地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (2) 総論2・運行概況

2016-08-20 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 ★深刻化する遅延……線路容量いっぱいに列車を詰め込みすぎているため、総じて遅れが慢性化していますが、なるべく中長距離客レは遅延しないように配慮がなされる中(それでも、始発のガンビールやパサールスネンを出た直後から10分以上遅れることもザラ)、自ずと電車にしわ寄せが来ています。とりわけ全区間で客車列車と並存し、コタ・ガンビール・マンガライ・ジャティヌガラ・マンパン・チャクンといった「関所」が乱立しているブカシ線電車に至っては、20~30分の遅れは当たり前。仮にほぼ時刻通りに来たとしても、それは1~2本前の列車である可能性が大です。パクアン急行様がスマフォに入れておられる運行状況アプリでは、ブカシ線は最悪の場合1時間以上遅れていたりします (滝汗)。私の経験では、ジャヤカルタ6時34分発のブカシ行 (所定12連) が6時59分に来たこともありますし、6時32分に1本前の6時9分発 (所定8連→このときは東急新8007Fで大喜び♪) が来たこともあります。また、マンガライとドゥリの間を往復するフィーダ列車は、概ね10時台に運行を終えるはずが、ズルズルと遅れながら走り続け、「11時5分にドゥリ発→タナアバンの手前で15分停車→休止中のマンパン駅で15分停車→その後もマンガライで入線待ち→12時にようやくマンガライ着」というトンデモな列車に乗り合わせたりもします (超ガラ空きの203系だったのは万々歳でしたが)。

 ★だいぶマシなスルポン=バンテン線とタンゲラン線……ブカシ線とボゴール線の慢性的な遅れと比べますと、これら両線は独立性が高いため、さほど遅れないという印象です。とりわけスルポン=バンテン線は、大幅遅れの原因となっていたパルンパンジャン~マジャ間が完全複線化され、パルンパンジャンとティガラクサでの通過待ち(急行客レが電車を抜く)も行われており、「スルポン線=遅れまくり」という印象は弱まりました。



 ★列車の整理間引きの常態化……ともあれ、以上の遅延状況に鑑みて、KCJ管内の時刻表は最早「一応これだけの列車を運行します」という予告に過ぎなくなっているのですが、大幅遅延を引きずったまま列車を詰め込んでいては何時までも問題の解決にならないため、客が減る昼頃を中心にマンガライで大胆な運転整理をするようになりました (JREによるアドバイスを受けて?)。このため、ボゴール・ブカシ線のコタ行がマンガライ行に変更されているのを頻繁に見かけるようになりましたし、突然の運転打ち切りでマンガライのホームや線路を右往左往する難民ならぬ乗客の波が真っ昼間のマンガライを埋め尽くすという凄惨な光景を目撃した次第です (前回の画像)。

 ★12連の絶大な威力……長らく最長8連で凄まじい混雑も見られたKAI・KCJの電車は、埼京線10連の出現という革命的変化を迎えたと思ったら、今度は205系の大規模な編成替えにより12連が続々と出現し、ボゴール線のコタ行とブカシ線に集中投入されています。またスルポン=バンテン線が基本的に205系10連で統一されているほか、ボゴール線から環状線ドゥリまで運行される列車にも205系10連が多用されています (環状線に入って来る列車は基本的に8連だと思い込んでいたため、これは心底驚きました ^^;)。こうした長編成化に次ぐ長編成化の成果は著しく、12連が来ればラッシュのピーク時以外は割合ゆったりと乗れるようになりました。しかも205系史上、ここの12連は最長でもあり、初めて眼にしたときの圧巻さは半端なものではありません。逆に205系12連に慣れますと、他の形式の8連が来たときの悲劇的な気分もまたハンパなものではありません。あたかも、東海道線で自分の乗る列車が15連ではなく10連であると表示されたときの如し……(笑)。

 ★KAI所属車の退潮……既に稼働車両の6割以上を205系が占め、これに加えてメトロ6000系も概ねSIV等の不調から抜け出している中、沿線で待ち構えている際に来る電車の多くはメトロ6000系・05系・203系・205系であり、KAI所属車である都営6000系・東急8000/8500系・メトロ5000&東葉1000系はまさに風前の灯火の感があります……。否、東急8500系は数本あるはずですが、今回は8607・8618Fが検査等で運用入りしていなかったため、稼働数は4本のみ。また、メトロ5000系は長らく、「呼んでいないのに必ず来る」と思えるほどの活躍ぶりでしたが、今回はついに1本だけの稼働……。というわけで、KAI所属車は10編成のみが、往復するのに非常に時間がかかるジャティヌガラ~ボゴール間を往復し、稀にそのうち1~2本がブカシ線やタンゲラン線に入るという状況です。ボゴール線で待っていればいつか必ず来るとは言え、これらKAIジャボタベック事業部時代の壮絶な混雑地獄を支えた立役者たちは、確実に消滅に向かいつつあると言えましょう……。今年度のメトロ6000系VVVF車が全て揃えば、半分以上がごっそり離脱してもおかしくないでしょうが、かりに205系の12連を追加するとすれば多少離脱のペースも鈍化するでしょう。

 ★充実した案内……各駅のホームには、先発電車の行先と現在位置が真っ赤なLEDで表示されるようになり、先頭の行先表示と合わせ、誤乗の可能性は格段に減りました。昔は、ブカシ行きかボゴール/デポック行きか、放送を聞き逃すとエラい目に遭いましたので……(マンガライで乗り換えるだけですが、混雑する車内で折角座っていたのがおじゃんに)。また車内放送も、自動放送+肉声の二本立てで非常に丁寧な放送がなされています。さらに御丁寧なことに、ドアが閉まるときには「Hati-hati, pintu akan di duduk」という放送に加え、「キンコンキンコーン」というベルまで鳴り始めました (今のところ205系でたまに当たる程度)。いっぽう、205系の埼京・横浜 (一部) 編成に設置された車内ビジョンは、もし壊れずに稼働しているとかなりやかましく、音鉄の方には向いていません (私の場合、本数が多い時間にこれに当たると、「次で良いや」と見送ることもあります。苦笑)。