえず個人的には以下の事情に照らして悲観的です (汗)。
中国には「海子鉄路網」という鉄道趣味系巨大掲示板サイトがありまして、乗り鉄・撮り鉄・収集鉄……と様々なジャンルに分かれ、特に現地情報などは微に入り細を穿ったネタで盛り上がっているのですが、当然のことながらその中のひとつに模型コーナーもあります。勿論話題の中心は、中国型車両が複数のメーカーから発売されているHOということになるわけですが、ただの客車でも1両数百元以上。購入できるのはごく一部の成金及びその子弟に限られているようで、多くの閲覧者は指をくわえて眺めるしかないという雰囲気が……。
そんな中、最近にわかに、HOと比べれば全然安い日本型N模型に手を出すことで模型鉄欲求を満たそうとする人々が増えているらしい……ということに気がつきました。もっとも関心の中心は、中国で同型車が走り(E2→CRH2)、しかも中国人から見て「漂亮(きれい)」「精美」の象徴であるらしい新幹線でありますが、中には183系や165系を走らせて喜んでいるツワモノも……。さらには、バックマンのHO用パワーパックをKATOのユニトラックに接続させるための改造話なども載っていたり……。中国の鉄道趣味が草創期から急速に深化へと進んでいるのを端から眺めるのはなかなか興味深いものがあります(中国語を読めることが必要ですが)。
彼らがN模型をゲットする場合、例えばKATOのように日本国内生産であるブツを購入する場合には1セット700~1000元前後することから、それなりに清水の舞台から飛び降りる覚悟を強いられるようですが、実はもっと格安で日本型をゲットする手段があるようで……。要は、マ○クロエースやト○ックス・トミ○テ○クといったメーカーから生産を請け負っている中国の工場が、恐らくB級品に相当するものを中国国内に格安で流しているという次第(この手のブツは正規品[正貨]ではなく工場卸品[廠貨]と呼ばれます)。○イクロの183系9両セットが450元=約6000円ってをいをい……。
こうして既に中国国内にN模型市場がデファクトに形成されつつあることが分かった以上、なおさら中国型N模型製品の出現を待ち望みたいところでありまして、特に満鉄「あじあ」だけが単独で9mmゲージの上を走るということでは寂しいものがありますので、ここは是非マイク○様には奮起をお願いしたいものです。とりわけ、代表的SLや東風4・東方紅3・韶山1といった70年代風の機関車、それに22系客車や満鉄客車が出てくれれば、むかしバックパッカーとして中国をウロウロした私個人としましてはコンプリート購入も辞さないつもりです (爆)。まぁそれでも、中国の鉄道趣味がとかく「最新の動車組」もしくはSLに偏重し、日本型車両への関心もそこから派生しており、ヘロヘロながらも縁の下の力持ち的存在としてひっそりと走る車両はなかなか注目されない以上、撫順電車の製品化は到底期待できないという……(長期的にみて、趣味界の規模が大幅に拡大し多様化が進めばひょっとするとあり得るかも知れませんが)。だからこそ、ジテ電車とFK1の2種類をフリーランスで作った意味は今後も永きにわたって薄れないだろう……と思っております。