
二等座席車BSC.94。1957年近車製。(以下Wikipediaによる)

三等座席車BTC.321。Wikiでは1963年日車製とありますが、53年では?

電源荷物車BFV37。1950年製。優等列車に超年代物……。

食堂車BRC10。1955年ベルギー製。
欧風客車がタイ国鉄で多数派となる可能性もあったのでしょうか?
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日本企業連合が中心となって建設し、車両も納入されたタイ・バンコクの「パープルライン」が、このたび無事正式に開業した旨が伝えられており、さらに既存国鉄線に沿って建設されている「レッド・ライン」も日本勢が車両の納入と保守をする計画であるなど、日泰両国のインフラ合作が着々と実績を積み重ねつつあるところです。しかし、ボロ車両趣味の立場としては、心はここに非ず……(勿論、次回のバンコク訪問時には乗ってみたいと思いますが、撮れそうな場所が無いんですよね……)。
というわけで、去る3月に撮影した客車形式写真のうち、JNR10系客車風車両が大量増備される前の世代にあたる旧客的車両の画像をアップしてみましょう。とくに、タイ国鉄の久々の新車となる中国中車・長春製ステンレス客車が、今年の秋から特急列車を中心とした運用に入る予定といわれ、既存の車両にどの程度玉突きの影響が生じるか懸念されるところですので……。
1960年代前半までに日本で製造され、今や骨董級としか言いようのない雰囲気の客車が、かくも当たり前のように日々長距離優等列車に組み込まれているのは、世界広しといえども最早タイとミャンマーぐらいのものですが、ミャンマーの場合は路線によって「たまに当たる」というレベルであるのに対し、タイの場合は日常的に多くの快速列車に組み込まれているというのが驚きです。他にも、恐らくベルギー製・台枠丸見え欧風客車も、食堂車や荷物合造車などでごく少数が健在です。しかし、既に車齢50年を過ぎたこれらの客車は、この秋以降どうなるか不明ですので、引き続き注意して線路脇ウォッチに励む必要がありそうです (……ただ、私はバンコク在住ではなく、そんな芸当は当然出来ませんので、是非バンコクに赴かれたお暇な方の悉皆調査に強く期待したく存じます~)。とりあえず、最初から3等座席車として製造された車両、もしくは3等座席車に改造された車両であれば、もうしばらく安泰だとは思いますが……。