~あらすじ~
水族館の営業中に起こった凄惨な殺人事件。館内には至る所にカメラがあり、容疑者は水族館関係者の11人に絞られるが、その11人全員にアリバイがあった。
捜査に行き詰まった警察は再びあの駄目人間にして天才・裏染天馬に助っ人を頼む。
2013年本ミス2位、本格ミステリ大賞候補
~感想~
デビュー作にして本ミス5位にランクインした前作「体育館の殺人」をも上回る本ミス2位に輝いた第二作目。
このシリーズは驚くべきことに現在までに刊行された全4作がベストテン入りしている。
順位だけではなく内容も確実に前作からパワーアップしており、起こる事件はまたも1件、しかも固有名詞ではない一般名詞のごくありふれた水族館を舞台にしているのだからますますとんでもない。
捜査に駆り出された裏染天馬は瞬く間に11人のアリバイを破るが、しかしそこから悪戦苦闘し、いわゆるスクラップ&ビルドを繰り返し少しずつ真相に迫る。
その過程で推理のヒントめいたことをいちいち口に出してくれるのも相変わらずで、読者は天馬の推理が今どのへんにまで達しているか理解できるほど。これが文庫版で追加された「読者への挑戦状」におけるヒントにもなっており、挑戦に応じる好事家には天馬の推理を追う格好の手掛かりとなるだろう。
肝心の推理パートは今回もじっくりページと時間を取り丹念に進められ、前作のアレのようにある一つの手掛かりをしゃぶり尽くす勢いで論理を展開する。
さらにエピローグではこれまた前作のようにただでは終わらず、もう一つの真相を暴くとともにとどめの一撃に心憎い言葉まで放ってくれる。
前作で膨らんだ期待に最高の形で答えるとともに、「平成のエラリイ・クイーン」という大上段すぎる異名もあながち嘘ではないとすら感じさせる、素晴らしい第二作である。
22.9.13
評価:★★★★ 8
水族館の営業中に起こった凄惨な殺人事件。館内には至る所にカメラがあり、容疑者は水族館関係者の11人に絞られるが、その11人全員にアリバイがあった。
捜査に行き詰まった警察は再びあの駄目人間にして天才・裏染天馬に助っ人を頼む。
2013年本ミス2位、本格ミステリ大賞候補
~感想~
デビュー作にして本ミス5位にランクインした前作「体育館の殺人」をも上回る本ミス2位に輝いた第二作目。
このシリーズは驚くべきことに現在までに刊行された全4作がベストテン入りしている。
順位だけではなく内容も確実に前作からパワーアップしており、起こる事件はまたも1件、しかも固有名詞ではない一般名詞のごくありふれた水族館を舞台にしているのだからますますとんでもない。
捜査に駆り出された裏染天馬は瞬く間に11人のアリバイを破るが、しかしそこから悪戦苦闘し、いわゆるスクラップ&ビルドを繰り返し少しずつ真相に迫る。
その過程で推理のヒントめいたことをいちいち口に出してくれるのも相変わらずで、読者は天馬の推理が今どのへんにまで達しているか理解できるほど。これが文庫版で追加された「読者への挑戦状」におけるヒントにもなっており、挑戦に応じる好事家には天馬の推理を追う格好の手掛かりとなるだろう。
肝心の推理パートは今回もじっくりページと時間を取り丹念に進められ、前作のアレのようにある一つの手掛かりをしゃぶり尽くす勢いで論理を展開する。
さらにエピローグではこれまた前作のようにただでは終わらず、もう一つの真相を暴くとともにとどめの一撃に心憎い言葉まで放ってくれる。
前作で膨らんだ期待に最高の形で答えるとともに、「平成のエラリイ・クイーン」という大上段すぎる異名もあながち嘘ではないとすら感じさせる、素晴らしい第二作である。
22.9.13
評価:★★★★ 8