~あらすじ~
文壇の巨匠・篠崎豪輔は軽井沢の別荘に作家や編集者らを招きひと夏を過ごすのを習慣としていた。
だが頑固で偏屈な篠崎はほうぼうで恨みを買い、この夏に集まった面子もそれぞれの理由で彼を憎んでおり、予想通りについに事件が起こった。
本格ミステリベスト99位
~感想~
絶対話にオチのつくミステリ最高や! 純文学なんていらんかったんや!
直前に読んだオチなし「残虐記」も文春ミステリランキングに入ってたけどな。
冒頭で名を伏せられた登場人物たちの、それぞれの篠崎を恨むに至った経緯が描かれ、そのエピソードが多彩でまず面白い。
その覆面キャラと来客の誰が同一人物なのか次第に明かされていき、この経緯のおかげでそれぞれの背景と思惑がすっきりと理解でき、キャラ立ちと各人の把握にも一役買って実に上手い趣向である。
内容は古色蒼然たる山荘の連続殺人で、警察は普通に介入するもののなすすべもなく凶行を許し続け、最後には安楽椅子探偵が謎を一刀両断するのだが、400ページにわたり丹念に連続殺人を描いておいて、解決は星影龍三のRTAで30ページで解かれてて笑った。
この推理の手法がRTA過ぎる。
星影龍三「まず本筋に関係ない謎を解いて信頼度を上げます。第1の殺人のトリックを解けば犯人のアリバイが崩れ動機も明らかになるのでここは丁寧に解いていきます。
第3~4の殺人の伏線は後出しですが第1の解決で犯人は詰んでますし信頼度が最低ラインに達してるのでクリアできます。まだ抵抗された時の為に犯人の自白も先に取っておきます。これで最速です」
結末も「推理して解決するけど後は知らん」というRTAらしく星影探偵らしい投げっぱなしで、伏線の後出しや詰み切れていない推理の粗もあるのだが、解決に必要なフラグだけはきっちり立てられていて、必要最低限にして十分。
オーソドックスな昭和の本格ミステリが読みたい時にはうってつけの佳作である。
22.7.16
評価:★★★☆ 7
文壇の巨匠・篠崎豪輔は軽井沢の別荘に作家や編集者らを招きひと夏を過ごすのを習慣としていた。
だが頑固で偏屈な篠崎はほうぼうで恨みを買い、この夏に集まった面子もそれぞれの理由で彼を憎んでおり、予想通りについに事件が起こった。
本格ミステリベスト99位
~感想~
絶対話にオチのつくミステリ最高や! 純文学なんていらんかったんや!
直前に読んだオチなし「残虐記」も文春ミステリランキングに入ってたけどな。
冒頭で名を伏せられた登場人物たちの、それぞれの篠崎を恨むに至った経緯が描かれ、そのエピソードが多彩でまず面白い。
その覆面キャラと来客の誰が同一人物なのか次第に明かされていき、この経緯のおかげでそれぞれの背景と思惑がすっきりと理解でき、キャラ立ちと各人の把握にも一役買って実に上手い趣向である。
内容は古色蒼然たる山荘の連続殺人で、警察は普通に介入するもののなすすべもなく凶行を許し続け、最後には安楽椅子探偵が謎を一刀両断するのだが、400ページにわたり丹念に連続殺人を描いておいて、解決は星影龍三のRTAで30ページで解かれてて笑った。
この推理の手法がRTA過ぎる。
星影龍三「まず本筋に関係ない謎を解いて信頼度を上げます。第1の殺人のトリックを解けば犯人のアリバイが崩れ動機も明らかになるのでここは丁寧に解いていきます。
第3~4の殺人の伏線は後出しですが第1の解決で犯人は詰んでますし信頼度が最低ラインに達してるのでクリアできます。まだ抵抗された時の為に犯人の自白も先に取っておきます。これで最速です」
結末も「推理して解決するけど後は知らん」というRTAらしく星影探偵らしい投げっぱなしで、伏線の後出しや詰み切れていない推理の粗もあるのだが、解決に必要なフラグだけはきっちり立てられていて、必要最低限にして十分。
オーソドックスな昭和の本格ミステリが読みたい時にはうってつけの佳作である。
22.7.16
評価:★★★☆ 7