地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

那珂川清流鉄道初訪問 (1) 千葉モノレール

2016-05-19 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 これまで数回に分けて、この黄金週間に訪ねた栃木県東部の非電化路線ネタをアップして参りましたが、実はこれで終わりではなく、究極の濃厚スポットを最後に訪ねたのでした。それが……民間最大の動態保存鉄道を標榜して急速に知名度を高めつつある「那珂川清流鉄道」!
 JR烏山線の終点・烏山駅から那珂川に沿って真北に向かい、八溝大橋の脇にある那珂川清流鉄道は、地元・馬頭の運送業者である「馬頭運送 (株)」が、運輸産業遺産としての鉄道車両に着目し、全国から主に入換用・小運転用のDLを中心にかき集めたうえで、自社の自動車修理部門で徹底的にレストアし、原則として動態保存を実現しているという、ある意味でとんでもない (勿論良い意味で) ところです。一応、公式HP等の説明によりますと、あくまで運送業者としての社会文化貢献活動であり、鉄ヲタとしての活動ではないとのことですが、いやいや、もし鉄道車両が好きでなければ、ここまで貴重なラインナップは揃えないよなぁ~と唸らざるを得ません (バス・トラック動態保存博物館でも良いわけですから)。実際、ご対応頂いた方からいろいろお話を伺いますと、言葉の端々に個々の機関車への激しい愛があふれていました……! 



 そんな那珂川清流鉄道、あくまで運送会社の修理部門の方々を中心に、仕事の合間を縫って活動されているようですので、正式な開園日は決まっておらず、公式HPには「電話でお問い合わせを」とあります。しかし、今回私がここを訪ねるにあたっては「非鉄な田舎温泉旅で馬頭界隈を訪ねたついでに開いていればラッキーだなぁ~」という腹づもりでしたので、事前に問い合わせをしたわけではありません。もっとも、土曜休日はぼちぼち体験運転希望 (30分4000円~ということで、他の動態保存車両の体験運転と比べてメッチャ安い!!) が入るとのことですので、大体オープンしているようです。もっとも、本来この敷地は葬儀場の広大な土地を活用していますので、もし大規模な葬儀が土日に重なった場合には多分オープンしないものと思われ、やはり問い合わせをするに越したことはありません。
 クルマではなく鉄道で訪れる場合、烏山駅から那須烏山市営バスの馬頭方面行きに乗れば良いのですが、ただでさえ本数が少ない上に、土日はさらに本数が減るため、事前に那須烏山市HPで確認することをお勧めします。
 とまぁこんな感じで八溝大橋の西に到着し、葬儀場の看板の方がはるかに目立つ入口から敷地内に進んで行きますと……確かにそこは葬儀場で、喪服を着た人々が歩いているのですが、向かって左側には千葉都市モノレールの1000形1次車が地面に置かれているではありませんか!! そして葬儀場の右側、清流鉄道入口という指示に従って進んで行きますと、懸垂状態で保存されている車両も!! 残念ながら支柱が目立ち、側面を撮るには向かない状態ですが、とにかくまぁ、鉄道車両の中ではマイナーな部類に属する (?) モノレール車両を収集・保存すること自体の気合いに圧倒され、さらに中へと進んで行ったのでした……(懸垂保存車の脇に「ここから有料」という看板が立っており、事務所で入園料1000円を払うことになります。そこで受け取る切符は何と硬券!! ^o^)。


 まぁ、実際の路線と同様の頑丈な支柱を立てるわけではない以上、間隔が密な細い支柱で吊り下げるのは仕方がないでしょうなぁ~。



 ちなみに、千葉都市モノレールは乗ったことがなく、千葉を訪れたついでにちょこっと訪れたことがあるのみですが (汗)、ラッピングばかりで萎えました……。


第四ヤンゴン熱鉄記 (8) RBT2500各車表情

2016-05-17 12:00:00 | ミャンマーの鉄道


 RBT2573 (キハ47 503)……寒冷地仕様車が酷暑の地で客車に!



 トイレは封鎖されていますが、汚物タンク等はそのまま存置。



 RBT2544 (松浦MR-201)。私の訪問時は6両中4両が松浦……。



 RBT2540 (ちほくCR70-2)。極寒の地は遥か遠く、車高も改造。

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 少々油断している(黄金週間中に訪れた栃木ネタに執心してしまった)うちに、ミャンマーからぽつぽつ伝わって来る新事情が次第にたまり、実にめくるめく諸行無常を感じずにはいられないのですが、キハ11のみ辛うじて機能していたヤンゴン環状線車両のクーラーは、このたび完全使用停止となったとか……。やはりキハ11程度の車両のクーラーでは、3月以後の激烈な暑季に耐えきれず、窓を開けた方がまだましという状況が急速に顕在化してしまったのでしょう。また、『ミャンマー・日本語教室ブログ』様に寄せられたコメントを見ていますと、誰も乗らない臨港線路面電車も、駅の掲示が外されて、結局当面運休というオチになったとかなっていないとか……(この点は今後引き続き事実確認が必要でしょう。環状線の駅まで延伸しなければ絶対に客は増えないと思うのですなぁ~)。

 というわけで結局は、それなりに本数がジャンジャン (?) あり、しかも窓が開く非冷房の列車こそヤンゴンでは最強!ということになりますが、窓が大いに開き、しかもドアも完全に手動となっているRBT2500は完璧な車両です!! この点、やはり非冷房・ドア全開の (とゆーか、ドアが存在しない) 既存MR客車の場合、ドアと座席の境目に大きな仕切り板がありますので、ドア経由の風という点で、このRBT2500には大いなる優越性があります (急ブレーキ時の安全度は大いに下がりますが)。
 そこで私も、このRBT2500列車 (当面、東郊行きのna運用) に乗った際には、キハ47のドア脇に陣取りまして、ドアから直接入ってくる風に「うぅぅ~涼しい♪」と唸りまくったのでした。同乗の鉄道警察の皆様も、6両連結されているうちキハ47が最も居住性に優れていることを体感的に知っているためか、常にキハ47の車端部でダラ~ンとしていたのが面白かったです (^^;

 なお、ロングシートの全開ドア脇に陣取る……といえば、インドネシアの非冷房電車やDC改造地獄客車でもやったことがありますが、空気バネ台車でチンタラ走るヤンゴンのRBT2500が乗り心地という点で大幅に上回ります (さすがにトーチャンカレー~ダゴン大学間は、軌道がアレ過ぎますので、一気に最悪レベルとなりますが。笑)。ただ、風の入り具合はやはり速度に比例しますので、涼しさはインドネシアの方が上でしょうか。あ、そういえば、インドネシアの場合には投石がそのまま車内に飛び込んでくるという恐怖を体験したことがありまして、心胆の底から極寒気分に浸ることも……。というわけで、トータルな涼しさと安心感のバランスを考えれば、時速30km前後でのんびりと走るRBT2500は、全開ドア脇着席乗車入門としてお薦めできます (とゆーか、インドネシアは約4年前に一気に運用から離脱してしまいましたし……)。

第七ジャカルタ炎鉄録 (25) 東急事業計画波及?

2016-05-15 12:00:00 | インドネシアの鉄道


 大企業各社の決算発表と今年度の設備投資計画が明らかになりつつある今日この頃、私が普段海外逃亡の際に利用している鶴丸航空は、一時の経営危機からほぼ脱し、国際線はウリナラ線を除き (汗) 総じて好調なようで何よりです。そして、鶴丸航空の問題がほぼ片づいたということは、東急の財務への悪影響も減ったということなのでしょうか。このたび発表された東急の新たな設備投資計画によりますと……6扉車代替ではない純然たる田都新車予告ついに現る……!! そもそも今頃、8630F以前の編成は全て田都から消えて久しいはずであったところ、鶴丸航空問題によって8606Fと8614F以後の編成は基本的に生き残っているわけで (8618・8624Fを除く)、その間にいつの間にか多くの他社路線から1970年代後半~1980年代の車両が消えてしまった中では、8500系ヲタを除く一般ピーポーの田都に対する印象に大きな影響が生じていたものと思われますので、東急としては何としてもこの問題を先へ進めたいのでしょう。
 そこでまず気になるのは形式名ですが、既に長年製造されて多種多様なスペックを持つ20m級「走るんです」が、6000系という特殊なマスクの車両を除き一律に4000・5000番台にまとめられている以上、一応最新の機器を搭載しても5000系列の延長ということで、4020番台とか4030番台を名乗ることになるのでしょうか?? (以上についてのコメントはご遠慮下さい)



 まぁそこらへんは妄想の最たるものですのでさておき、より現実的な問題として気になってくるのが、今後4~5年 (?) のうちに大量に廃車される8500系のその後でしょうか。個人的には、もう8500系を逃したら、今後首都圏のJREや大手民鉄からは、まとまった数の非VVVF・10m固定編成・オールステンレス車は出ないと思われますので、今や10連や12連が当たり前になりつつあるKCJが、今後のブカシ線やスルポン線でのさらなる輸送力増強・電化区間延伸に備えて、10連まるごと大量に買ってくれないものか……と思います。そうすれば、205系の大量投入以来急激に斜陽の気配が強まってしまったジャカルタにおける東急勢力の大挽回が図られ、東急ファンとしては目出度し目出度しなのですが……。とはいえ、既にKCJは俄然新しく安定した性能の205系に加えて、今度は千代田線6000系VVVF車にも手を付けるわけで、登場後40年を経た8500系を新たに編成ごと購入することには興味を失っているとしても不思議ではありません (→とゆーか、普通そーだろ……と)。
 というわけで、既にKAI・KCJ手持ちの東急部品が枯渇し、状態の悪い編成を潰して他の編成を延命させる段階に突入して久しい中、来年以後廃車となる8500系の部品が少しでも多く海を渡り、現在ジャカルタで青息吐息の奮闘を続ける8000・8500系にとって干天の慈雨となることを願わずにはいられません……(それまで何とか持ちこたえてくれぇ~!!)。103系が亡き今、JRとメトロだけになってしまったら、個人的には毎年出掛ける理由もなくなってしまいますから……(滝汗)。
 一方、8500系や8590系をゲットしてくれそうな国内私鉄には秩父鉄道・富山地鉄がありますが、果たして追加導入はありますでしょうか……?

京王7000系2016初夏 (上) 競馬場線HM

2016-05-14 08:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 春の中央競馬主要レースが絶賛開催中のところ、本日は東京競馬場にて「京王杯」が開催されるとか。というわけで、京王がこの時期JRAと組んで競馬場線の電車の前面に掲げているHM姿 (今年のバージョン。6月まで) をアップすることにしましょう~。もっとも、競馬開催日には7000系前パン2連ではなく、長大編成がジャンジャン行き交うことになるわけですが……。



 ちなみに、今回のカットを撮るにあたり、私は事前にHM掲出情報など何も知らず、「瑞々しい最盛期を迎えた緑化軌道 (笑) を行く侘び寂び2連を久しぶりに撮ろう」と思いフラフラと訪れたらイキナリHM姿でしたのでマジびっくり! そもそも、久しぶりに京王で撮り貯めようと思ったのは、先日ご紹介させて頂きました「茶」様のブログとのリンクを記念してのことですが、そんなきっかけが思わぬ駄賃につながるということもあるのですなぁ~! 

栃木東部非電化散歩 (6) 烏山線ACCUM

2016-05-13 00:00:00 | JR発足後の車両


 既にJREの多くの路線を席巻している「走るんです」ボディの車両については、全ての鉄ヲタの皆様がそれぞれに批判と賛美こもごもの感情を抱かれることでしょうが、私の場合、3扉車なら総じて「まいっか」という気分になりつつあります。その一因は、単に飼い慣らされて諦めたということでもあるのですが、別の一因として、4扉車に比べれば安物の押し込まれ搬器らしさが緩和され、スペック・デザインともに「まぁ良いんでないの?」と思うからであります。登場当初は「かつて○ソ50と罵った50系すら超豪華列車に思えるほどの極悪車両」と思った701系ですら、今や「中央貫通顔ハァハァ……ふっくらと座り心地の良い椅子ハァハァ……凄まじいスタートダッシュとフルノッチ爆走ハァハァ……」と思うほどですから (笑)。
 したがって、烏山線に登場した大容量バッテリ搭載車EV-E301「ACCUM」につきましては、「走るんです」史上最も洗練されたボディと最新鋭のパワーエレクトロニクスを凝縮した走り装置の組み合わせということで、なるべく早めに一度体験し撮ってみたいと思っていたのでした。



 そして今回、烏山まで行った帰りに宇都宮まで乗り、大金での長時間 (?) 停車中にこんな感じで激写することも出来、かな~り満足しております。また車内も、椅子の座り心地がE233と比べても宜しいように思われ、デザインも良好で洗練されている気がしますので、逆に「209やE217・E231を作った時点で何故ここまで手抜きしたのか……」という怨嗟が自ずと沸々とするほどです (爆)。
 実際の走りについては、例えば西門子製・歌うVVVFのように「何か特別に異様な音でも発するのだろうか……ワクワク」と期待していたのですが、あくまでフツーのVVVF音がするだけでしたので、ちょっと拍子抜けですな……。ランカーブも、いくら列車番号に「M」が付いているとはいえ、検査日にキハ40で代走させることを考えれば、結局従来のキハ40と全く同じものにならざるを得ないわけで、起動はVVVF車にしてはかなりトロく、宝積寺→宇都宮間でも205系の凄まじい爆走とは全く裏腹の、最高速度も抑えられ軽~く流す感じの走りでした。
 というわけで、今のところ2連1本しかなく、ラッシュアワーのそれなりに乗車率が上がる列車を避けた運用をしている以上、当面は大容量バッテリ電車の本格的実用化を前にしたお試し期間という位置づけにとどまるのでしょう。
 しかしまぁ……烏山駅の充電設備を除いて架線柱が全く無い田園地帯のローカル線だというのに、本当に最新ピカピカのVVVF電車が走るというギャップには新鮮なオドロキを隠せません。そしてもし今後、とくに短時間の往復でこまめに充電可能な非電化路線で、この大容量バッテリ車が本格的に実用化されるならば、短距離の非電化路線では急速にDCの置き換えが進むでしょうし、さらに極端な話、電化設備を取り払う事例も増えるのかも知れません。具体的には、現状非電化の路線でしたら、烏山線のみならず八高線の高麗川~八王子間とか、久留里線とか……。あるいは電化路線でも、鶴見線とか、房総半島の先端部とか、高崎~横川とか……。あるいは、黒磯のデッドセクションの位置を変え、駅全体を直流化することで、既に貨物列車の黒磯スルー化で余剰になった設備を整理し、黒磯~白河間の運用をEV-E301にするとか……。妄想が止まりませんのでこれにて (汗)。