~あらすじ~
捜査一課の新米刑事がたまたま立ち寄った美谷時計店には「アリバイ崩し承ります」という奇妙な貼り紙があった。
「時計にまつわる依頼はなんでも受ける」という先代店主である祖父の遺志を受け継ぎ、孫娘の美谷時乃が挑む7つのアリバイトリック。
~感想~
こういうのでいいんだよ、こういうので。
ここ2冊ごちゃごちゃしたのと、くどくどしたのを読んだのでシンプル・イズ・ベストな本作は実に良かった。
余計な情報が出てきたら100%なんらかの手掛かりか伏線という作者らしい必要最低限の問題編に、1~2の質問だけであっさり全ての謎を解く安楽椅子探偵。アリバイ崩し or アリバイ探しに限定しながら、様々な手管で騙してくれる。
見たことある設定や見たことあるトリックを、発想の飛躍一つで傑作に昇華させた「赤い博物館」に勝るとも劣らない良作揃いで、そう来たか!と何度となく唸らされた。
特にお気に入りは、シリーズ設定とこういう無茶な話をやりますよという説明を同時に済ませつつ豪快なトリックを仕掛けた1話目「ストーカーのアリバイ」と、さんざん無茶苦茶やってきたからこそ通じてしまう4話目「失われたアリバイ」の2編。
2話ほど力尽きたか時間が足りなかったのかと疑う、シンプルにも程がある物も見当たるが、それでも何かしら秀でたところはあった。
「時を戻すことができました」という決め台詞、異常に頭良すぎるし採算度外視の5千円で引き受ける謎の美女、捜査情報を漏洩しまくる倫理観ゼロの新米刑事のコンビと、ドラマ化 or シリーズ化してくれと言わんばかりの設定に、あまりに本格ミステリ的なトリックの数々は例によってツッコミどころが山ほどあるが、こまけぇこたぁいいんだよ!と受け入れられる読者なら、間違いなく楽しめるだろう好短編集である。
18.10.16
評価:★★★☆ 7
捜査一課の新米刑事がたまたま立ち寄った美谷時計店には「アリバイ崩し承ります」という奇妙な貼り紙があった。
「時計にまつわる依頼はなんでも受ける」という先代店主である祖父の遺志を受け継ぎ、孫娘の美谷時乃が挑む7つのアリバイトリック。
~感想~
こういうのでいいんだよ、こういうので。
ここ2冊ごちゃごちゃしたのと、くどくどしたのを読んだのでシンプル・イズ・ベストな本作は実に良かった。
余計な情報が出てきたら100%なんらかの手掛かりか伏線という作者らしい必要最低限の問題編に、1~2の質問だけであっさり全ての謎を解く安楽椅子探偵。アリバイ崩し or アリバイ探しに限定しながら、様々な手管で騙してくれる。
見たことある設定や見たことあるトリックを、発想の飛躍一つで傑作に昇華させた「赤い博物館」に勝るとも劣らない良作揃いで、そう来たか!と何度となく唸らされた。
特にお気に入りは、シリーズ設定とこういう無茶な話をやりますよという説明を同時に済ませつつ豪快なトリックを仕掛けた1話目「ストーカーのアリバイ」と、さんざん無茶苦茶やってきたからこそ通じてしまう4話目「失われたアリバイ」の2編。
2話ほど力尽きたか時間が足りなかったのかと疑う、シンプルにも程がある物も見当たるが、それでも何かしら秀でたところはあった。
「時を戻すことができました」という決め台詞、異常に頭良すぎるし採算度外視の5千円で引き受ける謎の美女、捜査情報を漏洩しまくる倫理観ゼロの新米刑事のコンビと、ドラマ化 or シリーズ化してくれと言わんばかりの設定に、あまりに本格ミステリ的なトリックの数々は例によってツッコミどころが山ほどあるが、こまけぇこたぁいいんだよ!と受け入れられる読者なら、間違いなく楽しめるだろう好短編集である。
18.10.16
評価:★★★☆ 7