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ミステリ感想-『復讐者の棺』石崎幸二

2008年08月09日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大手スーパーが、経営破綻した孤島のテーマパークを買収。
その再建のため、本社から派遣されたスタッフが次々と惨殺される。
事件の背後には過去の社長殺害事件の謎が? サラリーマン石崎幸二と女子高生トリオがボケとツッコミとときどき推理に挑む!


~感想~
ダメ本格ふたたび!!

記号のように無個性の登場人物が、レミングスのように次々とワンパターンに殺されていく、まさに大量死の時代!(違います)
まるで思考停止のような芸のない連続殺人されっぷり! そこにシビれる! あこがれるゥ!
そもそも主人公のミリアとユリからして全く区別がつかねえ! それは作者も保証済み!
明らかに不自然な浮いた記述はもちろん伏線だ! トリックはバレバレのあげく島田荘司のアレの劣化コピーとか言うな! DNAネタはどう見ても『首鳴き鬼の島』を書いた余りだが気にするな!


……とかなんとかけなしてみたが、このシリーズ大好きです。
トリックとか関係なくあの三人がわいわいがやがや騒いでるだけで満足できる人種は黙って買うべし。
冗談みたいにワンパターンな事件の展開は、1時間ちょいで読み終われるほどのリーダビリティを生むためです。そうなんです。

僕らの石崎幸二が帰ってきたことはうれしい限りだが、『首鳴き鬼の島』の一発でチャンスをもらったのだろうに、いつもどおりにこんなのを出してきて、また干されてしまわないか心から心配です。


08.8.9
評価:★☆ 3
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