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ミステリ感想-『痙攣的 モンド氏の逆説』鳥飼否宇

2007年05月27日 | ミステリ感想
~収録作品~
廃墟と青空
闇の舞踏会
神の鞭
電子美学
人間解体


~感想~
むっちゃくちゃな作品である。
冒頭の一編からして連作短編として成立するのか心配になるような破壊的な結末を迎え、驚く間もなくその後も次々と定石をぶち壊していく。
しかし本格ミステリとしての要素は(本書の中盤までは)硬質で、巧みな論理や特異な動機などで楽しませてくれる。ラスト2編でなにもかも破壊し尽くされてしまうため、それを許容できれば、本書を楽しめることだろう。
前衛芸術さながらに、新たなる地平を求めるあまりとんでもない方向へ暴走してしまったような彼岸のミステリ。バカミステリと呼ぶには惜しいデタラメさは一見の価値ありです。


07.5.26
評価:★★★ 6
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