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ミステリ感想-『萩原重化学工業連続殺人事件』浦賀和宏

2009年08月17日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体の意味とは!?世界を俯瞰する謎の男女と、すべての事件の鍵を握る“萩原重化学工業”の正体とは!?
※コピペ


~感想~
思えば遠くへ来たもんだと感慨深い、久々の安藤直樹シリーズ。久々すぎてしばらく安直シリーズだと気づかなかった。
シリーズのはじめからSF要素の濃い作品ではあったが、それでももうSFという言葉ではくくりきれないような風呂敷の広げ方で、あさっての方向へと突き進んでしまっている。
その方向と来たらもう、トリックとか密室とかどうでもいい次元で、正直なところミステリとして見るには無理のある、というかミステリ的な部分はかなりめにどうでもいいものになっている気がしてならない。
中盤からはもう「あれ、これってエヴァの外伝かなんかだっけ?」とか「あ…ありのままいま起こったことを話すぜ! おれは浦賀和宏を読んでいたと思ったらいつのまにか清涼院流水を読んでいた。な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…」といった状態でファンすらも置いてけぼりにした感。
もれ聞く評判から松浦純菜シリーズは敬遠していたのだが、この松浦シリーズ後の浦賀作品を読むと個人的にますます興味がなくなっていくな……。


09.8.6
評価:★★ 4
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