インドネシア鉄道では、老朽化した昔ながらの転クロ2等客車列車を、ゆったりとした2+2ボックスシートの冷房3等客車列車とするために、2013~14年頃から水色の大胆な曲線模様が印象的な新型エコノミAC客車をそこそこ大量に (?) 増備しました。その結果、何本かの中~長距離2・3等列車がこの車両に置き換えられたついでに新列車名を名乗るようになったほか、純粋に増発された列車もあります。今回アップした1枚目の「ガジャウォン」、2枚目の「メノレ・エクスプレス」は、確か列車名改称組だったっけ……(^^;)。一方、スマトラへの連絡線が出るメラクから東ジャワまで長駆する「クラカタウ」は純増であったはず。
そんな新型エコノミAC客車、登場直後はその大胆で涼しげな塗装と相俟って「結構スゲー!! これこそ経済発展の象徴か!」と思ったものですが、その後間もなく、たしか城南社長 (当時) の大号令のもと、KAI全客車冷房化という驚天動地の大変革が徹底断行され、急行列車用のエコノミ客車は基本的にそこそこ良く効く大出力家庭用クーラーを装備するようになりましたので、椅子が2+2か、それとも2+3かという点を除けば、従来型エコノミとこの新型エコノミACとでは大して違いがなくなってしまいました。そして今や、エコノミ客車は集団見合い型の座り心地が良さそうな椅子を装備した最新型の時代へ……(Google検索で「ka ekonomi baru 2016」と入力すると、「これがエコノミかよ……」と絶句する車内画像がゴロゴロ出て来ます)。
というわけで、昨年8月の時点でこの新型エコノミAC客車が続々と新標準塗装になり始めていたのは、「新型エコノミAC客車は、2016年バージョンの前では最早特別な存在でも何でもない」という時代の到来を暗示していたのかも知れません。