~あらすじ~
考古学者の峰はエジプトの墳墓から石棺を発見するが、中のミイラは古代人ではなく死後数ヶ月ほどの死体だった。
盗掘団の仲間割れの結果かと思われるそのミイラも盗難に遭い、失意のままパリに移動しようとした峰の乗る飛行機が墜落。そこは見渡す限り砂の大地が広がるサハラ砂漠であった。
~感想~
他の作家の作品と比べるのは愚の骨頂ながら「ここ十年で最高の徹夜本」とか「まるでハリウッド映画」などと煽られると、どうしても高野和明「ジェノサイド」を真っ先に思い出し比べてみたくなってしまうのだが、結論から言うと「ジェノサイド」のボロ勝ちであった。
とはいえ佳作ではある。展開は目が回るほど早く、砂漠でのサバイバルあり、銃弾の飛び交うアクションあり、エロいヒロインとのロマンスありと、たしかにハリウッド映画を意識したような冒険活劇で、一介の考古学者に過ぎず、屈強な若者でもない主人公が銃撃されても「たかがメインアームをやられただけだ」と意に介さず元気いっぱいに戦い続けるのは不自然ながら、サバイバルの同行者は全員が秘密を抱え一癖も二癖もあり、物語の裏には陰謀と社会派なテーマが潜みと、最後まで読者を引きつける。
十年、いや二十年に一作レベルの「ジェノサイド」と比べるのはさすがに酷だが、一息に読ませる力のあるエンターテイメント作品であろう。
18.2.7
評価:★★★ 6
考古学者の峰はエジプトの墳墓から石棺を発見するが、中のミイラは古代人ではなく死後数ヶ月ほどの死体だった。
盗掘団の仲間割れの結果かと思われるそのミイラも盗難に遭い、失意のままパリに移動しようとした峰の乗る飛行機が墜落。そこは見渡す限り砂の大地が広がるサハラ砂漠であった。
~感想~
他の作家の作品と比べるのは愚の骨頂ながら「ここ十年で最高の徹夜本」とか「まるでハリウッド映画」などと煽られると、どうしても高野和明「ジェノサイド」を真っ先に思い出し比べてみたくなってしまうのだが、結論から言うと「ジェノサイド」のボロ勝ちであった。
とはいえ佳作ではある。展開は目が回るほど早く、砂漠でのサバイバルあり、銃弾の飛び交うアクションあり、エロいヒロインとのロマンスありと、たしかにハリウッド映画を意識したような冒険活劇で、一介の考古学者に過ぎず、屈強な若者でもない主人公が銃撃されても「たかがメインアームをやられただけだ」と意に介さず元気いっぱいに戦い続けるのは不自然ながら、サバイバルの同行者は全員が秘密を抱え一癖も二癖もあり、物語の裏には陰謀と社会派なテーマが潜みと、最後まで読者を引きつける。
十年、いや二十年に一作レベルの「ジェノサイド」と比べるのはさすがに酷だが、一息に読ませる力のあるエンターテイメント作品であろう。
18.2.7
評価:★★★ 6