地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第七ジャカルタ炎鉄録 (36) 2等混色客レ

2016-08-11 12:00:00 | インドネシアの鉄道


 インドネシア国鉄におけるデラックス車両の代名詞として君臨してきたアルゴ塗装は、当初は従来の1・2等 (Eksektif・Bisnis) 混結・青胴色の特急列車よりも一層ハイグレードなサービスを提供する象徴であり、列車名に「アルゴ」と付けばグレーと黄色に象徴されるアルゴ塗装客車が用いられ、「アルゴ」と付かなければ1等車であっても相当年季の入ったボロめな青胴客車が用いられていたものでした。2009年に初めて訪問したときに乗ったバンドゥン行の1・2等特急パラヒャンガンは、「アルゴ」が付かないため全車青胴であり、全く同じ区間を走るオール1等の「アルゴ・グデ」とは画然と区別されていたものです。しかし、その頃既に、長距離列車を中心として「アルゴ」が付かなくてもアルゴ客車を投入する動きが進み始めており、例えばタクサカなどはオール・アルゴ客車であったのも確かです。



 そしていつしか、基本的に車齢が古い客車の巣窟であった青胴1・2等列車は、他の車種・塗装・等級への変更が進んで整理されて行きました。たとえば「パラヒャンガン」は1等車がアルゴ客車となって「アルゴ・グデ」と統合され、「アルゴ・パラヒャンガン」と改称されたほか、ジャカルタからジョグジャカルタやスマランといった中部ジャワに向かう青胴列車であった「ファジャール・ウタマ」系列の列車も新型エコノミAC客車となりつつあるという……。この結果、昨年8月の時点では、撮影にちょうど良い時間に姿を現す青胴列車は、クトアルジョ行きの「サウンガリー」のみとなっていました。そこで、既に新塗装車が入り始めたものの、青胴列車の威厳を最後にとどめる「サウンガリー」を激写!! 他の塗装の列車は撮影が美味しい時間帯に複数走っているものの、青胴列車はこれっきりですので、上り列車がカブらないか最高に緊張したものです……はい。