地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

京阪電車周遊記 (6) Mother Lake

2006-05-09 23:27:05 | 地方民鉄 (近畿)


 これまでお楽しみ頂いた関西私鉄特集もようやく最終回 (^^;)。そのトリを飾るのは、石山坂本線に1編成だけ存在する特別塗装車です! 一応、運転席の後ろに「Mother Lake」と書いてあることから「Mother Lake号」と勝手に呼ばせて頂きますが (^^;;)、琵琶湖に打ち寄せるさざ波をデザイン化したと思われるこの塗装は、路線・沿線イメージを鉄道車両の塗装として表現した数々の事例の中でも、シンプルな美しさと気品が感じられるという点で特に秀逸なのではないか?と思わずにはいられません (^^)。その風格はまさに、琵琶湖の女王そのもの……!



 そんな「Mother Lake号」が石山寺から折り返して来るのを近江神宮前にて待ち構え、ここで改めて石山寺行になるところを撮影したのが↑のカット。あともう少し桜の開花が早ければ、ホームの脇にある桜の古木とからめることも出来たのですが……まあ良しとしましょう。
 近江神宮前駅には石山坂本線の車庫が併設され、600・700形がいつでも昼寝をしていますが、一応ここは京津線800形の検修も担当しているということで、プチな編成に混じって地下鉄直通の4両編成が留置されているシーンは新鮮なオドロキでした (^^;)。さらにその奥には、1両だけ保存されている80形がピカピカな状態で置いてありましたが……超望遠ズームを持参していなかったため撮影できませんでした (-_-)。

 こんな感じで石山坂本線の撮影を終えたのち、ようやく研修地となる琵琶湖畔のホテルに向かい1泊したのですが、夕暮れと朝靄の中でのびやかな風景を見せる琵琶湖を目の前に眺めながら「電車の中からではなく間近に眺める琵琶湖ってこんなに素晴らしいものなのか……」と感動。そんな母なる湖・琵琶湖の恵みとともにある関西というエリアの奥深さを改めてかみしめながら、今回の撮り鉄出張を締めくくったのでした。
 というわけで、合計15回にわたる関西出張鉄シリーズネタにお付き合い頂きましてありがとうございました。m(_ _)m

東武8000系プチ編成、複々線を激走!

2006-05-07 21:39:37 | 大手民鉄 (東武)


 先日東武伊勢崎線の新田にて、東急8500系オンパレードをはじめ、6050系の区間快速や8000系の区間準急を撮影していたときのこと。そろそろ腹も空いてきたことだし、草加駅前の珍○あたりでラーメンでも (^o^)……と思った矢先、松原団地の方から8000系のマスクが次第に迫って来ました。「う~む、さっき見かけた上りの8000系区間準急が浅草から折り返して来るにはまだ早くないか……?」と思いつつさらに凝視してみますと、何とたったの2両! 要するに、亀戸・大師線のワンマン8000系が定期的にキカスへと戻るスジのようです!
 そこでふと、去る3月のダイヤ激変前にも昼下がりの梅島でワンマン回送を撮影していたのを思い出し (↑の画像)、梅島と新田での目撃が一本の線でつながったのでした。正式な運行時刻については実物のダイヤグラムを持っていないので分からないのですが、梅島で撮影したカットのEXIF情報と、新田でのカットが「きぬ119号」の通過後であることを照合した結果、西新井か草加あたりで「きぬ119号」に追い抜かれるかたちでスジが設定されているようだ……ということが分かりました。(とりあえず休日ダイヤの場合です。平日ダイヤはまだ確認していませんので悪しからず ^^;)



 それにしても梅島のカットといい、新田のカットといい、東武の零細ローカル線を象徴する8000系2連ワンマン車が、極めて都会的な風景をバックにしつつ、豪華な複々線をぶっちぎり快走しているわけですから、ナマで目撃しても、こうして後で観賞しても、何とも言えず小粒でピリリと辛い存在感をビンビンに感じますね~(^^;)。
 このような珍回送シーン、言うまでもなく一日にそう何度も見られるという性格のものではないと思われますので、興味をお持ちの方はご参考下さい (^_^)。
 それにしても、上りの回送はいつなのだろうか……というのが次なる疑問。早朝夜間でしたら撮れませんね~(^^;

東関東新緑DC紀行 (2) 久留里線キハ38

2006-05-06 21:04:38 | 国鉄型車両


 木更津機関区でのキハ30・三並びに感激した後は、11時50分発の上総亀山行 (キハ38の2連) に乗車しまして、馬来田~俵田間のどこかで撮影しようと思い (出たトコ勝負 ^^;)、まずはロケハンに励みました。ノタノタと進んで無人駅に丹念に停まってゆくのんびりまったりムードといい、横田でのタブレット交換儀式といい、何度乗っても「こういう路線が首都圏のJREに残っているとは本当に貴重なことだなぁ……」と思います。一応、撮影の第一候補は馬来田~下郡間の切り通しだったのですが、今年は菜の花の咲き具合が全然スカで通過 (-_-)。下郡~小櫃間の、水を張ったばかりの水田や芽吹きの森があちこちにある風景とDCをからめることにして、小櫃にて下車しました。
 しかし……ちょっとした寒冷前線の通過によるものでしょうか。雲行きが急に怪しくなり始め、ピーカンな空に真っ暗な雲がたくさん浮かんで猛烈なスピードで流れて行くという……この上もなくマニュアル露出撮影派泣かせの空模様となってしまったのです! (T_T) 特に↑のカットは、「あぁ……ちょうど列車が来るときに限って真っ暗だぁ……!」と嘆きながら、シャッター速度をギリギリまで遅くして絞りを開けたのですが、列車が目の前に迫って来るや否や再び空はみるみるピーカンに戻って行ったという最悪の緊急事態に! 大慌てでシャッター速度を上げ、絞りも絞った結果、空は少々トーンが飛んでしまったものの (泣)、辛うじて決めることが出来たのでした……。ここまで冷や汗かきながら鉄道撮影をしたのは初めてです (-_-)。

 それはさておきこのキハ38、国鉄末期に地方交通線のレベルアップを目指すべく、キハ30・35系を種車に車体を新造することによって登場した車両ですが、結局八高線に少数を投入しただけで製造が打ち切られた珍車です。それからはや約20年、内装も含めてあちこちに痛みが……。そしてこれから水郡線・小海線用の新型車が登場すれば、キハ30よりも全然車体が新しいキハ38といえども、いつ玉突き置換の対象となってもおかしくないなぁと思っています。国鉄末期の「矢尽き刀折れ」という財政破綻にもかかわらず、必死にローコストな新型冷房車を用意しようとした……そんな事情をしのぶことが出来る車両をしみじみと味わうのも、まさに今のうちかも知れません。
 今回の訪問で残念だったのは、久留里線のもう一つの珍車にして、キハ38と並ぶ「国鉄末期のチープな落とし子」であるキハ37が、3両とも木更津のクラの奥で寝ていたことです (-_-)。前回訪問時はキハ30が全部クラの中だったり……たった10数両だけでやりくりしている路線の割には極端なんですよね……(爆)。

京阪電車周遊記 (5) のんびり石山坂本線

2006-05-05 00:50:27 | 地方民鉄 (近畿)


 京阪電車の浜大津駅は、京津線と石山坂本線を結びつける中枢であるということで、それなりに規模の大きい駅なのだろう……と予想していたのですが、意外や意外、狭い島式ホームがあるだけの駅でしたので大いに拍子抜けしました (^^;)。京津線の電車は浜大津に到着して客を降ろすとすぐに引上線に入ってしまい、そこに石山寺行の電車が入線するという要領です (逆もまたしかり)。ダイヤ乱れなどが発生したら結構ややこしいことにならないか……と思うのですが、そこは慣れたもので、電車は大きな滞りもなく駅前の交差点を堂々と横断して駅に出入りしていました。そんな小気味よい光景を橋上駅舎に向かう階段から見下ろしていますと (上の画像)、時間が過ぎて行くのを思わず忘れそうになります (^^;)。



 この石山坂本線、浜大津駅前の交差点から次の三井寺駅までのあいだは併用軌道になっており、しかも交通量はさほど多くないため、割と落ち着いて撮影することが可能です (^^)。たま~に側面広告が付いた車両もありますが、基本的には緑のツートンがよく似合う落ち着いたデザインの電車がゆったりと行き交っている光景には心からのなごみを感じるんですよね~。ひょっとすると、いろいろな形式や広告塗装が入り乱れ、しかもクルマの観光客でしばしば渋滞が起こる江ノ電の併用軌道よりも、はるかにこちらの方が落ち着いて楽しめるかも知れません。
 そんな石山坂本線、浜大津から坂本まで乗ってみましたが、車庫があり7分半間隔区間の終点でもある近江神宮前までは、住宅街の気軽な足といった雰囲気そのもの。これがさらに滋賀里以遠になりますと (滋賀県の「滋賀」って、この小さな集落から取っているのでしょうか。神奈川宿→神奈川県というパターンと似ている……)、琵琶湖を間近に見下ろす棚田の丘の中腹を結構豪快にカッ飛ばして走りますので、意外と車窓の変化に富んでいるのが面白かったです。またいずれ、緑したたる盛夏や、雪降り積もる厳寒の季節に、この小粒な緑の電車を撮ってみたい……と思ったのでした (^^)。

GWが決め時 (?)・東急8000系列の話題

2006-05-03 11:02:01 | 大手民鉄 (東急)


 ここのところ風雲急を告げているかのような東急8000系列事情。その中でも、この連休がひょっとすると最後の美味しい機会なのでは……と思われる事情をピックアップしてみることにしましょう。

◆大井町線8090系、急速に帯の貼り替えが進む!
 去る3月のダイヤ改正を機に、中央林間発の急行運用にも入ることになった大井町線用8500・8590系がグラデーション帯への貼り替え&特製ステッカー貼付措置を受け、その変わり身の早さは全ての (?) 東急ファンを大いに驚かせましたが、その時点では正面非貫通の8090系には波及せず、とりあえず一段落……と思われました。
 しかし先週から8090系についても同様の措置がとられはじめ、あっという間に約半分が貼り変わってしまいました! 詳細についてはMIYAさんのブログ「PRECIOUS..」をご覧頂きたいのですが、私も思わず泡を食ったような気分になり (爆)、大あわてで出勤ついでに大井町線に寄り道しまして、貼り替えが済んでいない編成の最後の姿を記録してきました……。
 正面窓の改造を受けながらも20年以上続いたこのスタイルが、何の予告もなく急に変わって行くとは……いやはや本当に気が抜けません。まずは、あらためてMIYAさんにお礼申し上げます。m(_ _)m



◆東「急」伊勢崎線、休日ダイヤの美味しいひととき
 去る3月のダイヤ改正から東武伊勢崎線では一気に半蔵門線直通列車が増え、これが従来の浅草準急に代わってダイヤ構成上のメインとなったのは周知の事実ですが、その結果東武線内を行く東急車がますます増え、まるで東「急」伊勢崎線になってしまったかのような錯覚を覚える方も少なくないと思います (私もです ^^;)。そんな東武のダイヤ改正、区間快速についてはブーイングの方が圧倒的に大きいと思いますが (RJ誌の取材は太鼓持ち記事だとしか思えない……)、半直急行についてはほぼ定着し、(ヨソ者のパット見ですが) 伊勢崎線自体の利用者も増えているような印象を受けます。ガラ空きのダラダラ運転だった区間準急時代と比べますと、ほぼまんべんなく椅子が埋まってビシバシ運転しているシーンというのはやはりファンとしても見ていて気持ちが良いものです (^^)。
 そして、東武線内の半直急行は、東急8500系を撮るにあたっても実に美味しい設定となっているように思われます。何せ、田都線内では東武車やメトロ車の比率が高いだけでなく、複線なのでいつでもカブられやすいというワナが……。これに対して東武の複々線での駅撮りならば、手前の緩行線に普通電車が来ることに気をつければ良いだけで、カブられる確率も低いため、次から次へと現れる8500系を安心して撮影できます (^^)。そして……時間帯によってはひたすら8500系が連続することもあり、とにかく感動的ですらあります!
 一番スゴいのは、北千住1055発の907K (久喜行) から1155発の1016K (久喜行) まで、何と7本連続で東急車がやって来ることでしょうか。それに目を付けた私は先日、まず中央林間から907K (8500系 ^^) に乗って草加へ向かい、その後新田で残りの6本を立て続けに撮影しまくりました (しかも全部8500系! ^o^)。いや~10分おきに猛スピード・大轟音で走り抜けて行く8500系を撮るのはものすごい緊張します (区間準急時代とは明らかに迫って来るスピードが段違いです)。
 もっとも、この「東急8500系の大洪水」をこのアングルで撮るなら明るい曇りの日がベストですので念のため……。
 その後、これらの運用で北上した8500系が折り返してくるトブコ発1214~1314の急行は、8500系を順光で撮る最高のひとときとなることは間違いないでしょう。
 しかし、これも今後5000系の運用数が増えればだいぶ様変わりしてしまうわけで……8500系のパラダイス状態を記録するなら今のうちでしょうか (なお、現状でも5000系が入ってくる可能性は当然あると思いますので、悪しからず……)。