小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『からくり探偵・百栗柿三郎』伽古屋圭市

2016年01月23日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「よろず発明 承り」百栗庵を営む発明家の百栗柿三郎。
しかし依頼が来るのは隣に書き加えられた「よろず探偵 人探しも承り」の方ばかり。
密室でホムンクルスが科学者を絞殺…、富豪が血痕を残して失踪しバラバラ死体で発見…、新興宗教にのめり込んだ息子が行方不明…、両親の死体とともに消えた少女…ところが柿三郎は探偵にも意外な才能を見せる。


~感想~
大正時代を舞台に発明家がオーバーテクノロジーというほどではないが自走式ロボットや指紋採取、幻燈機などの発明品を駆使して推理に挑む……と概要だけ聞けばいかにもゆるそうなラノベミステリだが、蓋を開けてみれば密室殺人、バラバラ殺人、人間消失、死体消失とザ・本格な事件を明快な論理と見事などんでん返しで鮮やかに解き明かす硬質にして良質な本格ミステリ。
そのうえ終わってみれば全編が……とこれが文庫書き下ろしとは信じがたいほどのコストパフォーマンス。
今月末にはシリーズ第二作も出版されるが、あらすじを見ただけでもネタバレをかましているのでまずはこの第一作から読むべし。


16.1.20
評価:★★★☆ 7
コメント