地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

新・満鉄&華中鉄道風客車をつくる (1)

2011-03-03 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 いろいろと浮気に浮気を重ねつつも少しずつ各種車両を製作している拙へっぽこ車両工場では、このたびさらなるラインナップの充実とショボい技術の申し訳程度の向上を目指すべく、戦前の日本が生んだ鉄道車両の粋とも呼ぶべき満鉄と華中鉄道の客車 (っぽい車両 ^^;) を手がけることにしました。
 これまで撫順のジテ中間車崩れヘロ客車に始まって、華中鉄道に供出された32系客車、撫順のジテ改造電車、そして撫順のYZ31客車改造電車……と、日本人から見ても濃いぃ魅力に富んだ中国鉄道車両を妄想そのままに作ってしまった私ですが、とりあえず技術力の低さゆえに実車並みの車体延長は避け、あくまでGMの20m車台枠をそのまま流用することに終始したため、32系客車を除けばあくまで一種のショーティーに過ぎなかったことは否めず、幾らかの遺憾が残ったのも事実です (まぁ電車を作る場合は鉄コレ動力の制約上、車長を20m前後と見立てるのが無難でありますが……)。しかし、台枠を含めた切り接ぎ・車体延長工作のテクニックを手にしない限り、SLとともに1990年代まで大陸を駆け続けた堂々たる体躯を持つ満鉄客車・華中鉄道客車をよりリアルに再現することは出来ません。そこで、撫順のYZ31改造電車が完成して以来、果たしてこれらの客車をどう作ったものかと思案し続けること約1年。ネット上で知りうる限り中国客車研究の第一人者でおられる「はいらーある」様のサイト所収の画像としばしばにらめっこしたり、さらにはいらーある様からRF誌連載記事「大陸の鉄輪」(1980年前後連載) のコピーを頂いたりしながら、少しずつ具体的な工法を思い描いて参りました。



 とはいえ、板キットの製作は当面スカ色旧国を優先させたため、日本が中国に残した客車の製作は多忙の中で後回しに……。台枠を延長して果たして強度を確保出来るのだろうか?という漠然とした疑問もさることながら、とくに満鉄客車の特徴ある妻面をどう再現したものか……微細な工作が予想され溜め息が。しかし、実際に指先を動かさない限り決して一歩も前には進みませんし、技術というものは (まぁ技術というほど大したものではありませんが……^^;;) 実際の試行錯誤・失敗の連続を通じて初めて会得されるものでしょう。そこで、先日仕事の修羅場がひとまず過ぎたことから、勢いでGMストアに寄り道して材料を調達しまして、えいやっと板キットにナイフを入れて切り接ぎ工作に走ってみました (^^;;)。
 まず華中鉄道オリジナルの客車につきましては、基本的に日本の35系客車を車体延長したものというコンセプトで製造されており、実車で妻面から妻面まで19.2mの車体が22.1mに延長されているのを1/150に換算しますと、おおよそ35系客車板キットの窓2枚分を切り接げば良いという計算になります。そこで、車体と台枠を淡々と延長し、屋根につきましてはプラ板と接着剤でパテ盛りに備えた土台を作った次第ですが (1枚目)、いや~3m分延ばしただけでも相当デカいですね……。取りあえずは今後パテ盛りとシルヘッダー切除を進めて行きますが、当面の課題として (1) 台車をもう少々内側へズラすべきか? (2) 塗装はCNRダークグリーンとするのか、それとも上海~南京間を駆け抜けた「天馬号」の塗装であるマルーンレッドとするのか? (華中鉄道社紋インレタなどというものは売っていないわけですが……^^;)、といった点をぼちぼち検討しようかと思っております。姉妹車両 (?) としての4等車 (爆) の製作は後回しです、はい。
 いっぽう下の画像は……満鉄3等客車のデッキ・妻部 (滝汗)。乗降扉が側面から相当奥まった位置にあり、妻面が相当極端なキノコ風になっているという満鉄3等客車のアイデンティティを一体どう再現するのか??果たしてプラと接着剤を用いた切り接ぎで十分な強度が得られるのか??という煩悶を拭いきれない細かい作業の連続でしたが、「ふぅ~~、何とかそれっぽくなったかな?」と思っております。妻面は撫順ジテ電車の製作で余ったサハ75のパーツを流用しており、今後は貫通扉を削ったうえで44系客車の側面と接合する予定です。
 何やら気の遠くなりそうな作業が多そうですが、どんな車両を作るにしても、少なくとも撫順YZ31改造電車の製作よりはラクだろう……ということで (笑)。