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ミステリ感想-『秋の花』北村薫

2023年04月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大学2年生の私の近所に住む2人の女子高生。親友同士の2人のうち1人が校舎から転落死した。
遺された1人はふさぎ込み、そして私の家には転落死の真相を告発するような手紙が届けられる。

1991年このミス12位、本格ベスト71位

~感想~
合わない。やっぱり北村薫は合わない。
知らない作家の知らない本の感想を書かれるのはいつものことだからまあいいとして、それらの話が物語上の伏線として機能することはほぼなく、単なる雑談になっているのも、ジャンルが本格ミステリではないし、むしろその雑談こそが主だと思う向きも多いだろうから文句はない。
問題は話の構成と作品を取り巻く周囲の反応だ。

他にもいろいろ思うことはあるがぶっちぎりでラストシーンに全く納得がいかない。
娘が○○かもと不安になってる母親さしおいて赤の他人が親の了解もなく○○へ勝手に連れて行って○○させるとかいくらなんでも無茶苦茶じゃないですか。しかもそれをやったのが私からついさっきちょこっと話を聞いただけのぽっと出の円紫である。マジで?
前書きの推薦文に「微笑ましい人々が、日常の中の不思議にこだわり、その謎を追う推理小説」とか書かれてたけどお前マジでこれ読んでそれ書いてるのか。とんでもない鬱だぞ内容。なんせ微笑ましい人々がこだわる日常の中の不思議=女子高生転落死事件なんだぞ。
ネタバレ三昧の挙げ句に途中から野菊の墓の感想文が長々と書かれる解説もそうだが、自分は北村薫が苦手なのはもちろんのこと北村薫ファンが大の苦手だ。

面白かったら「盤上の敵」に進もうかと思ったが、やっぱり北村薫を次読むのは10年後でいいや。


23.3.27
評価:★★ 4
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