~あらすじ~
小説家を目指し脱サラした赤井は、ある日河川敷で助けを求める少女と出会う。少女は知らない男に追いかけられていると訴えるが、男は父親だと言いはる。
助けようとする赤井だったが、居合わせた大人たちに少女を男に返せと言い含められ、その場をやり過ごしてしまう。
そして後日、少女が男に殺害されたことを知り罪の意識に苛まれ、彼女の葬儀に参列。そこで「虫とりのうた」という奇妙な唄にまつわる都市伝説を耳にした。
第41回メフィスト賞受賞作品。
~感想~
あのメフィスト賞から初のホラー作品だというのに実におとなしめ。
とがったところがどこにもなく、丁寧なというか平凡な作風で、破綻はないが裏切りもない物語である。
和製ホラーといえば(個人的なイメージでは)起承転結の起か結を省いて雰囲気を出すものだが、今作ではきっちり起承転結をまとめ上げ、はじめから終わりまで一切、話の展開に無理がない。
だがその分、淡々と話が転がってしまい、イヤさも怖さももちろんのこと、印象に残る場面自体がほとんどないのがネック。受賞作なしから一転して出版にいたったそうだが、わざわざメフィスト賞の名を冠して出すほどのものだったろうかと疑問に思えてならない。
とはいえメフィスト賞から出ていなければ一生手に取らなかっただろうし、そのあたりは出版社的には成功しているのかもしれない。
09.8.14
評価:★☆ 3
小説家を目指し脱サラした赤井は、ある日河川敷で助けを求める少女と出会う。少女は知らない男に追いかけられていると訴えるが、男は父親だと言いはる。
助けようとする赤井だったが、居合わせた大人たちに少女を男に返せと言い含められ、その場をやり過ごしてしまう。
そして後日、少女が男に殺害されたことを知り罪の意識に苛まれ、彼女の葬儀に参列。そこで「虫とりのうた」という奇妙な唄にまつわる都市伝説を耳にした。
第41回メフィスト賞受賞作品。
~感想~
あのメフィスト賞から初のホラー作品だというのに実におとなしめ。
とがったところがどこにもなく、丁寧なというか平凡な作風で、破綻はないが裏切りもない物語である。
和製ホラーといえば(個人的なイメージでは)起承転結の起か結を省いて雰囲気を出すものだが、今作ではきっちり起承転結をまとめ上げ、はじめから終わりまで一切、話の展開に無理がない。
だがその分、淡々と話が転がってしまい、イヤさも怖さももちろんのこと、印象に残る場面自体がほとんどないのがネック。受賞作なしから一転して出版にいたったそうだが、わざわざメフィスト賞の名を冠して出すほどのものだったろうかと疑問に思えてならない。
とはいえメフィスト賞から出ていなければ一生手に取らなかっただろうし、そのあたりは出版社的には成功しているのかもしれない。
09.8.14
評価:★☆ 3