地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

箱根登山・出入庫の悦楽 (上) レアな単行!

2008-05-18 16:38:00 | 地方民鉄 (東海道)


 先日、職場の飲み会で酔っぱらってヘロヘロになりながら終電で帰ったところ、自宅最寄り駅の掲示板には今年の箱根登山「あじさい電車」の広告が貼られていました。そこで「今年も早いものでもうすぐ半分、紫陽花の季節を迎えるのだなぁ……」と、思わず我に返って感無量になってしまいました。それもひとえに、最近仕事が繁忙を極めてほとんど休日らしい休日もなく、撮り鉄に充てる時間も激減してしまい、一番良い季節と鉄道車両の組み合わせを逃しまくったからです (激鬱)。
 その一方で改めて痛感したのは、箱根登山のイメージリーダーは相変わらず旧型車なのだなぁ……ということです。1000形や2000形がすっかり主力の座を占めるようになって久しく、これら2形式による座席指定制の紫陽花ライトアップ見物電車がこの時期最大のウリだというのに……ポスターの主役は旧型車 (笑)。江ノ電が305Fに固執し続けるのと全く同じで、しっとり・のんびりとした旅の宣伝に最も似つかわしいのはモハ1・2形だということなのでしょう。
 そんなわけで、去る年末に撮影した箱根登山旧型車の蔵出しカットをアップしてみることにしましょう (^^;)。しかも、ここは是非一癖も二癖もあるシーンで攻めたいということで……そう簡単に見ることは出来ない入生田の出入庫シーンです!



 このときの箱根訪問の目的は、基本的に撮り鉄よりも親族水入らずのプチ温泉旅行でありまして、入生田で途中下車したのも「ちょっと時間があるので、とりあえず旧塗装7000形が来れば撮ろう」という程度のノリだったのですが (読みは大当たり ^o^ 当ブログ08年3月15日付け記事をご参照下さい)、車庫の方を眺めていると、モハ108がどうやら出庫準備らしきことをしている様子が……。そこで「これはしばらく待っていると絶対に旧型車出庫劇が待っているに違いない!」と確信しまして、しばらくワクワクしながら待っていたところ……何と、モハ108が入生田から出庫して箱根湯本で車両交換というわけではなく、先にモハ109が湯本から姿を現したではありませんか!! そんな光景をファインダーの中で追いかけながら、思わず「懐かしいっっ!」と叫びたい気持ちが炸裂しまくりでした。と申しますのも……最近の箱根登山の定期列車は全て2or3両編成で運行され、単行は極めてレアな光景になってしまったからです。
 昔の箱根登山といえば、特に早朝と夜間は小田原直通列車も当たり前のように単行で運行され、シーズンオフの平日であれば湯本=強羅間の日中の区間列車も単行だったものですが……今やモハ2形の3両 (108~110) を除けば全て固定編成となってしまったことから (そして恐らく京福電鉄事故の影響も?)、どんなにガラ空きな列車でも最低2両でやって来ます。個人的には、もちろん2~3両の堂々たる編成もお好みですが、小粒ながらも重厚な車体の旧型車が単行で天下の険に挑む姿も大好きでしたので、単行が消えたことには寂しい思いをしておりました。但しその一方で、やはり恒常的に輸送力を増強してくれた方がありがたいなぁという思いもありまして……そのウラには、80年代前半のとあるオンシーズンの休日、小田原発朝8時台の強羅行が単行で、余りのメチャ混みぶりもあって卒倒しそうになったという経験があります。まぁ、それも今では良い思い出です……(^^;)。
 何はともあれ、単行との出逢いというギャンブルを求めて、これからも折に触れて入生田を訪ねたいと思っているところです (爆)。

関鉄旧型DC・菜の花の頃 (下) タラコキハ101

2008-05-16 20:05:23 | 地方民鉄 (関鉄系)


 少々間が開いてしまいましたが、先月中旬の関鉄常総線訪問の続きです (汗)。
 いま関鉄を訪れるとしたら、週末特別運転を始めた竜ヶ崎線のキハ532も味わっておきたいところですが、やはりタラコ色となったキハ101を見逃すわけには行かないでしょう! キハ101は昨年秋にタラコ色をまとって以来、当初こそ平日日中・土日午後~夕方に2往復する運用に入っていましたが (確か)、その後間もなく行われたダイヤ改正以後は (いやはや……TX開業後の常総線は本当にダイヤ改正が頻繁ですなぁ)、平日の昼過ぎに1往復、土曜休日の夕方に1往復するのみとなっていました。これではただでさえ撮影効率が悪いだけでなく、日が短い季節だけに、土曜休日しか撮影できない方には「バルブ撮影で我慢せよ」と言っているようなもの (苦笑)。ところが先月のダイヤ改正以来、平日は午後遅めな時間、土曜休日は昼過ぎに1往復するようになりましたので、多くの撮影者にとって多少は身近な (?) 存在になったような気がします。



 それはさておき、菜の花とタラコ色の華やかな (?) コントラストは……いや~ホントに良い雰囲気です (*^_^*)。国鉄末期のローカル支線という雰囲気が炸裂しまくり、ファインダーを覗きながら「懐かしい……」のひとこと。とりわけ1枚目は、バラストまわりも良い感じで雑草に覆われ、文句のつけようもございません! 
 ちなみに、春の常総線といえば、小絹駅や黒子駅の桜との組み合わせが有名ですが、小絹にはタラコは来ず、辛うじて多少の桜の花が残っていた黒子も正午からは順光ではなくなることから、狙っている方は見かけませんでした。それでも、さすが土日の日中運行の成せるワザでしょうか、沿線の他の場所にはちらほらと撮影者が……。ホント、より多くの人が撮りやすい土曜休日の日中に何故最初から走らせなかったのでしょうか? (苦笑) 
 さて、そんな関鉄常総線ですが、何と……大正末期以来シブく佇んできた騰波ノ江駅舎が、老朽化のため6月を最後に改築されてしまうとのこと (T_T)。まぁ、実際訪れてみますと、駅舎が既にかなり傾いており危険な状態であることは覆うべくもないのですが……。とりあえず個人的には、タラコ色キハ101・スカ色キハ102のどちらも騰波ノ江駅舎と組み合わせて記録していますので、今さら焦って撮らねば!というわけでもないのですが (これから当分のあいだは大変なことになるのでしょうか……-_-)、午後の気怠い日射しの中でボーッと過ごしたあの待合室も永遠に失われてしまうとなると、とても寂しい気がしますね……。

台湾鉄路温故知新 (9) 玉里駅のDR2700

2008-05-15 12:53:53 | 台湾の鉄道


 本日はついに、台湾史上空前絶後のダイヤ大改正……。そこで台湾の趣味サイト『台湾鉄道網』を見てみましたところ、去る週末や昨日は、消えゆく「冷気平快」客車を記録に留めお名残乗車をしようという台湾の鉄道迷や一般客が沿線に殺到したようで、つくづく3月に乗っておいて良かったなぁ……と思っているところです。というわけで、台湾ネタの続きです。
 台東駅でひとしきり、出入庫する客車列車や、偶然やって来た貨物列車に大はしゃぎした後は、高雄から後を追ってやって来た自強2059次 (10時31分発) に乗って、花東線のほぼ中間にある主要駅・玉里に向かいます (花東線、最近は台東線という呼び方もあちこちで目にするのですが……^^;)。
 今回の花東線の旅におけるスペシャル企画として考えていたのは、途中ののどかな駅の周辺におけるキョ光号の走行シーン撮影でして、そのために事前にネット上でリサーチして当たりをつけたのが、玉里の少々北に位置する瑞穂駅の周辺です。しかし、自強2059次は、高雄から花蓮方面へ向かう観光客御用達の速達列車として設定されておりますので、瑞穂には停まりません。14分後に発車するキョ光29次 (何と台北到着後さらに西部幹線を南下して高雄に至る超ロングラン列車。所要約14時間!) に乗って、のんびりまったりと瑞穂に向かうのが最も無難であります。それにもかかわらず、何故敢えて混み混みなことが分かり切っている自強号に乗ったのかと申しますと……玉里到着時には後続のキョ光29次との間隔が50分開くことから、そのあいだに玉里駅名物・DR2700の昼寝シーンを激写しようという策略を思いついたからです (台鉄時刻表がお手許にない方には、何が何だかさっぱり分からない記述で大変恐縮ですが……^_^;)。



 そこで自強2059次に乗り込んでみますと……オーマイガー! 本当に車内は満員……。一応事前に指定席は確保しておりましたので、ただでさえ風景絶佳な花東線の旅の中でもひときわ優れた景色の区間で立ちんぼ……という事態は回避したのですが、周囲は大はしゃぎの観光客だらけ……。まあ、時間に余裕のない撮り鉄台湾一周の旅なだけに、こうなるのも致し方ないのですが、やっぱり台東→玉里間の移動は、ガラ空きのキョ光号か藍色普快車200次に乗って、途中の池上駅で立ち売りしている美味い弁当に舌鼓を打ちながら、のんびりと行きたいものです……。
 とか何とか言いながら、自強2059次は猛スピードで飛ばしまくり、玉里まで1時間を切る速さで到着してしまいましたので、それはそれで文句は言えません (^^;)。そして、玉里駅のホームに降り立ってみますと……いました! お楽しみのDR2700様! (*^^*) 既に当ブログの05年3月16日付記事でもご紹介しているこの車両、伊豆急100系顔とサロ153-900風 (?) のサイドヴューは何度見てもたまりません……。東急車輌が7200系から8000系へと歩みを進めようとしていた時代における兄弟車両だけに、なおさら思い入れてしまわざるを得ません。
 しかし、前回の台湾一周の際もそうだったのですが、朝夕しか運行されないこの車両には時間の都合上乗れず、結局玉里駅で撮るだけにとどまっているのは、何とももどかしい気分です (汗)。この車両も既に車齢42年となり、いつまで走っているか分かりませんので、次の訪台時にはこの車両にどっぷり漬かるプランを絶対に組もうと心に誓ったのでした (^^;)。
 こんな感じで激写しまくっていたところ、玉里駅の駅長さんに声をかけられました。この車両が台湾の鉄道迷の間で超人気だということは駅長氏も百も承知なのですが、はるばる日本から来た私が北京語であれこれ「往年的光華号!好感動~♪」とか言うものですから、かなり仰天されていたのが印象的でした (笑)。その駅長氏は何と日本語がかなりお上手! 駅の地下通路にも中国語と並んで日本語で「玉里へようこそ!」と掲げてあり (これは風景の上に字を乗せた巨大プリント)、日本人歓迎!という雰囲気が非常にうれしく感じられます (^^)。花東線の旅、そして玉里の街の、の~~んびり・まっっったりとした魅力を皆さんも是非!

魅惑の近鉄特急・鶴橋駅撮り鉄の陣

2008-05-13 00:10:00 | 大手民鉄 (近鉄)


 昨年秋の近鉄大阪線撮影・乗車は伊賀神戸→大和八木間の話だったのですが、ここはついでに、一昨年の秋に撮影して以来ずっとアップしそびれていた鶴橋駅での撮影カットをアップしてみることにしたいと思います (^^;)。
 ことでん電車祭りのついでに訪れたこのときの大阪撮り鉄はJRWに主眼を置いていたのですが、とりあえず環状・阪和・関西線の撮影に満足したあとは鶴橋に向かい、夕方の新幹線に乗るまでの残り時間、近鉄と京阪のプチ撮影を楽しみました。やはり関西に来た以上は、私鉄も楽しんでおかないと勿体ないですので……(^^; なお、前に京阪塗装変更の話題に関連してアップした2600・5000系の画像はこのときに撮影したものです)。
 それはさておき、撮り鉄の道に復帰する数年前までの個人的な近鉄特急の位置づけは、基本的に「名阪間のそこそこ速くて快適な移動手段」であり、積極的に撮ろうという対象ではありませんでした (^^;;)。しかし最近ではJR・私鉄を問わず、重厚さと大衆性を絶妙にマッチさせた高度経済成長時代的なノリの特急専用車両が急速に減ってきたこともあり、俄然近鉄特急を撮りたい!という欲求が高まっております (^_^)。特に、20mの堂々たる車体に前パン、貫通路、ギッシリ詰まった床下機器……。よく見れば見るほど、時代を反映したデザインの違いこそあれ、かの名車の中の名車、近鉄2200系のDNAを正しく継承しているように見えて仕方がなくなって来たのであります (*^^*)。まあ、通勤車でも2200系の幻影を感じてしまいますので、要するに重厚な足まわりの昭和かたぎな電車であれば何でも大歓迎!ということなのですが (^^;;;)。



 さらにしばらく待ってみますと、やって来ましたビスタEX! 撮り鉄の対象としては長らく近鉄特急に関心が向かなかった私ですが、ビスタカー30000系に関してはひときわ懐かしい思い出がありますね……。
 今でこそ2階建て車両というものは、首都圏にそれこそゴロゴロ走っており、JREのグリーン車営業戦略の罠にすっかりはめられている私にとって、特にこれと言った感慨を呼び起こさなくなってしまいましたが、まだいたいけな鉄道少年だった80年代(特に前半)、全国的に見て非常にレアな2階建て車両だったビスタカー30000系は、是非一度は小遣いをはたいて乗ってみたい車両のひとつでした。
 そこで……確か中3か高1の頃、関西私鉄ローカル線めぐり1人旅をしたついでに、難波から名古屋まで甲特急をフンパツして、念願のビスタカー2階席の客となったのでした (^o^)。まあその代わり、他の部分では徹底的に切り詰め、三食すべて立ち食いのかけ蕎麦、飲み物は購入不可で駅の水道オンリーという忍耐尽くしでしたが (爆)……それでも本当に嬉しかったですね (^^)。円い天井の明るい車内、淡いグリーンの重厚な座席、上からホームを見下ろしたときの優越感! 
 そんな30000系が大規模な更新改造を経ながらも未だに第一線の目玉列車として活躍しているのを目にするたびに、あぁ良いなぁ……近鉄特急!という言葉が口をついて出てくるわけです、はい。

相次ぐ東急甲種・DE10の大活躍

2008-05-12 00:21:00 | 貨物列車 (甲種輸送)


 新年度はじめの4~5月といえば、民鉄各社における新年度の設備投資計画がプレスリリースされるかされないか……という時期ですので、新車の落成・甲種輸送のペースがやや落ちる時期だという印象があるのですが、今年の東急は全然そんなことはないようです。とくに、この6月には目黒線の日吉延長を控えていることから5080系の新造が相次いでいますが、ひところ東横線の8000系淘汰や大井町線急行運転のために中断していた5000系の新造も再開され、5115Fが既に入線し試運転をはじめるなど、目を離せない状況が続きます。
 もっとも、個人的には5000系列や6000系そのものに対する趣味的情熱は大してございませんので、自ずと注目は頻繁に行われている甲種輸送に向かってしまいます (^^;)。とくに、その最大の見どころは、なかなか車両が通らないレア線としての逗子=神武寺間引込線、そして長津田の授受線で、DE10がその絶妙な入換さばきを魅せるところです! そう……私は東急の「走るんです」が目当てで最近の甲種輸送を撮るというよりも、赤く錆び付いたヘロヘロな線路の上を、DE10が牽引する車両が通過するのが楽しみだからこそ、「走るんです」であっても撮る……というひねくれた立場なのです (^^;;)。



 そんな長津田到着シーン、あるいは神武寺からの引き出しシーンについて、東急甲種が相次いでいることに便乗しまして、最近撮ったものを回顧してアップしてみたいと思います。うち1枚は5157Fの長津田到着、もう1枚は6101Fの逗子発車シーンですが……何故かどちらもDE10 1189 (新鶴見) ですね (^^;)。
 JRFとしては、東急車の甲種輸送に際してDE10 1189を必ず指定しているわけでもないでしょうし、最近ネットを眺めていても、他の罐もいろいろと担当しているようですから、まあ単なる偶然であることは間違いないでしょう (笑)。このバージョンの赤更新機は結構好きなもので、取り立てて不満めいたものはありませんが、個人的にはそろそろ久しぶりに青更新機に当たらないかなぁ……と思っています。ご無沙汰気味な鶴見線を含めて、最近全然遭遇していないもので……(^^;
 ところで、最近は逗子での機関車交換の手間を省くためか、逗子でELに交換するのを止めて、新鶴見までそのまま引き出し役のDE10が牽引するというパターンがすっかり定着してしまいました。神武寺からの引き出しのみDLに頼っていた頃は、茅ヶ崎・相模貨物駅に常駐する防音カバーつきのDE11 2000番台がやって来ていたのも今は昔ですね……。
 そういえば、2枚目の6101F甲種も、今となっては非常に貴重な記録となりました。幕板の赤帯がない6000系の姿は想像できなくなりつつありますので……。この時点ではもちろん、この姿を今後20~30年にわたって眺めることになるのだろうと思っておりました (笑)。とりあえず撮っておいた記録が、いつどんなかたちで貴重なものに変わるのか……全くもって運命の悪戯だという気がします (^^;)。