地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾鈍行の旅 (7) 今も活躍する転車台

2005-03-11 12:56:55 | 台湾の鉄道


 南台湾の田舎らしいの~んびりした風情が漂う南州駅を午後1時20分過ぎに発車する鈍行に再び乗車しまして、さらに椰子の緑が濃いぃ雰囲気の田園風景の中を走って行きますと、やがて線路の両側がエビの養殖池になりまして、車内一杯に魚市場っぽい匂いが充満します (^^;)。そんな熱帯の旅情に身をゆだねていると、いつの間にか終点の枋寮 (ファンリャオ) に到着です。ここで列車を乗り換えて、台湾でもダントツの大展望を楽しめる南廻線の鈍行に乗るのですが、乗り換え時間が1時間ありますので、改札の外には出ず、しばらくホームで駅撮りを楽しんでしまいました (^^;)。
 ここ枋寮駅の最大のみどころは、駅のホームの目の前に転車台があって、朝から晩まで日常的にDLが方向転換していることでしょうか。日本では既に保存SL用、あるいは残り僅かな扇形庫用として細々と用いられているに過ぎない転車台も、台湾ではDLの本線運転の際は片方 (運転台から前方の見通しが良い方) の正面を常に使いますので、主な折り返し駅や車庫には必ず設けられています。ですが、その場合もたいてい一般客からは見通しが悪い位置に設けられているというわけで、これだけホームの目の前でクルクル回ってくれるというのは珍しい部類なのではないかと思っています。(^^)
 そんな機回しを見物してから、すでに入線している南廻線鈍行の発車ホームに行ってみると……何と青い旧型客車が10両もつながっているではありませんか!! かねてから調べたりしたところでは、南廻線は特急列車が大繁盛でも鈍行はいかんせん非冷房だし時間がかかりすぎるので誰も乗っておらず、まさに車内独占しまくり可能、という評価がもっぱら。そこで、どんなに連結されていてもせいぜい3~4両だろうと予想していましたので、この堂々たる10両編成はうれしい大誤算!! うひょひょ~、この旧客超豪華編成を独り占めなんて、日本、いや台湾でもフツーまず考えられないよなぁ……何てラッキーなんでしょ、と思いつつ、しばらくのあいだ車内撮影に没頭してしまった私でした……。この頃、改札口の外ではどういう状況になっているかもつゆ知らず……(謎)。

台湾鈍行の旅 (6) これが藍色普通車の雄姿だ!

2005-03-07 17:53:02 | 台湾の鉄道


 製糖工場がある屏東線・南州駅の南側には、午前中の下り列車に対して順光で最高に撮りやすい踏切があります (別に狙って行ったわけではなく、途中下車してホームから何となく見渡してみたら、うまい具合に踏切を見つけたのです ^^)。そこに陣取って、頻繁に道行くバイクの「やけにデカい荷物を持った鉄路迷 (台湾における鉄道ファンの呼び方) がいるな~」という視線に耐えつつ (^^;)、すぐ脇を通る製糖工場の専用線跡を撮影するなどして待つこと小一時間……いよいよやって来ました! 一本あとの鈍行列車が! 駅を発車した列車は、猛烈な爆音エンジンのうなりも高く、いかにも客車列車らしいゆっくりとした加速で近づいて来ます! 思わず又してもファインダーの中に見とれすぎてシャッターを切り忘れそうになってしまいましたが、ブルーの美しい編成を無事撮影して「これだ! この瞬間のために台湾に来たんだ!」とうなってしまったのでした (ちょっとオーバーですが ^^;)。

さよなら名鉄岐阜600V (1) 下方鉄橋

2005-03-06 22:53:06 | 懐かし画像


 しばらく台湾ネタが続いておりますが、ここでちょっとひとやすみ。帰国して思い出して見れば、名鉄岐阜600V線が残りあと1ヶ月を切ってしまいましたね……。
 そこで、今月は何回かに分けて、オールドタイマーが大活躍して辛うじて輝いていた頃の名鉄揖斐線画像をアップしてみたいと思います。なにせ、半鋼製釣掛式電車命だった中学・高校時代は、青春18きっぷシーズンになると揖斐線詣でを繰り返していたもので……それだけ思い入れ多い路線なのです。
 まずはこちら。下方鉄橋を渡る朝ラッシュ時の3両編成です (後追いですが ^^;)。すがすがしい川風に吹かれながらのんびり待っていると、やがて電車が高らかな音を上げて坂道を登り、体を揺らしながら鉄橋を渡って行く……あ~、今でもありありと思い出します!

台湾鈍行の旅 (5) 南州糖廠

2005-03-06 21:07:07 | 台湾の鉄道


 屏東線の南州駅で途中下車した目的のひとつは、コスト高が原因で一昨年操業を停止した砂糖工場を訪ねることでした。特に台湾では、砂糖工場があるところ、必ずサトウキビ運搬用のナロー専用線あり!というわけで、(90年代に台湾を訪問したときから興味を持っておけば良かったものの) 遅ればせながらその遺構を見てみよう、というわけです。特に、約1年前に出た台湾の季刊雑誌『鉄○旅行』によると、ここ南州製糖工場では、操業停止後残されたナロー機関車を観光資源として活用するべく、観光客に1回100元=約300円で運転させてくれるというのです! というわけで、期待して行ってみると……製糖工場の見学は午前と午後の各1回だけで時間が合わず、運転体験コーナーは交通部 (=日本の運輸省改め国土交通省) の正式な許可が出なかったらしく中止になって久しいようで無人……。ただ、工場の敷地内につくられたお花畑や児童公園だけが賑わっているというありさまでした (泣)。
 というわけで、広いヤードの外側から、放置された貨車と工場をあわせて撮影し、工場の操業華やかなりし頃を想像するしかないのでありました……。まあ、つわものどもが夢の跡、という雰囲気を感じるにはなかなかのロケーションではあると思います。

台湾鈍行の旅 (4) 屏東線万歳!

2005-03-05 22:13:17 | 台湾の鉄道


 高雄に到着して駅撮りを楽しんだあとは、駅前のビジネスホテル (日本人だと分かると非常に親切にしてくれました ^^) に部屋をとって、夕方から夜にかけて高雄の街歩き。バイクの大洪水に圧倒されながらも、旧暦1月15日からしばらく行われるランタン祭りを楽しみ、さらに駅に近い屋台街の美味を味わい尽くし、食べ過ぎてしまう結果になってしまいました (爆)。
 翌朝は早起きして、いよいよ今回の撮り鉄・乗り鉄旅行の核心部である屏東 (へいとう/ピントン) 線へと入って行きます。朝6時、まだ真っ暗な高雄駅のホームに向かってみると、さっそく停まっていました!藍色の客車が! しかも、屏東線の鈍行用客車は、前日に乗った「冷気平快」の客車の系列とは違って、シートピッチの狭い2扉両開きセミクロスで、いっそう使い古しぶりが目立ちます。さらに、一応自動ドアなのですが、ホーム側だけ開くのではなく両側が開いてしまうというシロモノ (^^;)。でも、そこがまた良いのです! それに、私がかつて台湾ではじめて乗った列車がこのタイプなので、久しぶり感もひとしお (^^)。
 さて、そんな感じでユルユルと発車したのは良かったのですが……旅行中は毎朝雨が降るという最悪の天気で、「これから途中下車を繰り返して撮り鉄するのに、こんなに真っ暗だったらどうしよう……」と心配になってきたのですが、大都会らしい風景が途切れて田舎っぽい風景へと変わってくる頃から雨が止み、最初の撮り鉄スポット・竹田駅 (日本時代からの旧い駅舎が素晴らしい状態で保存されています) で降りたころには晴れてきました (^^)。
 ここからは、南国ならではの蒸し暑さと椰子の木・ビンロウの木が続く中を、窓を開け放っての~んびりと揺られる最高の旅です! 2つ目の撮り鉄スポットとして選んだ南州駅に降り立ったら、鮮やかに咲き誇る花々が迎えてくれました。う~ん、この待合室からの眺め、何だか出来すぎているほどですが、こんなちょっとした喜びがそこらじゅうに転がっているのが屏東線の旅の魅力なのです (^^)。