~あらすじ~
ネタバレ防止のため無し
~感想~
上・中・下巻、ポケット辞書並みの厚み・値段のはてにたどりついたのは。
ただ物語を終わらせるだけの話。
ただ物語を終わらせただけの話。
ここにはただ、それだけしかない。他にはなんにもない。
展開はとにかく陳腐。打ち切りマンガさながらのストーリーで退屈きわまりない。
シリーズを通しての謎はほとんどが解かれずに放置され、ミステリバカをうならせたトリックもプロットもなんにもない。
ただのファンタジィくずれ。
ただの純文学もどき。
期待の大きさに反比例して、失望と怒りは深い。
維新は果たされることなく、終焉を迎えた。
新時代の夜明けは遠い。
(以下ネタバレ&毒吐き)
あえて言おう。「ネコソギラジカル」は打ち切りマンガであると。
1:ハッピーエンドでめでたしめでたし
驚くべきことに「ネコソギラジカル下(以下 下巻)」では一人の死者も出ませんでした。
そう、まるで末期の幽遊白書のように。作者が敵役に思い入れしすぎた――のかどうか、とにかく人死にが出ませんでした。
いわゆる「死にフラグ」の立っていたはずの、狐さん・玖渚・深標姉妹・るれろetcetc…みんなみんな無事です。
狐さんにいたっては「俺を殺しても第二第三の俺が現れる」とどこかで聞いたようなセリフまで吐いています。
ぜんぜん文脈は違いますが、なぜか前述の幽遊白書の「俺たちはもう疲れたんだよ。お前らはまた新しい敵を見つけて闘い続けるがいい」を思い出しました。飽きたのか維新。
そして訪れる、くっだらないハッピーエンド。あまりにもそのまんまの結末。
ハッピーエンドは大好きですが、維新にはそんな当たり前のことをして欲しくなかった。
読み終えたとき、末尾にあの一文がないことに驚きました。ほら、舞城王太郎のアレ。
「おめえら全員これからどんどん酷い目に遭うんやぞ!!」ってヤツ。(「暗闇の中で子供」より抜粋)
なんと言いますかね。こんなに平和的な解決では、上・中巻で亡くなられた方々が気の毒です。明らかに死に損です。
あの流れはなんだったんだという有様です。
2:みんななかよし
驚くべきことに「下巻」では最終的に、みんななかよしになってしまいました。
たとえばいーちゃんと狐さん。いーちゃんと深標姉妹。哀川潤と想影真心にいたっては戦いの末に友情が芽生え
「へへっ……お前つええな」「お前こそ……」なベッタベタの間柄になってしまいました。
夕陽の下、河原で一生殴り合ってやがれ。
いーちゃんと狐さんはあいかわらずトムとジェリーさながらに争ってるそうですし……はぁ。
3:謎はすべて解けなかった
驚くべきことに維新は作中で哀川潤にこんなセリフを言わせています。
「張っていた伏線はあらかた回収したんじゃねえの?」このセリフには心底腹が立ちました。
思いつくだけでも、いーちゃんの本名は? いーちゃんの妹はなにをされたの? いーちゃんは玖渚になにをしたの? いーちゃんは真心になにをしたの? どうして真心は生きているの? 玖渚直はどうしていーちゃんと友を引き合わせたの? 占い師の占いはなぜ外れたの? イリアさんはどうして哀川さんと呼ぶの? どうして七奈波は魔女と呼ばれているの? サイコロジカルで言っていた鈴無さんの素性ってなんなの? 狐さんと零崎の縁はなんだったの? 結局「世界の終わり」ってなんだったの?
ぜーんぶ放置されましたとさ。
4:表紙で壮絶なネタバレ
驚くべきことに肝心要のオチが、表紙であからさまに明かされています。
特に裏表紙。そのまんまラストの情景じゃないですか。あれを見てなんとなくオチに想像がついた方も多いことでしょう。
そういえば登場人物紹介にこれまでの(べつに改めてからみもしない)キャラが総ざらえしてあるのも、打ち切りマンガ最終回の表紙を思い出させます。
これでシリーズが終わったあたりも「西尾維新先生の次回作にご期待ください」って感じですね。
「クビキリサイクル」のそうそうたるデビュー以来、マニアをうならせライトノベルファンを引き寄せた作品の数々。
ミステリ界に新風を吹き込み、維新を起こした戯言シリーズ。しかしその結末は――。
とりあえずこれだけは言っておきたい。
血迷っても続編だけは書くなよ。
できれば外伝も辞めてほしいが。
評価:問題外
ネタバレ防止のため無し
~感想~
上・中・下巻、ポケット辞書並みの厚み・値段のはてにたどりついたのは。
ただ物語を終わらせるだけの話。
ただ物語を終わらせただけの話。
ここにはただ、それだけしかない。他にはなんにもない。
展開はとにかく陳腐。打ち切りマンガさながらのストーリーで退屈きわまりない。
シリーズを通しての謎はほとんどが解かれずに放置され、ミステリバカをうならせたトリックもプロットもなんにもない。
ただのファンタジィくずれ。
ただの純文学もどき。
期待の大きさに反比例して、失望と怒りは深い。
維新は果たされることなく、終焉を迎えた。
新時代の夜明けは遠い。
(以下ネタバレ&毒吐き)
あえて言おう。「ネコソギラジカル」は打ち切りマンガであると。
1:ハッピーエンドでめでたしめでたし
驚くべきことに「ネコソギラジカル下(以下 下巻)」では一人の死者も出ませんでした。
そう、まるで末期の幽遊白書のように。作者が敵役に思い入れしすぎた――のかどうか、とにかく人死にが出ませんでした。
いわゆる「死にフラグ」の立っていたはずの、狐さん・玖渚・深標姉妹・るれろetcetc…みんなみんな無事です。
狐さんにいたっては「俺を殺しても第二第三の俺が現れる」とどこかで聞いたようなセリフまで吐いています。
ぜんぜん文脈は違いますが、なぜか前述の幽遊白書の「俺たちはもう疲れたんだよ。お前らはまた新しい敵を見つけて闘い続けるがいい」を思い出しました。飽きたのか維新。
そして訪れる、くっだらないハッピーエンド。あまりにもそのまんまの結末。
ハッピーエンドは大好きですが、維新にはそんな当たり前のことをして欲しくなかった。
読み終えたとき、末尾にあの一文がないことに驚きました。ほら、舞城王太郎のアレ。
「おめえら全員これからどんどん酷い目に遭うんやぞ!!」ってヤツ。(「暗闇の中で子供」より抜粋)
なんと言いますかね。こんなに平和的な解決では、上・中巻で亡くなられた方々が気の毒です。明らかに死に損です。
あの流れはなんだったんだという有様です。
2:みんななかよし
驚くべきことに「下巻」では最終的に、みんななかよしになってしまいました。
たとえばいーちゃんと狐さん。いーちゃんと深標姉妹。哀川潤と想影真心にいたっては戦いの末に友情が芽生え
「へへっ……お前つええな」「お前こそ……」なベッタベタの間柄になってしまいました。
夕陽の下、河原で一生殴り合ってやがれ。
いーちゃんと狐さんはあいかわらずトムとジェリーさながらに争ってるそうですし……はぁ。
3:謎はすべて解けなかった
驚くべきことに維新は作中で哀川潤にこんなセリフを言わせています。
「張っていた伏線はあらかた回収したんじゃねえの?」このセリフには心底腹が立ちました。
思いつくだけでも、いーちゃんの本名は? いーちゃんの妹はなにをされたの? いーちゃんは玖渚になにをしたの? いーちゃんは真心になにをしたの? どうして真心は生きているの? 玖渚直はどうしていーちゃんと友を引き合わせたの? 占い師の占いはなぜ外れたの? イリアさんはどうして哀川さんと呼ぶの? どうして七奈波は魔女と呼ばれているの? サイコロジカルで言っていた鈴無さんの素性ってなんなの? 狐さんと零崎の縁はなんだったの? 結局「世界の終わり」ってなんだったの?
ぜーんぶ放置されましたとさ。
4:表紙で壮絶なネタバレ
驚くべきことに肝心要のオチが、表紙であからさまに明かされています。
特に裏表紙。そのまんまラストの情景じゃないですか。あれを見てなんとなくオチに想像がついた方も多いことでしょう。
そういえば登場人物紹介にこれまでの(べつに改めてからみもしない)キャラが総ざらえしてあるのも、打ち切りマンガ最終回の表紙を思い出させます。
これでシリーズが終わったあたりも「西尾維新先生の次回作にご期待ください」って感じですね。
「クビキリサイクル」のそうそうたるデビュー以来、マニアをうならせライトノベルファンを引き寄せた作品の数々。
ミステリ界に新風を吹き込み、維新を起こした戯言シリーズ。しかしその結末は――。
とりあえずこれだけは言っておきたい。
血迷っても続編だけは書くなよ。
できれば外伝も辞めてほしいが。
評価:問題外