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ミステリ感想-『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』西尾維新

2023年02月12日 | ミステリ感想
~あらすじ~
玖渚盾、誇らしき盾。青色サヴァンと戯言遣いの娘。
名前の由来でもある人類最強の請負人・哀川潤に誘拐され、本家の玖渚城に送り届けられた彼女を待つクビキリ殺人。
ママの法則とパパの戯言は娘を救うのか、それとも?


~感想~
まず「青色サヴァンと戯言遣いが生き残って結婚し娘ができます」が結構なネタバレであり、シリーズ全部読んでるファン向けなのは当然。
内容も新キャラは誰かの子供か眷属ばかりで、冒頭からしばらく見ない間にスペースチャンネル5みたいな外見になった哀川潤が戯言遣いの娘とパパそっくりの漫才を応酬し、ここで引用することすらできない超ネタバレのメタ発言を乱発する、シリーズファン垂涎にしてシリーズファン以外お断りの代物。
なので表面的なことだけ言っておくと、ジャンルはきちんとした推理と解決と動機もある「本格ミステリ」で、デビュー作「クビキリサイクル」と同様に斬新な「首切りの理由」が描かれるので、あの頃のようなラノベとミステリの融合として楽しんでいたファンも納得できるだろう。
とにかく全ページに渡ってシリーズのネタバレ発言しか無いといって過言ではないので、少なくともクビキリサイクル~ネコソギラジカルまで読了しないうちに手を出してはいけないし、手を出しても楽しめないと口を酸っぱくして言っておきたい。「ザレゴトディクショナル」まで読んでいるファンにはもう何も言うことはないし、黙っていても読むだろう。


23.2.12
評価:★★★☆ 7
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