南台湾の田舎らしいの~んびりした風情が漂う南州駅を午後1時20分過ぎに発車する鈍行に再び乗車しまして、さらに椰子の緑が濃いぃ雰囲気の田園風景の中を走って行きますと、やがて線路の両側がエビの養殖池になりまして、車内一杯に魚市場っぽい匂いが充満します (^^;)。そんな熱帯の旅情に身をゆだねていると、いつの間にか終点の枋寮 (ファンリャオ) に到着です。ここで列車を乗り換えて、台湾でもダントツの大展望を楽しめる南廻線の鈍行に乗るのですが、乗り換え時間が1時間ありますので、改札の外には出ず、しばらくホームで駅撮りを楽しんでしまいました (^^;)。
ここ枋寮駅の最大のみどころは、駅のホームの目の前に転車台があって、朝から晩まで日常的にDLが方向転換していることでしょうか。日本では既に保存SL用、あるいは残り僅かな扇形庫用として細々と用いられているに過ぎない転車台も、台湾ではDLの本線運転の際は片方 (運転台から前方の見通しが良い方) の正面を常に使いますので、主な折り返し駅や車庫には必ず設けられています。ですが、その場合もたいてい一般客からは見通しが悪い位置に設けられているというわけで、これだけホームの目の前でクルクル回ってくれるというのは珍しい部類なのではないかと思っています。(^^)
そんな機回しを見物してから、すでに入線している南廻線鈍行の発車ホームに行ってみると……何と青い旧型客車が10両もつながっているではありませんか!! かねてから調べたりしたところでは、南廻線は特急列車が大繁盛でも鈍行はいかんせん非冷房だし時間がかかりすぎるので誰も乗っておらず、まさに車内独占しまくり可能、という評価がもっぱら。そこで、どんなに連結されていてもせいぜい3~4両だろうと予想していましたので、この堂々たる10両編成はうれしい大誤算!! うひょひょ~、この旧客超豪華編成を独り占めなんて、日本、いや台湾でもフツーまず考えられないよなぁ……何てラッキーなんでしょ、と思いつつ、しばらくのあいだ車内撮影に没頭してしまった私でした……。この頃、改札口の外ではどういう状況になっているかもつゆ知らず……(謎)。